ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

『小屋 働く建築』中里和一・安藤邦博・宇江敏勝 LIXILギャラリーが無くなって悲しい!

生活に根差した小屋の記録 1999年刊行。本書は三名の共著となっている。中里和一(なかざとかつひと)は1956年生まれの写真家。安藤邦博(あんどうくにひろ)は1948年生まれの建設家。宇江敏勝は1937年生まれのエッセイスト、林業家。 内容はこんな感じ 都市…

『土葬の村』高橋繁行 滅びゆく弔いの習慣

筆者は死と弔いに豊富な知見を持つ 2021年刊行。筆者の高橋繁行(たかはししげゆき)は1954年生まれのルポライター。『ドキュメント現代お葬式事情』『葬祭の日本史』など、人間の死、葬式、葬祭儀礼に関連した著作を何冊か他にも上梓している。 この本で得…

『日本の偽書』藤原明 荒唐無稽なものに人は魅せられる

六冊の偽書をとりあげる 2004年刊行。筆者の藤原明(ふじわらあきら)は1958年生まれのノンフィクションライター。古今有名な六つの偽書を題材に、怪しげな文献が制作者の意図すらも越えていつのまにか一人歩きしていく謎について、新書のボリュームでコンパ…

『消えたマンガ家 ダウナー系の巻』大泉実成 マンガ界の深淵を覗き込む

マンガ界の闇の部分を垣間見ることの出来る一冊 2000年刊行。元々は太田出版から1996~97年に発売されていた『消えたマンガ家1・3』を文庫化にあたり加筆修正、更に『クイックジャパン』誌に掲載されていた「ねこぢる」篇を追加収録したもの。 内容はこんな…

『人は話し方が9割』永松 茂久 話し方の基本は「共感と寄り添い」

2020年年間ランキング1位のビジネス書 2019年刊行。筆者の永松 茂久(ながまつしげひさ)は1974年生まれ。サラリーマンからたこ焼き屋に転身。これが見事に成功し、数多くの飲食店を展開。その過程で、多数のビジネス書、自己啓発書を世に送り出している人物…

『文系AI人材になる』野口竜司 AIはやがて誰もが使えるツールになる

「文系AI人材」になるためには? 2020年刊行。筆者の野口竜司(のぐちりゅうじ)はZOZOTOWNの開発を担当している子会社ZOZOテクノロジーズにてVP of AI driven businessを務める。 本書の他に、『管理職はいらない AI時代のシン・キャリア』『A/Bテストの教…

『中世・ルネサンスの音楽』皆川達夫 国内最初期の古楽ガイドブック

皆川達夫先生がなくなられて一年 別ブログの方で軽く触れたが、わたしは高校時代から合唱を続けている人間だったりする。合唱の世界では、皆川先生と言えば業界の大重鎮のひとりであった。最初にお姿を拝見したのは、立教グリー男声の定期演奏会だったように…

『刀狩り―武器を封印した民衆』藤木久志 農民たちは刀を取り上げられていなかった?

「刀狩り」の概念を変えた一冊 筆者の藤木久志(ふじきひさし)は1933年生まれ。群馬工業高専の講師や、聖心女子大学での助教授職を経て、立教大学へ。立教では名誉教授にまでなり、その後は帝京大学でも教鞭を振るった。 残念ながら2019年に亡くなられてし…

『30年後に絶対後悔しない中古マンションの選び方』 マンションを買うなら中古派のあなたに

マンションを買うなら中古だと思っている方向け 新築マンション価格の高止まりが続いている。2020年の首都圏マンションの平均価格はなんと6,083万円!(首都圏マンション市場動向―2020年まとめー[PDF]より)。こうなるとなかなか一般人は手が出ない。 そこで…

『四谷怪談 祟りの正体』小池壮彦 事件の発生から変容の過程を読み解く

「知の冒険」シリーズの一冊 2002年刊行。筆者の小池壮彦(こいけたけひこ)は1963年生まれの作家、ルポライター、怪談史研究家。近著では2019年の『東京の幽霊事件 封印された裏歴史』、2016年の『東京 記憶の散歩地図』などがある。 本書は学研の新レーベ…