多くの大企業に導入された「すごい会議」とは?
本日は、少し古い本だがこちらの書籍をご紹介したい。
2005年刊行。筆者は1964年生まれ。28歳でアメリカに渡りインターネット上でのマーケティング会社GAZOOBAを設立。2001年に同社を売却し一定の成功を収めて日本に帰国。アメリカ滞在時にハワード・ゴールドマンから学んだ「すごい会議」のやり方を精力的に各方面に伝承中。国内でもニッセン、リクルート、本田技研、富士ゼロックス、キヤノン販売など大手企業への導入実績が多数ある。
おススメ度、本書があなたにもたらすもの
おすすめ度:★★★★(最大★5つ)
会議の進行を任されて困惑している方、無駄な会議の時間にうんざりしている方、自分が仕切っている会議の生産性を上げたい方、会議に参加するメンバーの意識を変えたい方におススメ!
内容はこんな感じ
ヤフー、アップル、アクセンチュア、ヒューレットパッカード、アメリカン・エキスプレス、モルガン・スタンレー。名だたる企業で採用されているハワード・ゴールドマンが開発した「すごい会議」のやり方。若くして単身アメリカに渡りシリコンバレーでのITビジネスで成功を収めた筆者がその理論と実践を自らの体験に即して紹介する。
目次
本書の構成は以下の通り。
- 第1章 展望と挫折、そして困惑
- 第2章 現状が求める能力が、自分の能力を超えるとき
- 第3章 Let’s Begin!
- 第4章 組織を「自己啓発」する
- 第5章 会議が変われば会社が動き出す
- エピローグ 僕たちに起こったこと
コーチング技術についての実践本
流行りのコーチング技術についての実践本。刊行当時、あちこちで話題になっていたので購入したものである。
本編は2パートに分かれていて、前半では筆者自らの体験に基づいて本理論の導入ケースを紹介、後半はそのエッセンスを抽出して汎用的に使えるようにまとめたインストールマニュアル。基本的に疑り深い人なので眉にツバをべとべとつけながら読んでみた。
やる気を出させること。そして高いモチベーションを持続させて、いかにして成果に結びつけるか、この手のハウトゥ本のテーマは程度の大小はあってもこの基本線からはズレない。本書もその点では類書と変わらない。
具体性があってわかりやすい
本書の興味深い点は上記の成果を引き出すための細かな技術論を提案している点。ポイントは以下の三つ。
- 書いてから発表する
- うまくいっていることを三つ書く
- 自分自身の問題点を挙げる
と、それほど奇抜な事は書いていないのだが、このシステムを踏まえて会議を進めていくと自然と問題点が浮き彫りになり、具体的な対応を取らせるに至る道筋が見えてくるようになっている。難しいことは一つとして書いていないし、提案されていることにそれぞれ理にかなった説明があるので、これは頭の固い人間でも比較的素直に受け入れられそう。
問題は実践してやり切れるかどうか
あとはこの「すごい会議」を実際の現場に導入してやりきるだけの意志の力が現場のリーダーにあるかどうか。こればかりは本をいくら読んでもどうにもならないので、各人の自覚次第か。ただ、うまくいかない状況が目の前にあって、なんとかしたいという意志はあるけれどどうすればいいか判らない……、みたいな人間にとっては有力な指針となりうるであろう一冊。オススメ。
なお、同著者の関連書籍もいくつか出ているので併せてご紹介しておこう。