「中古マンション購入」ノウハウ本を読んでいる
『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい』『30年後に絶対後悔しない中古マンションの選び方』と、ここしばらく中古マンション購入のためのノウハウ本を読み漁っているわたくし。知識は増えて来たけど、肝心の物件探しはコロナ禍もあって、あまりうまく進んでいない(予算がショボ過ぎて物件がないせいもある)。
さて「中古マンション購入」ノウハウ本も三冊目。本書『中古マンション本当にかしこい買い方・選びかた』は2015年刊行である。
筆者の針山昌幸(はりやままさゆき)は大手不動産会社勤務を経て楽天へ。その後独立しHousmartを立ち上げた人物。中古マンション販売アプリ「カウル」を提供している会社の社長が書いた本。ということで手に入れてみた次第。
この本で得られること
- 中古マンションを購入する際に気をつけるべきポイントがわかる
- 中高マンション購入時のお金の問題について詳しくなれる
内容はこんな感じ
新築マンション価格の高騰が止まらない。資材や人件費の値上がり、マンション用地の仕入れ競争の激化により新築マンションの市場は完全に割高なものとなっている。いま購入するのであれば、割安感のある中古マンションがお得。新築よりも選択肢が増え、リフォームで自分好みのライフスタイルも実現できる。マンション販売の専門家が教えてくれる「本当にかしこい買い方・選びかた」とは?
目次
本書の構成は以下の通り
- 第1章 マンション選びで失敗しないために
- 第2章 自分だけのお宝マンションを見つけ出す!
- 第3章 とっても大事なお金の話
- 第4章 理想のマンションを確実に手に入れる方法
- 第5章 保険と税金のポイントを押さえる!
- 第6章 最高のリフォームをするために
以下、簡単に各章についてご紹介していきたい。
第1章 マンション選びで失敗しないために
最初の章ではマンション選びで「失敗しない」ためのさまざまなTipsが紹介されている。特に気になるのは瑕疵(かし)の部分であろうか。瑕疵とは、傷や欠点のこと。具体的に言えば、配管が傷んでいたとか、実は雨漏りがするとか、パッと見では気づかない不備を指す。
中古マンションの売り手の多くは個人である。売り手が法人であれば、購入したマンションに欠陥があっても二年程度は補償が得られる。しかし売り手が個人の場合はこの期間が半年程度になってしまうのだとか。
この点について、本書ではホームインスペクションを使うべしとアドバイスしている。ホームインスペクションとはこんなサービス。
ホームインスペクション(住宅診断)とは、住宅に精通したホームインスペクター(住宅診断士)が、第三者的な立場から、また専門家の見地から、住宅の劣化状況、欠陥の有無、改修すべき箇所やその時期、おおよその費用などを見きわめ、アドバイスを行なう専門業務を指します。
費用的には50,000円あたりから。決して安くはない価格だが、中古マンションの購入額を考えれば、やっておいて損はないサービスであろう。
第2章 自分だけのお宝マンションを見つけ出す!
この章ではいかにして良い物件。自分にとっての「お宝マンション」を見つけ出すかについてノウハウが提示されている。
新耐震基準物件か否かの分岐点となる、着工日が1981年6月1日以降かどうかは要チェック。これは、過去に読んだ二冊でも登場した箇所なので、中古マンション選びの中でも最重要ポイントの一つである。
また、口コミにあたることの大切さも説かれている。実際に住んでいた方や、近隣住民による口コミ情報はとても貴重なものである。本書では口コミサイトの一つとしてマンションノートが紹介されている。
個人的には以下の、マンションコミュニティ、マンションレビューあたりもおススメ。
第3章 とっても大事なお金の話
この章では非常に重要な「お金」がテーマとなっている。マンション価格が適正かどうかはどうやって判断すればいいのか。頭金はどれくらい用意すればいいのか。住宅ローンの毎月の返済額はどの程度がよいのか。購入費以外(都市計画税、固定資産税、管理費、修繕積立費)のコストはどの程度かかるのかなどなど、気になる「お金」についての知見を得ることが出来る。
ちなみに不動産が実際にどの程度の価格で売れたのかはREINS Market Informationで確認することが出来る。
具体的な物件名まではわからないのだが、地域、専有面積、駅からの距離、築年など、〇〇の条件なら、過去にいくら程度で売れている。という情報を得ることが出来る。おおまかな相場感を知るのには役立つ。
第4章 理想のマンションを確実に手に入れる方法
この章では、実際に良い物件を見つけ、購入を決意してから気をつけたい点が書かれている。購入申込書はどうやって書けばいいのか。マンションの購入トラブルにはどんなものがあるのか。マンションにクーリングオフは使えるの?売買契約前のチェックポイントなどについて教えてくれる。
個人的に気になったは管理組合の運営状況である。「マンションは管理を買え」などとよく言われる。管理組合が機能していない物件は、将来的に大きな問題となってくる。管理規約を事前に確認し、どんな管理がなされているのか。将来の修繕計画について確認しておくことは忘れないようにしたい。
第5章 保険と税金のポイントを押さえる!
引き続きお金の話。特にこの章では保険と税金についての情報がまとめられている。住宅購入時の保険では団体信用生命保険がよく知られているが、その他にも、火災保険、水災保険、地震保険の契約の可否について示されている。
また、意外に盲点となりやすいのが、既に加入している生命保険の見直しなのだそうだ。これは団体信用生命保険に加入したのだから、生命保険に過剰な掛け金を払う必要はないのでは?という指摘。
そしてもう一つ気をつけたいのが、住宅ローン減税の適用基準である。住宅ローン減税とは、毎年の住宅ローン残高の1%を10年間、所得税から控除してくれるもの。マンション購入は高い買い物だから残高の1%とはいえバカにならない金額である。
住宅ローン減税の適用基準は、微妙に法律が変わっているので、書籍ではなく、現在、どのように運用されているのかを常に気にしておきたい。こちらは国土交通省のすまい給付金のページで確認することが出来る。
第6章 最高のリフォームをするために
最終章はリフォームについて。購入後、自分好みの内装にリフォームする。これは中古マンションならではの愉しみだろう。この章では、リフォームで失敗しないためのノウハウが多数書かれている。リフォームの世界でも口コミ情報は大切!ということで、リフォーム評価ナビが紹介されている。
本書によると、大手企業が展開しているリフォーム事業は総じて割高で、下請けに出されている場合もあり、一般人は手を出さない方が賢明であるとしている。
三冊読むとだいたい内容が共通して来た
以上、『中古マンション本当にかしこい買い方・選びかた』の内容について、ザックリとご紹介させていただいた。
「中古マンション購入」のノウハウ本を読むのも、本書で三冊目である。さすがに三冊も読めば、だいたい言及される内容は似通ってくる。何度も登場する内容(新耐震基準物件の見極めかた)は、それだけ重要ポイントであることがわかる。
我が家の物件探しも、もう少しはかどればと思うのだけど、コロナ禍に加えて、連日の猛暑もあって、最近は停滞気味。真夏の物件内で担当者と談判するのは、ちょっと気が引けてしまうのだ。夏が終わり、コロナが落ち着いたら再開できるだろうか。
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