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『超効率勉強法』DaiGo 最短の時間で最大の成果を手に入れる

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DaiGoが教える勉強のノウハウ

2019年刊行。筆者のDaiGo(だいご)は1986年生まれの作家。メンタリスト。テレビ出演の機会も多いのでご存じの方も多いのではないだろうか。

初の著作は2011年の『DaiGoメンタリズム 誰とでも心を通わせることができる7つの法則~』。以後、ハイペースで執筆をつづけ、現在では30冊以上の著作がある。

最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法

図書館に行けば、自己啓発書の棚に「DaiGo」で分類されたコーナーがあるくらいで、その人気ぶりが伺える。

ちなみにDaiGoはDとGが大文字になるのが正解。DAIGOにすると北川景子の旦那の方に、Daigoとするとプロゲーマーの梅原大吾になってしまうので注意が必要である。

内容はこんな感じ

重要な部分に線を引く。テキストを要約して再読する。集中学習する。あなたの勉強法、実は間違っているかもしれない。多くの学校や予備校で教えられてきたテクニックは「やってはいけない!」ものだった。膨大な文献を読み込んできたDaiGoが説く、「本当に使える勉強法」とは何なのか。最短の時間で最大の成果を手に入れる学習法を提示する。

目次

本書の構成は以下の通り。

  • 第1章 やってはいけない!7つの勉強法
  • 第2章 「超効率勉強法」の基本
  • 第3章 学習効果を激しく高める!「勉強前」7つのテクニック
  • 第4章 記憶の残り方が変わる!「勉強後」5つのテクニック
  • 第5章 上級者向け!勉強の効果をさらに高める7つの学習習慣
  • 第6章 才能の差は、こうして超えろ!地頭を良くする科学的トレーニング

DaiGo本の特徴

DaiGoは数多くの自己啓発本を出している。その多くは心理学や、最新の研究に基づくものになっているが、DaiGo自身はあくまでも作家であって研究者ではない。DaiGoは膨大な文献、資料を読み解いたうえで、テーマに即した知見を自身の価値観に基づいて再構築し提示してくる。悪く言えば既存の研究成果のいいとこ取りだ(初期の著作は参考文献すら示していなかったし)。

しかし、別の側面から見てみると、知識のショーケースとして楽しむことが出来るのも事実である。あまりDaiGo流に傾倒し過ぎるのもどうか思うが、ざっと読んで、使えそうなものは試してみる。くらいの気軽さで臨むのが、DaiGo本との適正な距離感ではないかとわたしは考える。

前置きが長くなった。それでは、以下、各章を簡単にご紹介したい。

やってはいけない7つの勉強法

最初に提示されるのは「科学的に効率が悪い」7つの勉強法である。項目は以下の通り。お馴染みの学習法が揃っていて、なかなかにショックを受ける。

  1. ハイライトまたはアンダーライン
  2. 語呂合わせ
  3. テキストの要約
  4. テキストの再読
  5. 集中学習
  6. 自分の学習スタイルに合わせる
  7. 忘れる前に復習する

ハイライトやアンダーラインを引く行為は、線を引いただけで満足してしまう。使える知識として身に付かない。語呂合わせはその場しのぎ。テキストの要約は、意外に難易度が高く。取り組むエネルギーのわりに成果が少ない。テキストの再読は、受け身学習に終始してしまう。集中学習は記憶への定着率が低い。自分の学習スタイルに固執するのは危険。有効な勉強法には個人差はない。忘れる前に復習するよりも、忘れた頃に復習する方が正解。

古典的に使われてきたお馴染みの勉強法を、最初の章でバッサリ切って捨てている。つかみのインパクトとしては十分だろう。それでは、どんな勉強法が優れているのだろうか。

「超効率勉強法」の基本

DaiGo流勉強法の基本はアクティブラーニングである。アクティブラーニングとは積極的な学びの手法である。授業を聞いてノートを取るような受け身姿勢の学習法ではなく、積極的に頭を使って知識を取り入れていく手法がアクティブラーニングだ。

DaiGoは、アクティブ過ぎるほどのアクティブラーニングを目指せと説く。日常のあらゆる場面を学びの場にせよとするのである。その肝は「想起」と「再言語化」にある。

想起を使いこなす3つのテクニック

  1. クイズ化
  2. 分散学習
  3. チャンク化(意味のあるかたまりとして覚える)

再言語化を使いこなす3つのテクニック

  1. 自己解説
  2. ティーチングテクニック
  3. イメージング

わたし的に気になったのは「自己解説」のパートで紹介されている、テキストへの取り組み方である。

  1. プレリーディング(内容をざっくり把握)
  2. 速読(重要点をチェック)
  3. 再読(わからない点を確認)
  4. 再々読(自分の言葉で説明できるようにする)

漫然とテキストを流し読むのではなく、段階を追って読み方の精度を変えていくことで、記憶への定着率を上げていく。これはさっそく取り入れてみることいした。

学習効果を激しく高める「勉強前」7つのテクニック

本書のメインパートは前章の「「超効率勉強法」の基本」である。以降のパートは、おまけのような感じ。勉強法のショーケース的な側面が強い。このパートでは「勉強前」に学習効果を激しく高めるテクニックが7つ披露されている。

  1. 自己超越目標を持つ
  2. 知っていることを書き出す
  3. 好奇心を刺激する
  4. 音楽を正しく使う
  5. 戦略的リソース利用法
  6. 自然の力で集中力を倍にする
  7. ピアプレッシャーでやる気を出す

ポイントはいかにして「脳をだます」かという点に尽きる。意図的に環境をつくり、誘導を図ることで脳の記憶効率は上がっていく。勉強そのものに興味が持てなくても、勉強前に好奇心を刺激しておくと、その後の勉強自体も脳は楽しいものだと認識してしまう。モチベーションが高い人たちの多い環境に身を置くことで自然にやる気も高まっていくのである。

記憶の残り方が変わる!「勉強後」5つのテクニック

このパートで説かれるのは、睡眠の大切さと運動、瞑想の効用である。「勉強後」に取り入れることで効果があがるとDaiGoは主張している。

  1. 報酬つきの昼寝
  2. 睡眠の効果を最大まで引き出す
  3. 運動で記憶を定着させる
  4. マインドフルネス瞑想
  5. クロノタイプ(体内時計)に逆らわずに休む

あたりまえの話だが、人間は脳や頭だけで生きているのではない。肉体あっての人間である。それゆえに、肉体をフルに活用して学習の精度をあげていくことは有用なのではないだろうか。勉強ばかりしていても脳は疲れてしまう。時には休ませ、効率をあげていくことの大切さがこのパートでは提示されている。

上級者向け勉強の効果をさらに高める7つの学習習慣

このパートでは、勉強の効果をより高めていくための小ネタが7つ収録されている。DaiGo本らしいTips集的な部分である。

  1. ひとりごと学習
  2. 話しかけるつもり音読
  3. マルチモーダル学習
  4. ジェスチャー法
  5. 勉強中にも運動をする
  6. 苦手意識を消す
  7. オーバーラーニング

このパートで重要なのは、視覚だけでなく、聴覚や触覚も取り入れて勉強しようという点である。ひとつのメディアだけで学ぶのでなく、複数組み合わせる。ノートや教科書だけでなく、動画や音声も使ってみよう。自分で話してみよう。運動しながら勉強してみようといった提案なのである。単一の学習法を続けていると飽きも出てくるので、目先を変える意味でも、五感を使った勉強法は良いのかもしれない。

才能の差はこうして超えろ!自頭を良くする科学的トレーニング

このパートで登場するのは「ワーキングメモリ」と「マインドセット」である。

まず、ワーキングメモリの性能を上げるための小ネタがこちら。

ワーキングメモリは短期的な情報記憶の部分。このスペックを上げるTipsである。

  1. 運動
  2. テレビゲーム
  3. 楽器
  4. 筆記開示
  5. DNB

テレビゲームも?と突っ込みたくなるところだが、DaiGo流では使い方次第で効果があがるらしい。また、DNBとは耳慣れない言葉だが、「デュアルNバック課題」の意味。短期の記憶力を高めるための脳トレゲームとのこと。こちらは本人監修のアプリがあるのでリンクを貼っておく。

iPhone用

DNB-15分IQアップ脳トレゲーム-

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続いてマインドセットを高める5つの方法である。

  1. マインドセットを解説するメディアに触れる
  2. 選択と戦略を褒める
  3. 「努力はむくわれないものと」認める
  4. 失敗を学習のチャンスだと考える
  5. マインドセットをモニタリングする

マインドセット、要は気の持ちようである。メンタルの部分は大切だ。結局ネガティブな気持ちで勉強をしていてもマイナスの効果しかない。ポジティブな気持ちで取り組むことで全体の勉強効率も変わってくる。

勉強法本はこちらもおススメ!