年間120時間の時短を実現!?
現代のビジネスパーソンにとって、もっとも足りないものは何だろうか?お金?健康なカラダ?それともストレスのない快適な環境?求めるものは各人違ってくるだろうが、共通して誰もが足りないと感じているのは「時間」ではないだろうか?
仕事に追われる日々だが、家族のためにも時間は取りたい、健康のためには十分な睡眠時間も必要だ。しかし、現実の生活ではとにかく時間がない。そう感じておられる方も多いはずだ。
さて、本日ご紹介する森新(もりあらた)の著作、『脱マウス最速仕事術』では、「脱マウス」つまり、マウスを使わずに、パソコンの作業をできる限りキーボードのみで行うことで、年間120時間の時短を実現すると豪語している。
年120時間と言えば、月間で10時間。仮に月20日働くとすれば1日あたりの時短効果は0.5時間(30分)である。一日24時間のうちの30分と考えると、これは決して短くはない時間である。
筆者の森新は1988年生まれ。新卒でサントリーフーズに入社。業務に取り組む中で業務生産性を大幅に向上させる「脱マウス」等のノウハウを構築。これを対外的に発表したところ大好評。以後、「脱マウス」の伝道師として活躍している人物である。
ダイアモンドオンラインでの連載が話題になったので、ご覧になった方もおられるだろう。
この本で得られること
- キーボードショートカットを駆使した時短テクを学べる
- 便利なキーボードショートカットキーについて知ることが出来る
内容はこんな感じ
ホワイトカラーの働き方改革は「脱マウス」にあり!単なるショートカットキーの丸暗記ではダメ。キーボードの特性を理解し、キーボードショートカットを駆使することで「脱マウス」は実現できる。パソコン作業の生産性を向上させ、ストレスなく働くためのTips集とは?あなたの仕事のスピードを劇的に変える50のテクニックを紹介!
目次
本書の構成は以下の通り
- はじめに
- 第1章 「脱マウス」だけで仕事の生産性が格段に上がる
- 第2章 「脱マウス」を目指すための4つのポイント
- 第3章 まずは、「単体系ショートカットキー」をおさえよう
- 第4章 [CTRL][Windows][Alt]をマスターしよう
- 第5章 仕事にスピードが生まれる「左手系ショートカットキー」
- 第6章 「両手系ショートカットキー」で「脱マウス」を実現しよう
以下、本書について簡単にご紹介していこう。
「脱マウス」だけで仕事の生産性が格段に上がる
第1章は理論編である。なぜ「脱マウス」なのか?
筆者によるとマウスの利用を極力キーボードに置き換えることで、1日あたりのマウスクリック数は5,000から、1,000に抑えることが出来るのだという(どうしてもマウスがないとできない操作もあるのでさすがに0にはできないらしい)。1クリックあたり0.5秒と考えると4,000クリックの省略で年間120時間が時短できるという主張である。
マウスの作業をキーボードで代替するために使われるのが「キーボードショートカット」である。こうしたノウハウは、ウェブメディアなどで「お役立ちキーボードショートカット集」などとして紹介されていることも多い。
ただよくある「お役立ちキーボードショートカット集」は単なるショートカットキーの丸暗記でしかなく、それでは「脱マウス」は身につかないと筆者は説く。キーボードの特性や、操作内容と関連付けてショートカットキーを覚えることで、「脱マウス」ははじめて現実味を帯びてくる。
「脱マウス」への道と有効なアプリケーション
筆者の主張する、「脱マウス」への流れは以下の通り。
- 要諦を確認する
- 単体系のショートカットキーを覚える
- 母体キーの使い分け方を理解する
- 左手だけを使うショートカットキーを覚える
- 両手を使うショートカットキーを覚える
なお、本書で取り扱っているのは、以下のアプリケーションの操作に限られている。
- Windows全般の操作
- エクスプローラでのファイル操作
- アウトルックなどのメール系のアプリ
- エクセル
- ワード
パワーポイント使いの方や、Adobe系のアプリケーションを主に使われている方には、ちょっと物足りなく感じられるかもしれないので注意が必要である。
「脱マウス」を目指すための4つのポイント
第2章からは実践編だ。筆者は、単なる丸暗記にとどまらないキーボードショートカットキーの覚え方として以下の流れを提唱している。
- キーのマークの意味を理解する
- キーボードの構造を理解する
- キーの役割を理解する
- キーを頭文字やイメージで理解する
たとえばエクセルでのセルを挿入するキーボードショートカットキーはこちら。
- CTRL+Shirt+;
これを筆者は以下の読み方に置き換えるべしとする。
- CTRL++
キーボードにおける「+」はShift+「;」である。つまり、「CTRL+Shirt+;」と「CTRL++」は同じ意味なのだ。
どうしてこんなことをするかというと、「セルの挿入」という「加える」要素を「+」キーに投影して覚えようというわけである。
操作内容にキーの意味が付与されることで格段に理解が深まる。語呂合わせに近いような部分もあるが、これは確かに覚えやすい。
個人的におススメのショートカット10選
最後に、本書で知ったキーボードショートカットの中から、個人的に便利だなと感じたもの10選を挙げておこう。
- Alt+Tab:アプリ切り替え
Windows全般で使える。もっとも簡単に使えて、しかも使用頻度の高い小技である。左手だけで使えるも良い!Alt+Tab+Shiftで逆方向移動も可能なので併せて覚えておきたい。
- CTRL+Tab:タブ切り替え
ブラウザなどで使える。Alt+Tabと異なり、こちらは同一アプリ内のタブの切り替えが可能。
- CTRL++、CTRL+ー:画面の拡縮
Chromeなどでの画面の拡縮が可能。+=拡大、ー=縮小とイメージして覚える。
わたしはこの機能を、これまでCTRL+マウスホイールで実現していた。若い方はあまり使わない機能だと思うが、老眼が進んできたアラフィフ年代以上のユーザには必須の機能だったりする。
- 無変換キー:カナ変換
文字変換中に押すと「カナ→半角カナ→かな」と変化する。ファンクションキーまで指を野端差くて済むので便利。
- 変換キー:再変換できる
文字変換後に押下すると再変換が可能。
- Windowsキー:スタートメニュー
常識的な機能かもしれないが、Windowsキー押下でスタートメニューが立ち上がる(知らなかった、お恥ずかしい……)。
本書では更なるステップとして、スタートメニューが立ち上がった後、使いたいアプリケーションの頭文字を入力することで、高速に起動させることを可能としている。
ワードを使いたいならWindowsキー→Wキーでワードが選べる。エクセルならEだ。
- Shift+矢印キー:文字選択
文章入力中に使える。文字選択が可能。慣れるとマウスよりも早く、しかも的確に狙ったところを選択できるので重宝する。
- Windows+D:デスクトップを表示
Windows全般で使える。D=Desktopと紐づけて覚える。
どんな画面になっていても、このショートカットを押下するだけでデスクトップが表示される。再度のWindows+Dで元に戻る。
ちなみにWindows+Mではすべてのアプリを最小化してデスクトップを表示する。似たような機能だがこちらは再度Windows+Mを押下しても元に戻らない。
- Windows+E:エクスプローラを表示
Windows全般で使える。E=Explorerと紐づけて覚える。
エクスプローラを表示する。これも地味に便利。
- Windows+Shift+S:スクリーンショット
個人的な一番のおススメはこちら。スクリーンショット(キャプチャ)機能だが、範囲指定できるのが便利。PrintScreenボタンを押すのが面倒な方、そもそもPrintScreenボタンがキーボードにない方にも有効。これはとてもよく使っている機能。
時にはマウスの方が便利なアプリもある
なお、「脱マウス」を主張する筆者だが、当然これには向き不向きがある。マウス操作が主な利用法となっているedge、chromeなどのブラウザ系アプリ。パワーポイントなどのアプリについてはマウス併用が基本であるとしている。
以上、『脱マウス最速仕事術』を簡単にご紹介してみた。わたしのレベルが低すぎて、そんなの知ってるよ!というネタが多かったかもしれない。
しかし、本書にはまだまだ奥の深いショートカットキーの数々と、その効率的な覚え方が載っているので、気になる方はチェックしてみていただきたい。
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