ビズショカ(ビジネスの書架)

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2018年に読んで面白かった一般書6選

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おいおい、もう2021年ですよ。というツッコミもあると思うが、こちらも元ブログからのお引越し記事(手抜きでごめんなさい)。こちらは、小説、マンガ、新書を除いた一般書からのセレクトである。

2018年に読んで面白かった一般書6選

2018年に出た本ではなく、「2018年に読んだ本」が対象なので注意。特に順番とかは無しのテーマ別の順不同となっている。Blogを始める前に読んだものが多いので、感想ページへのリンクは無しね。

アウトプットする力を高める本3冊

ここ数年は編集業的な仕事も担当するようになったのだが、そこで痛感させられたのは「文章を書く」、つまりアウトプットするためのスキルが自分には欠如しているということだった。1,000文字程度までなら勢いで書けるけど、2,000文字、5,000文字といったボリュームになると、最低限の構成や組み立てが必要となってくる。そしてそれは、独学ではなかなか学べないのだ。

『みんなが書き手になる時代の あたらしい文章入門』は文章を書くためのエントリーガイド、『マジ文章書けないんだけど』は基礎~応用力の養成本、そして、『「言葉にできる」は武器になる。』は、さらにその先の思考術にまで踏み込んだ一冊である。

みんなが書き手になる時代の あたらしい文章入門

アウトプット力を高めたい人に贈りたい本その1。

ピースオブケイクが出しているスマート新書は、1テーマ、1時間、1コイン(500円)で、最低限のスキルが手に入るというコンセプトの叢書。タイトルによって出来不出来があるのだが、本書はワリとおススメ。

文字だけで伝えなくてはならない文章は、とかく相手に伝わりにくいもの。ただ思いの丈をぶちまけても説得力は生まれない。人に伝わる、人を動かす、感動を与える文章を書くには一定の論理が必要である。

逆に言えば、文章に一定の論理が備わっていれば、自ずとその価値は高まるわけで、本書は上記の前提に立って、可読性の高い文章を書くためのテクニックを伝えてくれる。

主張・理由・事実の連動、主観と客観の使い分け、起「転」承結を意識した構成、などなど、ほんの少しだけ構成を手直しするだけで、文章はびっくりするほどわかりやすくなる。

仕事や趣味のBlogなどで、日常的に文章を書く機会がある方には一度試して見て頂きたい一冊。

マジ文章書けないんだけど ~朝日新聞ベテラン校閲記者が教える一生モノの文章術~

アウトプット力を高めたい人に贈りたい本その2。

タイトルにあるとおり、朝日新聞の校閲記者が教えてくれる文章術本である。

就活前の女子大生と、謎のおじさんの会話形式で進行する文章スキル獲得本。主語と述語、助詞の使い分け、副詞の係り受けなど文法の基礎レベルから始まって、こそあど言葉の距離感、重複表現の回避、5W1Hの活用、「WHY」の使い方まで、順を追ってスキルアップさせてくれるのでわかりやすい。ダメな例、添削例も豊富なので面白い。

主人公が女子大生なので、最終的にはエントリーシート(ES)にしっかりとした自己紹介と志望動機を書けるようになるというのがゴールになっている。よって、どうしても想定読者が就活を目的とした大学生に偏りがちなのだけれども、「自分はしっかりした文章が書けている」と自負している中高年にこそ改めて読んでみてほしい一冊。意外と出来てないことが多くてショックを受けたワタクシなのであった。

「言葉にできる」は武器になる。

アウトプット力を高めたい人に贈りたい本その3。

こちらは、上記の二冊とはコンセプトが異なる。文書を書くところから、更に深化して、価値のあるコトバの紡ぎ方を教えてくれる一冊である。文章術というよりは、思考法に近いか。

アタマの中で思っていることを、いざ人に話そうとするとまったく話せない、伝わらない。 きちんと言葉に出来ない、想いを届けることが出来ないのには理由があることを教えてくれる一冊。平易な言葉で丁寧に説明されているので、わかりやすい。

自分を知りアウトプットの質を高める3冊

続いて紹介する三冊は、一つのくくりにまとめてしまうのは少々無理があるのだが、ちょっと強引にまとめてみた。

アウトプットの「質」を高めるにもさまざまな手段がある。

『内向型人間の時代』はまずは自分の特性とその活かし方を知るところから始めようという一冊。 『仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。』は即効性という点では、今年ベストかと思われる、アイデアを具現化するためのお役立ち本。そして最後の『アナタはなぜチェックリストを使わないのか?』では、ミスを減らすことでアウトプットの質を高めていく。

内向型人間の時代 社会を変える静かな人の力

とかく世の中では外向型が持て囃されており、新卒採用時にコミュニケーション力が重視されているあたりは、その最たるものだと思われる。

内向型は「よくないこと」であるとして、幼少の頃から矯正対象になる。もっと自分から声をかけなさい、遊びに行きなさい、習い事をさせましょう、友達をたくさん作りなさい……。こうした世間の風潮に、生きづらさ、消耗感を覚えている内向型人間は多いのではないだろうか。

本書では内向型人間が生まれてくる科学的な理由にスポットを当てる。そしていかにして現代社会を生きていくべきなのか、内向型ならではの強みは何なのかを解き明かしていく。内向型人間には随分と肯定感を高めてくれる一冊かもしれない。

無論、外向型人間にも数多くの長所がある。外向型と内向型は社会を動かすクルマの両輪であり、いずれが優れていると言うわけではなく、両方とも必要不可欠な存在なのだと思う。

幼少期の矯正と、社会適応の過程で外向型の皮を被った内向型人間に育ってしまった中途半端な自分としては、なかなかに興味深く読めた。内向型の子どもを持つ若い親世代にとりわけ読んで欲しいと思えた作品だった。

仕事のスピード・質が劇的に上がる すごいメモ。

アイデアはゼロから生み出すものではなく、既存の組み合わせである。
現役のコピーライターが実践している14のメソッドが公開されている一冊。

メモというと、記録するため、備忘録として、忘れないため、みたいな用途ぐらいしか凡人では思い至れないのだが、思考の整理、発想術、そして伝える力みたいなところまで、その存在意義を高めることが出来るのだなと感嘆させられた。

特に発想法としては、隠れニーズを発掘する「ブラック三角メモ」、手持ち素材のポテンシャルと、想定ユーザの嗜好をマッチアップすることで、新しい切り口を見つける「ホワイト三角メモ」が秀逸。この二つは早速仕事で役立っている。

アナタはなぜチェックリストを使わないのか?

医療、建築現場、パイロット、僅かな過ち、見過ごしが致命的な惨事に繋がりかねない職場で、ミスの芽を摘み、組織で戦うための力を高めるためにはどうすれば良いのか。

チェックリストはマニュアルでも、教科書でもない。トゥドゥリストとも違う。重大な局面で正しい選択をするための、里程標である。

本書で示されているチェックリストの考え方は、どんな現場にも応用可能であり、とても興味深く読むことが出来た。

ちなみに、筆者のアトゥール・ガワンデはインド系のアメリカ人。別の著書だが、老親の介護、看取りについて書かれた『死すべき定め』が、本当に良書なのでこちらも超おススメ。

 

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