島好きなら読みたい一冊
2004年刊行。筆者の向一陽(むこういちよう)は1935年生まれのジャーナリスト、探検家。元共同通信社勤務で日本山岳会の会員。
世界各地を登山、探検目的で訪れており、奥アマゾン探検隊の隊長職も務めている。どっちが本業なのだろうという印象である。豊富な海外体験を元に、『奥アマゾン探検記』『アンデスを越えた日本人 聖母の川を下る』といった南米関係の著作を上梓。
日本国内も積極的に訪ね歩いており、本書以外にも『島のてっぺんから島を見る 島の山探訪記』『日本川紀行 流域の人と自然』『日本の自然はなぜ荒れたのか 非自然の風景』などの著作がある。
内容はこんな感じ
島国日本。この国には無数の島々が浮かび、そこでは多くの人々がそれぞれの暮らしを営んでいる。島には、本土の都市部では失われてしまった大切な何かが今でも残されているのだ。沖縄県与那国島からスタートし、奄美、屋久島、甑島、壱岐対馬と時計回りに列島を周遊。伊豆諸島を経て小笠原へと続く離島を歩いた旅の紀行文。
離島に憧れる!
とにかく遠く離れた離島に行ってみたい。そんな憧れがある。遠ければ遠いほどいい。到達難度が高ければ高いほど行ってみたくなる。もともと旅好きで、各地を旅してきたわたしだが、とりわけ島嶼部への憧憬は強い。
だが、その割には行動力が無くて、未だ島と呼べる場所に足を踏み入れたのは東京湾の猿島、三浦半島の先端にある城ケ島、安芸の宮島、博多湾の能古島くらい(ヘタレなのである)。資金の問題もさることながら、往復の足の確保も大変であるし、ちょっと天気が荒れたら戻って来られないしと、島行はなかなかカタギの人間には難しいものなのだ。
そんな、沖縄ですら行ったことのない自分に取っては本書は垂涎の一冊である。一章あたりのボリュームが短くて物足りなかったりもするのだが、なるべく沢山の島を紹介しようという意図なのだろうから仕方ないか。年を取ったらこんな風に島巡りしてだらだら過ごしたいものだ。こういう本を読むと羨ましくて堪らなくなるな。