ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

『自分マーケティング』川上徹也 一点突破で「その他大勢」から抜け出す九つの戦術

人気コピーライターが説く、自分マーケティングの勧め 2018年刊行。筆者の川上徹也(かわかみてつや)は広告代理店(アサツーディ・ケイ)出身のコピーライター、作家。現在は独立し、自身が立ち上げた湘南ストーリーブランディング研究所の代表を務めている…

『日本民俗学概論』福田アジオ・宮田登/編 民俗学について学びたい初学者は読んでおきたい一冊

民俗学に興味を持ったら読みたい一冊 1983年刊行。編者は日本民俗学の権威、福田(ふくた)アジオ、宮田登(みやたのぼる)の両名。福田アジオは1941年生まれ、そして宮田登は1936年生まれの民俗学者(2000年に物故)。 1983年と40年も前に刊行された著作だ…

『悪魔の布 縞模様の歴史』ミシェル・パストゥロー ストライプをめぐる文化論

縞模様好き必読の一冊 1993年刊行。オリジナルのフランス版の原題は『L' étoffe du diable』で1991年刊行。筆者のミシェル・パストゥローは1947年生まれのフランス人研究者。紋章学を主要な研究ジャンルとしているが、幅広い分野で活躍をしている人物である。…

『死に山 世界一不気味な遭難事故 ディアトロフ峠事件の真相』ドニー・アイカー 2023年度文庫ベストテンの第一位

謎に満ちたディアトロフ峠事件を描く 2018年刊行作品。オリジナルの米国版は2013年刊行。原題は「dead mountain」。筆者のドニー・アイカー(Donnie Eichar)はアメリカ人の映画プロデューサー、作家。 死に山 世界一不気味な遭難事故《ディアトロフ峠事件》…

『デジタル・ポピュリズム』福田直子 SNSが加速する衆愚制への道

SNS全盛時代の世論操作術 2018年刊行。筆者の福田直子はドイツ在住のジャーナリスト。 本書では、ネットが当たり前になった時代、特にSNS全盛時代のポピュリズムの危険性を指摘している。 ポピュリズムとは聞きなれない言葉かもしれないが、wikipediaから当…

『AI DRIVEN AIで進化する人類の働き方』伊東穣一 生成系AIをツールとして役立てる

生成系AIで何が出来るのか教えてくれる 2023年刊行。筆者の伊東穣一(いとうじょういち)は1966年生まれのベンチャーキャピタリスト、起業家、作家、学者。マサチューセッツ工科大学教授、MITメディアラボ所長、ハーバード・ロースクール客員教授などを経て…

『足利将軍たちの戦国乱世』山田康弘 室町幕府は何故存続し、何故滅びたのか?

応仁の乱後、七人の将軍はどう生きたか? 2023年刊行。筆者の山田康弘(やまだやすひろ)は1966年生まれの歴史学者。専門は日本中性子。現在は東京大学史料編纂所の学術専門職員。ちなみに考古学者の山田康弘(東京都立大教授)とは同姓同名の別人みたい。 …

『問題はロシアより、むしろアメリカだ』池上彰×エマニュエル・トッド 第三次世界大戦に突入した世界

対談形式でウクライナ戦争を語る 2023年刊行。日本人ジャーナリスト池上彰(いけがみあきら)と、フランス人の歴史人口学者・家族人類学者のエマニュエル・トッド(Emmanuel Todd)による対談本。 対談はオンラインで行われ、三日間、計八時間に及んだとのこと…

『これで死ぬ』羽根田治 53のアウトドア死亡事例を収録。人間は意外に簡単に死んでしまう!

アウトドアに出る前に知って起きたい死亡事例集 2023年刊行。筆者の羽根田治(はねだおさむ)は1961年生まれのフリーライター。アウトドア関連、特に登山時の遭難をテーマとした著作を何作も上梓している。有名なのは全六作にもなる「遭難」シリーズだろう。…

『ルワンダ中央銀行総裁日記 増補版』服部正也 46歳で超赤字国家の経済を再建した日本人がいた

50年売れ続けているロングセラー オリジナル版の『ルワンダ中央銀行総裁日記』は1972年刊行。同年の毎日出版文化賞の文学・芸術部門を受賞している。およそ、半世紀前。かなり昔に刊行された中公新書である。 2009年に新章が追加された「増補版」が登場し、20…

『ミュージック・ヒストリオグラフィー』松本直美 変わり続ける「音楽史」の謎をひも解く

「まつもと(な)」さんが本を出した! 2023年刊行。筆者の松本直美はイギリス、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部で上級講師を務めている人物。専門は歴史的音楽学。特にオペラ分野の研究で多くの実績を残されている方。 Twitter(現X)をされて…

『くもをさがす』西加奈子 コロナ禍のバンクーバーでがんになった

西加奈子、初のノンフィクション作品 筆者の西加奈子(にしかなこ)は1977年生まれの小説家。2004年の『あおい』がデビュー作。2006年の第三作『きいろいゾウ』は2013年に映画化。2015年の『サラバ!』では直木賞を受賞し、この年の本屋大賞では第2位にランク…

『「民都」大阪対「帝都」東京』原武史 どうして関西では私鉄王国が築かれたのか?

サントリー学芸賞、社会・風俗部門受賞作 1998年刊行。講談社の人文学術書レーベル、選書メチエからの登場だった。 筆者の原武史(はらたけし)は1962年生まれの政治学者で、専攻は日本政治思想史。『「民都」大阪対「帝都」東京』は、1998年のサントリー学芸…

『ぼけますから、よろしくお願いします。』信友直子 認知症を身近な問題として考える

映画化もされたノンフィクション作品 2019年刊行作品。筆者の信友直子(のぶともなおこ)は1961年生まれのテレビディレクター、映像作家、映画監督。 ぼけますから、よろしくお願いします。 作者:信友 直子 新潮社 Amazon 新潮文庫版は2022年に刊行されてい…

『書くのがしんどい』竹村俊助 SNS時代の「伝わる文章」の書きかたを学ぶ

ネットで情報発信を始めたい方へ 2020年刊行。筆者の竹村俊助(たけむらしゅんすけ)は1980年生まれの編集者。中経出版、星海社、ダイヤモンド社へ経て独立。SNS時代の「伝わる文章」の探求をモットーとしている方。 編集者として関わった書籍として、『たっ…

『読書する人だけがたどりつける場所』齋藤孝 わかりやすい言葉で読書の意義を教えてくれる一冊

ネット全盛の時代に「本を読む」理由とは? 2019年刊行作品。筆者の齋藤孝は1960年生まれ。明治大学文学部の教授で、教育学者。非常に多くの著作があるが、代表作は 『声に出して読みたい日本語』あたりかな。 って、書いてて既視感あるなと思ったら、以前に…

『超効率勉強法』DaiGo 最短の時間で最大の成果を手に入れる

DaiGoが教える勉強のノウハウ 2019年刊行。筆者のDaiGo(だいご)は1986年生まれの作家。メンタリスト。テレビ出演の機会も多いのでご存じの方も多いのではないだろうか。 初の著作は2011年の『DaiGoメンタリズム 誰とでも心を通わせることができる7つの法則…

『知らないと後悔する定年後の働き方』木村勝 シニアからのキャリアは「事前にどれだけ準備したか」で決まる

「稼いで生き残る」ためのキャリアデザイン術 2019年刊行。筆者の木村勝(きむらまさる)は1961年生まれ。新卒後、日産自動車に入り、関係各社へ出向。主として人事畑でキャリアを積まれ、その後独立起業し、現在はシニアキャリアのアドバイザーとして活躍さ…

『感染症の日本史』磯田道史 日本人はいかにパンデミックと対峙してきたか

歴史から学ぶ、感染症の教訓 2020年刊行。筆者の磯田道史(いそだみちふみ)は1970年生まれの歴史学者。国際日本文化研究センターの准教授。NHKなど、テレビでの出演も多く、顔を見れば「ああこの人か」と思う方は多いのではないだろうか。 代表作としては、…

『国道16号線 「日本」を創った道』柳瀬博一 国道16号線をめぐる文明論

日本最強の郊外道路の過去と未来 2020年刊行。筆者の柳瀬博一(やなせひろいち)は1964年生まれ。日経BP社で「日経ビジネス」の記者や、専門誌の編集、単行本の編集者として活躍。その後独立し、現在は東京工業大学リベラルアーツ研究教育院の教授職に就いて…

『暮らしも仕事も快適に テレワークのインテリア』 自宅に素敵なワークスペースをつくる方法

コロナ禍の今だからこだわりたいテレワークのインテリア 2020年刊行。編著はパイ インターナショナルとなっており、刊行元会社のスタッフによる仕事なのだろうか。パイ インターナショナルは都内にある、デザインや、ビジュアル書などの出版を主に手掛けてい…

『在宅HACKS!』小山龍介 自分史上最高のアウトプットを可能にする新しい働き方

今すぐ使えるお役立ちテレワークノウハウ集! 2020年刊行。筆者の小山龍介(こやまりゅうすけ)は1975年生まれの実業家、コンセプトクリエイター。 大手代理店を経てMBA取得、松竹で新規事業の立案に関わり、その後独立。現在はブルームコンセプト代表取締役…

『日本の国境』山田吉彦 領土問題の歴史的経緯を学ぶ

海洋問題の専門家が書いた日本の領土問題 2005年刊行。筆者の山田吉彦(やまだよしひこ)は1962年生まれ。本書の刊行当時は日本財団(日本船舶振興会)の海洋船舶部長を務めていた。その後、東海大学の海洋学部で、准教授、教授と順当にキャリアを積まれ、現…

『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』坂本貴志 「定年後の仕事」の実態は?

60~80歳の「仕事の実態」は? 2022年刊行。筆者の坂本貴志(さかもとたかし)は1985年生まれの研究者、アナリスト。厚労省出身で、三菱総合研究所のエコノミストを経て、現在はリクルートワークス研究所に所属。 講談社BOOK倶楽部掲載、田中香織による本書…

『東京の地霊(ゲニウス・ロキ)』鈴木博之 歴史的因縁が土地にもたらすもの

サントリー学芸賞受賞作品 筆者の鈴木博之(すずきひろゆき)は建築史家。東京大学や、青山大学の教授を歴任。東大の名誉教授にもなり、2014年に68歳で亡くなっている。 東京の「地霊(ゲニウス・ロキ)」 作者:鈴木 博之 文藝春秋 Amazon 本作は1990年に文芸…

『働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書』木村勝 シニアのための「選択」と「準備」のポイント

定年後のキャリアが気になり始めたあなたへ 2017年刊行。筆者の木村勝(きむらまさる)は1961年生まれ。新卒後、日産自動車に入り、関係各社へ出向。主として人事畑でキャリアを積まれ、その後独立起業し、現在はシニアキャリアのアドバイザーとして活躍され…

『幸福な監視国家・中国』梶谷懐・高口康太 最新事情から考える監視社会の行く末

中国の最新事情から考えるこれからの監視社会 2019年刊行。本書は、梶谷懐(かじたにかい)、高口康太(たかぐちこうた)の二名体制で執筆されている。梶谷懐は1970年生まれ。神戸大学大学院の教授。現代中国経済に関する著作がいくつかある。一方の、高口康…

『教養としてのAI講義』メラニー・ミッチェル ビジネスパーソンも知っておくべき「人工知能」の基礎知識

知っておきたいAI(人工知能)の基礎知識 2021年刊行。オリジナルの米国版は2020年に刊行されており、原題「Artificial Intelligence: A Guide for Thinking Humans」。直訳すると「考える人間のための人工知能ガイド」といった感じか。邦訳版はずいぶんと俗…

『下流志向──学ばない子どもたち、働かない若者たち』内田樹 合理的な判断として「下流」を選ぶ

内田樹の「下流」論 2007年刊行。2005年の6月に行われた講演をベースに、加筆修正の上で単行本に書き起こしたもの。筆者の内田樹(うちだたつる)は1950年生まれ。東大卒で専攻はフランス現代思想。映画論。武道論。現在は神戸女学院大学名誉教授、京都精華…

『戦争とデザイン』松田行正 その企みに騙されるな

戦争プロパガンダを読み解くシリーズの最新刊 2022年刊行。筆者の松田行正(まつだゆきまさ)は1948年生まれのグラフィックデザイナ、作家、出版経営者。 戦争とデザインについて論じてきた一連の著作の、総まとめとも言えるのが本書といえるだろうか。過去…