ビズショカ(ビジネスの書架)

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『ネット告発 企業対応マニュアル』 個人の告発が大企業を揺るがすようになった時代

6つのネット炎上事件を紹介

2003年刊行。五人の弁護士による共著。かなり以前に、仕事絡みで購入したもの。

90年代後半~ゼロ年代前半にかけて、黎明期のネット社会で評判となった6つの事件(東芝ビデオデッキ事件、悪徳警察官事件、内視鏡事件、カエル混入、動物病院事件、ニッセイ事件)について、その告発の顛末と企業の対応を紹介している。

これまでは相手が大企業では、いくら声をあげても一個人は泣き寝入りするしかなかった。そんな状況が、ネット社会の到来で一変したのである。

おススメ度、こんな方におススメ!

おすすめ度:★★★(最大★5つ)

ネット社会黎明期の告発騒動について知りたい方、2ちゃんねるのビジネスモデルがいかに優れていたかを知りたい方、企業の炎上対策について知りたい方、SNS誕生以前の炎上の作法を知りたい方におススメ。

内容はこんな感じ

インターネットの普及は従来までの企業と消費者とのあり方を一変させた。一個人のクレーム処理を誤ることで、取り返しの付かない風評被害を受けることも珍しくなくなってきた昨今。東芝事件のようなホームページ型企業告発から、2ちゃんねるを舞台にした匿名型告発まで、豊富な判例を元に概況と対策を詳述する。海外の状況までフォロー。

今となっては懐かしい数々の事件

HPでの告発のケースとしては、有名な東芝ビデオデッキ事件(俗にいう東芝クレーマー事件)は知っていたものの、カエル混入事件やら、内視鏡事件というのは不勉強にして初耳。逆に2ちゃんねる系の事件は何度か祭状態なのを見てきたので、知っていた事件が多かった。これらの事件を発生から過程、終結まで、時系列に並べてまとめてあるので事件の概要が掴みやすくて有り難い。

なお、東芝クレーマー事件については、Wikipedia先生の記述がわかりやすいのでリンクを挙げておく。

2ちゃんねるビジネスモデルの優越性は?

2ちゃんねるのビジネスモデルを分析して、広告で収益を上げている⇒アクセスを稼がなきゃ⇒完全匿名を保証⇒きわどい投稿にも安全を保証⇒過激な情報を求めてアクセス殺到⇒よって法人からの削除要求には極力対応しない。と、バッサリ斬ってのけているのは、新鮮な考え方だった。

プロバイダー責任法下における、管理者責任については仕事柄気になるところでもあったので、非常に参考になった(当時)。やばそうなものは炎上する前に手を打っておかないと本当に大変なことになる。