ビズショカ(ビジネスの書架)

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『猫語の教科書』ポール・ギャリコ ネコが書いた、ネコのための本

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猫のためのマニュアル本?

オリジナルの米国版の原題は『The silent miaow』(原題からして既にかわいい)で、1964年の刊行。こちらの書影はペーパーバック版で1985年刊行。

Silent Miaow

Silent Miaow

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日本語版は1995年に刊行されている。まずは筑摩書房から単行本で登場。

ちくま文庫版は1998年に刊行。四半世紀以上も前の作品になるが未だに書店で見ることが出来る。非常に息の長い作品となっている。

猫語の教科書 (ちくま文庫)

筆者のポール・ギャリコ(Paul Gallico)は1889年生まれのアメリカ人で1976年に没している。エンタテイメント系の作家として知られ代表作は『ポセイドン・アドベンチャー』『雪のひとひら』『トマシーナ』『さすらいのジェニー』等。23匹ものネコと暮らしていた程の、無類のネコ好きで知られている。

内容はこんな感じ

見知らぬ「誰か」から届けられた匿名の原稿。それはネコによるネコのための生活マニュアルだった。暗号のような文章には、快適なネコライフを獲得するための驚くべきノウハウが詰め込まれていた。捨て猫が人間家庭に入り込む方法。居心地の良い場所の獲得法、欲しい食べ物を提供させるテクニック。あなたの家のネコも実はこんなことを考えているのかも。

日本版オリジナルの特典として、巻末には大島弓子による書き下ろしマンガがついてくる。

ネコが書いた、ネコのための本

本書はネコのツィツァの書いた原稿を、筆者が翻訳するスタイルを取っている。ネコ好きな人間たちのデレデレぶりを、ネコの目線から捉えなおしたところがポイント。動物の擬人化にアレルギーの無い方であれば、ニマニマしながら楽しく読めるだろう。ネコの家あるある事例が多数紹介されており、ネコ好きであればうなずける点も多い。

ただ、書かれた年代的にネコの飼育環境については、現代の考え方にあてはめると古さを感じてしまう部分が多々登場する。

本書でツィツァが批判している、頭の固い飼い主としては、人間の食べ物をネコに与えるのは断固として反対しておきたい。ネコの腎臓は弱い。塩分の強い人間の食べ物ばかり食べさせるのは絶対にNGである。