ビズショカ(ビジネスの書架)

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『民族の世界地図』と『新・民族の世界地図』 世界紛争の因果を知るには読んでおきたい二冊

世界紛争が起きる理由がわかる

『民族の世界地図』は2000年刊行。21世紀研究会編とあるが、21世紀研究会は歴史学、文化人類学、考古学、宗教学、生活文化史学の研究者9人による国際文化研究のための集まりである。


 

『新・民族の世界地図』は2006年刊行。『民族の世界地図』の刊行から六年を経て、大きく変わってしまった世界情勢を反映した新版である。


 

ニュースでよく耳にしながらも、どこだか場所がよくわからなかったり、歴史的背景も知らないままスルーしてしまっているような数々の民族紛争に対して、簡潔かつ明瞭にポイントを解説。かなりの件数を扱っているので一つ一つへのコメントは短いが広く浅くさらう分には良書なのではないかと思われる。

『民族の世界地図』の内容はこんな感じ

二つの世界大戦。核兵器の登場。非戦闘員をも巻き込む総力戦。20世紀は戦争の世紀であった。しかし来るべき21世紀を前にしても、依然として世界各地では紛争が絶える事がない。迫害される少数民族。モザイク状に複数の民族が入り乱れる旧ユーゴスラビア。そして数千年の因縁が縺れ合うパレスチナ紛争。宗教・民族・言語それぞれの観点から現代の民族地図を描き出す。

『新・民族の世界地図』の内容はこんな感じ

2005年に起きたアメリカの同時多発テロ、イラクとの戦争によって世界はどのように変わったか。民族・宗教の地図から見れば、物事の本質が見えてくる!旧作『民族の世界地図』に最新の世界情勢を反映。世界各地の民族紛争はどうして起きたのか。俄かに注目を集めるようになったエネルギー争奪戦の淵源はどこにあるのか?

世界各地の紛争のルーツは?

ルワンダのツチ族とフツ族は元々民族が違うわけではではなく、ドイツ/ベルギーの植民地時代に強いられた階層の違いなのであることはこれで始めて知った。人口1,500万人のチワン族も中国という巨大な国家の中では少数民族と呼ばれてしまうことも驚きだった。それにしても何度読んでも覚えられないのが旧ユーゴ紛争。民族やら宗教が入り交じり過ぎていて未だに構造が理解出来ない。別にもう一冊この分野専門の本を読んだ方がいいのかも。

『民族の世界地図』は20年前、『新・民族の世界地図』は14年前の作品なので、今読むと古さは否めない。そろそろ『新々・民族の世界地図』的なものが欲しいところではある。