ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『流言のメディア史』佐藤卓己 「ポスト真実」時代のメディア・リテラシーとは?

流言から歴史を読み解く 2019年刊行。筆者の佐藤卓己(さとうたくみ)は1960年生まれの社会学者、歴史学者。京都大学大学院教育学研究科の教授。専門はメディア史。2020年には紫綬褒章も受章している。 内容はこんな感じ 1938年。オーソン・ウェルズによるラ…

『奴隷船の世界史』布留川正博 奴隷制はまだ終わっていない

400年続いた奴隷貿易の歴史 2019年刊行。筆者の布留川正博(ふるかわまさひろ)は1950年生まれ。現在は同志社大学経済学部の教授。専攻は大西洋の奴隷貿易史、近代奴隷制史。 専門書、それも共著が数作。一般人向けの著作はほとんどない。本書が初めてかも。…

『50歳からの逆転キャリア戦略』前川孝雄 「定年=リタイア」ではない時代の一番いい働き方、辞め方

「リクナビ」「就職ジャーナル」元編集長が説く50代のキャリア戦略 2019年刊行。筆者の前川孝雄(まえかわたかお)は1966年生まれ。リクルートの「リクナビ」「就職ジャーナル」の編集長職を歴任。その後独立。人材育成、研修、組織開発などの業務を主として…

『離島を旅する』向一陽 ニッポンを大きく一周!端っこへ行こう!

島好きなら読みたい一冊 2004年刊行。筆者の向一陽(むこういちよう)は1935年生まれのジャーナリスト、探検家。元共同通信社勤務で日本山岳会の会員。 世界各地を登山、探検目的で訪れており、奥アマゾン探検隊の隊長職も務めている。どっちが本業なのだろ…

『小さな藩の奇跡 伊予小松藩会所日記を読む』増川宏一 小藩が残した日常の記録

一万石の小藩が残した150年間の記録 2001年の本書刊行当時、わたしは夏の旅行で松山を訪れていた。銀天街の書店にて手書きポップの威力に負け購入してしまった一冊がコレ。ご当地ものには弱いのだ。 本書は、伊予小松藩(現在の愛媛県西条市小松町)に残され…

2018年に読んで面白かった一般書6選

おいおい、もう2021年ですよ。というツッコミもあると思うが、こちらも元ブログからのお引越し記事(手抜きでごめんなさい)。こちらは、小説、マンガ、新書を除いた一般書からのセレクトである。 2018年に出た本ではなく、「2018年に読んだ本」が対象なので…

2020年に読んで面白かった新書・一般書10選

皆さま、明けましておめでとうございます。 年が明けてしまったが、一昨年、昨年同様に、2020年に読んで面白かった新書・一般書10選をお届けしたい。いつもであれば、新書のみで構成していたのだが、2020年は新書だけだと数が足りないので、一般書からもチョ…

『戦争は女の顔をしていない』スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチのデビュー作

ノーベル賞受賞作家の主著書 オリジナルのロシア語版は1984年に刊行。原題は『У ВОЙНЫ НЕ ЖЕНСКОЕ ЛИЦО』。最初の邦訳版は2008年に群像社から刊行されている。 2016年に岩波現代文庫版が登場。わたしが今回読んだのはこちらの版である。 筆者のスヴェトラー…