ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

2022-01-01から1年間の記事一覧

『自己肯定感を上げる OUTPUT読書術』アバタロー 人生を劇的に変える読書の威力

本を読まない方のための読書指南本 『自己肯定感を上げる OUTPUT読書術』。タイトルを読んで、どういうこと?と気になった方は多いのではないか。本書は、どちらかというと、ふだんあまり本を読まない方に向けて書かれた読書指南本だ。 筆者の最大の主張はこ…

『ユダヤ人とローマ帝国』『ユダヤ人とドイツ』大澤武男 ユダヤ民族の歴史を知るための二冊

大澤武男のユダヤ人関連の著作を二作紹介 筆者の大澤武男(おおさわたけお)は1942年生まれ、ドイツ在住の歴史家。ユダヤ人やドイツに関する著作を数多く上梓している。本日はこの大澤武男の著作の中から、ユダヤ人に関して書かれた新書を二冊ご紹介したい。…

放送大学二年目一学期、単位認定試験を受けてきました

放送大学二年目!全科履修生になりました 2021年の4月から放送大学の選科履修生になり、なんとか一年続けられたので、2022年度からは全科履修生になりました。選科履修生は一年の期限があり、短期間で学びたい科目だけを学ぶスタイル。全科履修生は10年の在…

『現代ロシアの軍事戦略』小泉悠 それでも軍事大国であり続けるロシアのこれから

ウクライナ戦争前に書かれたロシア軍事論 2021年刊行。筆者の小泉悠(こいずみゆう)は1982年生まれの軍事評論家。とりわけ、ロシアの軍事、安全保障問題には精通しており、ウクライナ戦争勃発後は頻繁にテレビに登場しているので、ご存じの方も多いはずだ。…

『すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!』大橋禅太郎 会議の生産性を上げるにはこの一冊

多くの大企業に導入された「すごい会議」とは? 本日は、少し古い本だがこちらの書籍をご紹介したい。 2005年刊行。筆者は1964年生まれ。28歳でアメリカに渡りインターネット上でのマーケティング会社GAZOOBAを設立。2001年に同社を売却し一定の成功を収めて…

『理想の暮らしをかなえる50代からのリフォーム』水越美枝子 動線と収納がゆとりを生み出す

リフォームについて考えている中高年の方向け 2021年刊行。B5サイズの大型本である。 筆者の水越美枝子(みずこしみえこ)は一級建築士。日本女子大卒業後、清水建設に入社し、その後独立。キッチンスペシャリストの肩書を持つ。住宅設計から、リフォーム、…

『仕事の基礎力』田中耕比古 デキる人は「当たり前」に身につけている!

大手某社の受託業務を請け負っていた際に、業務の進捗と品質を管理するために、コンサルタント会社が間に入ったことがある。 経験されたことがある方は、わかっていただけるかもしれないが、彼らの仕事の速度はビックリするくらい早く、その質も嫌になるほど…

『一瞬でわかる 日本と世界の領土問題』高橋和夫・川島淳司 領土問題はどうして起きるのか?

領土問題が一瞬でわかる! 2011年刊行。筆者の高橋和夫(たかはしかずお)は国際政治学者で、放送大学の元教授(現在は名誉教授)。もう一人の筆者、川島淳司(かわしまじゅんじ)は、放送大学の非常勤講師(当時)。 わたしは2021年の春から放送大学での学…

『民族の世界地図』と『新・民族の世界地図』 世界紛争の因果を知るには読んでおきたい二冊

世界紛争が起きる理由がわかる 『民族の世界地図』は2000年刊行。21世紀研究会編とあるが、21世紀研究会は歴史学、文化人類学、考古学、宗教学、生活文化史学の研究者9人による国際文化研究のための集まりである。 新・民族の世界地図』は2006年刊行。『民族…

『江戸で部屋さがし』菊地ひと美 江戸時代住居の間取りを豊富なカラーイラストで紹介

専門家が教えてくれる江戸時代の部屋さがし 2022年刊行。作者の菊地ひと美は、1955年生れの江戸衣装と暮らし研究家、日本画家(画号・菊地一美)。 ちくま文庫の『江戸衣装図絵』シリーズ、東京堂出版の『江戸の暮らし図鑑』、三省堂の『お江戸の結婚』など…

『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』西岡研介 JR労組問題の闇に切り込む

JRの暗部に切り込んだ一冊 2006年7月から「週刊現代」に半年にわたって掲載された「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」をもとに書かれたノンフィクション作品。 筆者の西岡研介(にしおかけんすけ)は1967年生まれのノンフィクションライター。本作で…

『歴史を変えた6つの飲物』トム・スタンデージ ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コカ・コーラ

6つの飲み物が変えた世界 原著の『A History of the world in 6 Glasses』は2005年に刊行。 邦訳版は二冊存在していて、最初に2007年のインターシフト版が登場。この時の邦題は『世界を変えた6つの飲物』だった。 世界を変えた6つの飲み物 - ビール、ワイン…

『ネット告発 企業対応マニュアル』 個人の告発が大企業を揺るがすようになった時代

6つのネット炎上事件を紹介 2003年刊行。 牧野二郎、金野志保、西畠義昭ら、五人の弁護士による共著。かなり以前に、仕事絡みで購入したもの。 90年代後半~ゼロ年代前半にかけて、黎明期のネット社会で評判となった6つの事件(東芝ビデオデッキ事件、悪徳警…

佐伯有清『高丘親王入唐記』~『高丘親王航海記』と共に読みたい一冊

数少ない高丘親王研究本 2002年刊行。筆者の佐伯有清(ありきよ)は1925年生まれの歴史学者。北海道大学、成城大学の教授を歴任。2005年に他界されている。 『高丘親王入唐記』の入唐は(にっとう)と読む。「入⇒にふ」の促音化なのか?、当時の中国語の音を…

『書ける人だけが手にするもの』齋藤孝 書ける人は自分らしく充実した人生を手にできる!

「書きたい」けれど「書けない」あなたに ちょっとした短文ならすぐ書ける。Twitterでコメントするならいくらでも投稿できる。でも、少しまとまった量の文章になると途端に手が動かなくなる。ブログに挑戦してみたいけれど、何を書いていいかわからない。そ…

『趣都の誕生 萌える都市アキハバラ』森川嘉一郎 秋葉原の光と影を考察する

趣味の都アキハバラを読み解く 2003年刊行。筆者の森川嘉一郎(もりかわかいちろう)は1971年生まれで、明治大学国際日本学部の准教授。建築学者で、意匠論を専門とする人物。 本書は日本が世界に誇る?オタクの王国アキハバラに視点を据えた都市論である。 …

『中高年男性の働き方の未来』小島 明子 オジサンたちにこれから出来ることは何か?

中高年男性が活躍するためにはどうすればいい? 昨今「一億総活躍社会」「働き方改革」といった言葉が叫ばれるようになって久しい。あなたの職場環境には変化があっただろうか。新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴うリストラ、テレワークの普及。この十年で…

『年代別 医学的に正しい生き方』和田秀樹 40歳を過ぎたら読んで起きたい一冊

人生100年時代の処方箋 2018年刊行。筆者の和田秀樹(わだひでき)は1960年生まれ。灘校→東大医学部卒。精神科医、大学教授、受験アドバイザー、作家、映画監督までやっている多彩な経歴の人物。 2022年だけでも『80歳の壁』『70代で死ぬ人、80代でも元気…

『50歳からの賢い住宅購入』千日太郎 お金の視点からアラフィフ年代の住宅ローンを考える

住宅購入で悩むアラフィフ世代に 以前にも書いたが、わが家は賃貸物件での生活が長い。しかし、今年に入ってから、遅ればせながら中古マンションを買えないものかと物色をダラダラと続けている(あまり進んでいない)。物件についての知識はそれなりに溜まっ…

『老後に住める家がない!』太田垣章子 明日は我が身の”漂流老人”問題

老後に住む家が借りられない現実を知る 2000年刊行。筆者の太田垣章子(おおたがきあやこ)は専業主婦から一念発起、30代後半で司法書士の資格を取られた方。2,300件を超える家賃滞納トラブルを解決してきた実績を持つ、最新の賃貸事情を知る人物である。 太…

『あなたのアクセスはいつも誰かに見られている』小川卓 ネットの「ちょっと気持ち悪い」の正体は?

行動データ解析の第一人者が教えてくれる「気持ち悪さ」の正体 2016年刊行。筆者の小川卓(おがわたく)はマイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンと有名ネット企業各社を渡り歩いたウェブアナリスト。SEOやウェブ分析関…

『統計検定3級』ギリギリ67点で合格!公式問題集の罠、改訂ポイント、試験時の注意事項

二か月も経過してしまったが、2022年の三月に「統計検定3級」の試験を受けてきたので、本日はその取り組みについてご報告したい。 統計検定3級合格証 統計検定って何?統計検定3級の合格率は? 「統計検定」は日本統計学学会が主催する全国統一試験だ。概要…

『謎のチェス指し人形「ターク」』トム・スタンデージ 18世紀に登場した「機械知性」の可能性

実在したオートマトン(自動人形)の数奇な生涯 2011年刊行。原著の『The Turk: The Life and Times of the Eighteenth Century Chess Player』は2002年刊行。筆者のトム・スタンデージ(Tom Standage)は1969年生まれの、イギリス人作家、編集者。 歴史的な…

『源氏物語の結婚』工藤重矩 正妻はやっぱり強かった!源氏物語で読み解く平安時代の結婚制度

平安時代の結婚制度を源氏物語を通じて紹介 2012年刊行。筆者の工藤重矩は1946年生まれの国文学者。福岡教育大学の名誉教授、福岡女子大学の客員教授。 主な著作は以下の通り。 『平安朝律令社会の文学』ぺりかん社(1993年) 『平安朝の結婚制度と文学』風…

『藩と日本人 現代に生きる“お国柄”』武光誠 県民性のルーツは江戸時代の藩に?

江戸時代の藩が"お国柄"をつくった オリジナルのPHP新書版1999年に刊行されている。筆者の武光誠(たけみつまこと)は明治学院大の教授。日本古代史、日本思想史が専攻。 藩と日本人―現代に生きる“お国柄” (PHP新書) 作者:武光 誠 PHP研究所 Amazon しばらく…

『東京タイムスリップ1984⇔2021』『東京DEEPタイムスリップ1984⇔2022』善本喜一郎 昭和と令和の東京の街並みを見比べる

※2022/5/28追記 続編となる『東京DEEPタイムスリップ1984⇔2022』が刊行されていたので後半に情報を追記しました! 『東京タイムスリップ1984⇔2021』よみがえる1984年の東京 この本で得られること 内容はこんな感じ 目次 懐かしい新宿の姿が楽しい 2021年との…

『中流崩壊』橋本健二 「中流」は本当に存在したのか?

「階級格差社会」日本を読み解く 2020年刊行。筆者の橋本健二(はしもとけんじ)は1959年生まれ。現在は早稲田大学人間科学学術院の教授職。主著に『階級都市』『アンダークラス』『新・日本の階級社会』『<格差>と<階級>の戦後史』がある。統計データを元に…

『ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論』 書くことはもっと自由でいいんだ

「書けない」悩みを抱えるあなたに贈る執筆論 2021年刊行。筆者は以下の四人。 千葉雅也(ちばまさや):哲学者・小説家。立命館大学大学院教授 山内朋樹(やまうちともき):美学者、庭師。京都教育大学准教授 読書猿(どくしょざる):読書家、作家 瀬下翔…

『文系のためのめっちゃやさしい確率』倉田博史 確率がよくわからない文系人間のあなたに!

確率がわからない方へ 私事で恐縮だが、わたしは私立文系人間(しかも文学部だ)で、高校時代に数学は「数II」までしか履修していない。よって、確率がよくわからない。最近、統計の勉強を始めているのだが、確率についての根本的な理解が足りない故に、あれ…

『北条氏の時代』本郷和人 七人の得宗家から読み解く鎌倉時代

本郷和人による「北条氏」本 2021年刊行。筆者の本郷和人(ほんごうかずと)は1960年生まれの歴史学者。東京大学史料編纂所で教授職にある人物。専門は日本の中世史。 一般人向けの著作も多く、メディアに登場する機会も多いので、ご存じの方も多いのではな…