ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

4つ★(おススメ!)

『すごい会議-短期間で会社が劇的に変わる!』大橋禅太郎 会議の生産性を上げるにはこの一冊

多くの大企業に導入された「すごい会議」とは? 本日は、少し古い本だがこちらの書籍をご紹介したい。 2005年刊行。筆者は1964年生まれ。28歳でアメリカに渡りインターネット上でのマーケティング会社GAZOOBAを設立。2001年に同社を売却し一定の成功を収めて…

『マングローブ テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実』西岡研介 JR労組問題の闇に切り込む

JRの暗部に切り込んだ一冊 2006年7月から「週刊現代」に半年にわたって掲載された「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」をもとに書かれたノンフィクション作品。 筆者の西岡研介(にしおかけんすけ)は1967年生まれのノンフィクションライター。本作で…

佐伯有清『高丘親王入唐記』~『高丘親王航海記』と共に読みたい一冊

数少ない高丘親王研究本 2002年刊行。筆者の佐伯有清(ありきよ)は1925年生まれの歴史学者。北海道大学、成城大学の教授を歴任。2005年に他界されている。 『高丘親王入唐記』の入唐は(にっとう)と読む。「入⇒にふ」の促音化なのか?、当時の中国語の音を…

『50歳からの賢い住宅購入』千日太郎 お金の視点からアラフィフ年代の住宅ローンを考える

住宅購入で悩むアラフィフ世代に 以前にも書いたが、わが家は賃貸物件での生活が長い。しかし、今年に入ってから、遅ればせながら中古マンションを買えないものかと物色をダラダラと続けている(あまり進んでいない)。物件についての知識はそれなりに溜まっ…

『謎のチェス指し人形「ターク」』トム・スタンデージ 18世紀に登場した「機械知性」の可能性

実在したオートマトン(自動人形)の数奇な生涯 2011年刊行。原著の『The Turk: The Life and Times of the Eighteenth Century Chess Player』は2002年刊行。筆者のトム・スタンデージ(Tom Standage)は1969年生まれの、イギリス人作家、編集者。 歴史的な…

『源氏物語の結婚』工藤重矩 正妻はやっぱり強かった!源氏物語で読み解く平安時代の結婚制度

平安時代の結婚制度を源氏物語を通じて紹介 2012年刊行。筆者の工藤重矩は1946年生まれの国文学者。福岡教育大学の名誉教授、福岡女子大学の客員教授。 主な著作は以下の通り。 『平安朝律令社会の文学』ぺりかん社(1993年) 『平安朝の結婚制度と文学』風…

『はじめてのGIS その問題、デジタル地図が解決します』中島円 フリーソフトのQGISで簡単に地図が作れる

地図を使って問題を解決したいあなたにQGISがおすすめ こんなデータが揃っているけれど、どうすればわかりやすい資料になるのか悩んでいる。説得力のある資料を作りたいけれど、必要なデータがどこにあるかわからない。業務の中で、地図を使ってビジュアルか…

『マンガでわかる統計学』大上丈彦 統計の本質が直感的にわかる初学者向けガイド本

統計学に関する初学者の疑問をやさしく解説! 昨今のデータサイエンスブームにあてられたわけではないのだが、統計の勉強を始めて半年が経過した。もともと文系人間であったことに加えて、高齢化に伴い理解力が低下しているわたしは、統計の学びに苦しみ、サ…

『物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国』黒川祐次 地政学的な特異性と複雑な歴史背景を学ぶ

元ウクライナ大使が書いたウクライナの歴史本 2002年刊行。筆者の黒川祐次(くろかわゆうじ)は1944年生まれの、元外交官。モントリオール総領事、ウクライナ大使、モルドバ大使、コートジボワール大使、ベナン・ブルキナファソ・ニジェール・トーゴー大使など…

『四国辺土 幻の草遍路と路地巡礼』上原善広 遍路で生活する人々の姿に迫ったノンフィクション作品

草遍路と四国の路地巡礼 2021年刊行。筆者の上原善広(うえはらよしひろ)は1973年生まれのノンフィクションライター。 2005年のデビュー作『被差別の食卓』は各方面で話題になったので、記憶されている方も多いのではないか。 被差別の食卓(新潮新書) 作…

『サラ金の歴史』小島庸平 サラ金業界の勃興から隆盛、壊滅に至るまでを概観する

新書大賞2022大賞受賞作品 2021年刊行。筆者の小島庸平(こじまようへい)は1982年生まれの経済史学者。東京大学経済学研究科の准教授。 本書は2021年の2021年度の第43回サントリー学芸賞を受賞。更に、2020年12月~2021年11月に刊行された新書を対象とした…

『古代中国の24時間』柿沼陽平 秦漢時代の「ふつうの人々」の日常

秦漢時代の衣食住から性愛まで 2021年刊行。筆者の柿沼陽平(かきぬまようへい)は1980年生まれの東洋史学者。現在は早稲田大学文学学術院教授。専門は中国古代史・経済史・貨幣史。 以下の著作がある。『劉備と諸葛亮 カネ勘定の『三国志』』 『中国古代貨幣…

決算書くらいは読めるようになりたいあなたに

決算書が読めないコンプレックスをなんとかしたい 社会人一年目頃、研修の一環として簿記三級の資格を取りましょうという勉強会があった。最初の何回かだけ通ったものの、あとは日々の忙しさにかまけて脱落してしまった。同期で、ちゃんと合格したのは経理配…

2021年に読んで面白かった新書・一般書10選(VUCA・文章術・中高年の悩み編)

年始恒例の〇〇年に読んで面白かったシリーズ、先日は「2021年に読んで面白かった新書・一般書10選(歴史編)」をお届けした。 本日は歴史ネタ以外。不安定な(VUCA)時代をどう生きるか編・文章力を高めるために編・中高年の悩み編について、まとめておススメ…

2021年に読んで面白かった新書・一般書10選(歴史編)

今週のお題「買ってよかった2021」にも便乗。 恒例の〇〇年に読んで面白かったシリーズ、今回は歴史系だけでエントリを1つ作ってみることにした。 古代~中世編 荘園(伊藤俊一) 刀伊の入寇(関幸彦) 室町は今日もハードボイルド(清水克行) 江戸時代編 …

『荘園』伊藤俊一 750年に及ぶ、日本の荘園の歴史を振り返る

荘園を通じて日本の中世史を学ぶ 筆者の伊藤俊一(いとうしゅんいち)は1958年生まれの歴史学者。現在は名城大学人間学部の教授職にある人物。専門は日本中世史。 著作に『室町期荘園制の研究』。共著に『新体系日本史3 土地所有史』『気候変動からみなおす…

『秘島図鑑』『幻島図鑑』清水浩史 不思議な島たちの物語

本日は清水浩史(しみずひろし)による『秘島図鑑』と『幻島図鑑』の二冊をまとめてご紹介したい。清水浩史は1971年生まれの編集者、ライター。日本各地の島を訪ね歩いた著作の数々で知られる人物だ。 この記事から得られること 魅力的な日本の島、50島につ…

「好きな中公新書10選」を歴史系縛りでピックアップしてみた

中公新書を歴史系から10冊セレクト 中公新書は、岩波新書、講談社現代新書と共に「新書御三家」として名高い。1962年創刊ということで、来年で創刊60周年を迎える老舗レーベルである。 さて、本日ははてなブログ10周年特別お題「好きな◯◯10選」に便乗。 なに…

『脱マウス最速仕事術』森新 脱マウスで仕事のスピードが劇的に変わる!

年間120時間の時短を実現!? 現代のビジネスパーソンにとって、もっとも足りないものは何だろうか?お金?健康なカラダ?それともストレスのない快適な環境?求めるものは各人違ってくるだろうが、共通して誰もが足りないと感じているのは「時間」ではない…

『室町は今日もハードボイルド』清水克行 やられたらやり返す!舐められたら終わりの時代を生き抜く

いま、室町時代が熱い! 2016年に刊行された、呉座勇一の『応仁の乱 - 戦国時代を生んだ大乱』は50万部の大ヒット作となった。 呉座勇一著『応仁の乱』が重版決定しています。これで34刷。話題を呼び続け、部数は50万部近くとなりました。細川勝元、山名宗全…

『バロック音楽 名曲鑑賞事典』礒山雅が選んだバロックの名曲100選!

バロック音楽の名曲をあなたに 2007年刊行。2018年に物故された礒山雅(いそやまただし)による、クラシック楽曲ガイドである。本ブログで礒山雅の作品を紹介するのは講談社現代新書の『J.S.バッハ』に続いて二冊目。今回は講談社学術文庫からの刊行である。…

『13歳からのアート思考 「自分だけの答え」がみつかる』末永幸歩 VUCA時代を生き抜くために

発行部数16万部超のベストセラー本 2020年刊行。筆者の末永幸歩(すえまつゆきほ)は武蔵野美術大学を経て、東京学芸大学の教育学研究科へ。現在は、東京学芸大学の個人研究員兼、中学・高校の美術教諭として活躍している人物。 帯の「薦」には、藤原和博、山…

『人新生の「資本論」』斎藤幸平 晩年のマルクス思想が地球環境を救う?

「新書大賞2021」大賞受賞作品 2020年刊行。筆者の斎藤幸平(さいとうこうへい)は1987年生まれ。大阪市立大学大学院経済学研究科の准教授。2018年、優れたマルクス研究書に与えられる、ドイッチャー記念賞を日本人初、それも歴代最年少の31歳で受賞している…

『日本語アカデミックライティング』で客観的で学術的な文章の書き方を学ぶ

放送大学の『日本語アカデミックライティング』が面白かったので紹介したい! 以前にも書いたが2021年の4月から通信制の教育機関である放送大学に、選科履修生として入学している。コロナ禍でどうしても自宅で過ごす時間が増えたので、少し真面目に勉強をし…

『幕末単身赴任 下級武士の食日記』青木直己 食レポ日記から幕末の江戸を知る

幕末の世相を「食」から読み解く 2005年の刊行。最初はNHK出版の生活人新書からの登場であった。 筆者の青木直己(あおきなおみ)は1954年生まれ。有名和菓子店虎屋の研究部門、虎屋文庫で和菓子に関する調査、研究に従事されていた方。虎屋クラスの企業にな…

『消えたマンガ家 アッパー系の巻』大泉実成 「他の世界」へ行ってしまったマンガ家たち

消えたマンガ家のその後を追うシリーズ二作目 2000年刊行。元々は太田出版から96~97年に発売されていた『消えたマンガ家1・2・3』を文庫化にあたり加筆修正、更に『クイックジャパン』誌に掲載されていた「鳥山明」篇を追加収録したもの。 同じ作者による…

『消えたマンガ家 ダウナー系の巻』大泉実成 マンガ界の深淵を覗き込む

マンガ界の闇の部分を垣間見ることの出来る一冊 2000年刊行。元々は太田出版から1996~97年に発売されていた『消えたマンガ家1・3』を文庫化にあたり加筆修正、更に『クイックジャパン』誌に掲載されていた「ねこぢる」篇を追加収録したもの。 内容はこんな…

『中世・ルネサンスの音楽』皆川達夫 国内最初期の古楽ガイドブック

皆川達夫先生がなくなられて一年 別ブログの方で軽く触れたが、わたしは高校時代から合唱を続けている人間だったりする。合唱の世界では、皆川先生と言えば業界の大重鎮のひとりであった。最初にお姿を拝見したのは、立教グリー男声の定期演奏会だったように…

『沈黙のウェブライティング』松尾茂起 SEOライティング教本の決定版

SEOを意識した文章を書きたい方へ 2016年刊行。筆者の松尾茂起(まつおしげおき)は1978年のWebプロデューサ。Webプランニングチーム「ウェブライダー」代表取締役。作曲家、ピアニストとしても活動をしている人物である。 2019年に改訂を施した第二版が登場…

『戦争は女の顔をしていない』スヴェトラーナ・アレクシェーヴィチのデビュー作

ノーベル賞受賞作家の主著書 オリジナルのロシア語版は1984年に刊行。原題は『У ВОЙНЫ НЕ ЖЕНСКОЕ ЛИЦО』。最初の邦訳版は2008年に群像社から刊行されている。 2016年に岩波現代文庫版が登場。わたしが今回読んだのはこちらの版である。 筆者のスヴェトラー…