副業に関心はあるけれど何をしていいかわからない方へ
副業という言葉をよく耳にするようになって久しい。
正社員の男女3万4824人に対して行われた、副業に関する調査では以下の結果が出ている。意外に多いと思うだろうか?それとも少ないと思うだろうか?
現在、副業を行っている正社員の割合は9.3%でした。2018年の調査では10.9%であったのが、1.6ポイント減少しています。また、「現在はしていないが、過去にしたことがある」が9.5%でした。企業において副業の容認は進んでいても、実際に副業を行っている人の割合は
正社員で副業をしている人の割合は? 月にどれくらい働いて、いくら稼いでる?(ファイナンシャルフィールド) - Yahoo!ニュースより
雇用情勢が流動化し、コロナ禍での働き方の変化もある。副業について真剣に考えてみたいと考えている方も多いのではないだろうか。
とはいえ、いざ実行に移そうとしたときに、どんな副業をすればいいのか。どんな問題点があるのか悩むことになる。
ということで、本日ご紹介したいのが、森新(もりあらた)の『普通の会社員のための超副業力』だ。
筆者の森新(もりあらた)は1988年生まれ。大企業のサントリーフーズに所属しながらも、副業に取り組み成果を上げている人物。著作については以前に、『脱マウス最速仕事術』をご紹介しているので、今回が二冊目となる。
この本で得られること
- やってはいけない副業のジャンルがわかる
- どんな副業を志向すべきかはわかる
内容はこんな感じ
起業、転職、それとも現職に留まるか。これからの時代は「会社員+副業」こそが、最強の働き方である。現業に留まりつつ、副業でも活路を見出す。選ぶべき副業と、選んではいけない副業の違い。本業をおろそかにしないためのテクニック。可処分時間をどう増やすかなどなど、実践的なノウハウの数々を披露。
目次
本書の構成は以下の通り
- はじめに
- 第1章 ようこそ、大副業時代へ
- 第2章 副業構築の三つのフェーズ
- 第3章 副業の思考法
- 第4章 本業+副業を両立させるための時間の作り方と思考法
- 第5章 実録! 私の副業通信簿 ──失敗と失敗と成功
- 第6章 副業開始後に押さえておきたい思考法
- おわりに
やってはいけない3タイプの副業
まず、冒頭に示されてるのが「やってはいけない副業」について。
- ①出オチ型:受託業務など
特技(プログラミング、コーディング、ライティングなど)を持つ人間が、それをもとに受託業務を行うケース。これは発注者との調整、対応に追われ、いずれ疲弊していくことになる。
- ②心身疲弊型:飲食アルバイトなど
時間を切り売りしての肉体労働系。副業として行うとした場合、割ける時間はわずかであり、わりに合わない。
- ③市場淘汰型:せどりなど
趣味の知識などを活かしたネット転売では、専業でやっている競合が多く、副業でやっている人間は競争力を失い淘汰されてしまう。
副業の選択についての、筆者の主張は以下となる。
- 時間配分のグリップを他人に握られない副業を選ぶこと
受託や、飲食アルバイトなど、主導権を自分で握れない職種は、ステークホルダーの意向に左右され、メンタル的にも肉体的にも消耗していくのでお勧めできない。
副業構築までの三つのフェーズ
やってはいけない副業がわかったところで、第二章では具体的な「取り組むべき副業」について模索していく。流れは以下の三ステップ。
- ①模索フェーズ:可処分時間+1次情報の獲得
リスクの高い起業、転職ではなく、現職+副業という選択肢を考えてみる。現職の収入、ポジションを保った状態で、いかにして副業での経験値を積み重ねていけるかがポイントとなる。
- ②自立フェーズ:前輪を守り抜く(転倒回避)
本書では、現職を自転車の前輪、副業を後輪にたとえる。両輪あってこその安定であり。なおかつ、前輪である本業を決して疎かにしないことが説かれている。
- ③振り子フェーズ:意思のある遠心力とシナジー
副業がある程度安定したところで、本業とのシナジーを考えていく段階。副業が上手くいっていれば、本業にも良い影響が得られ良い循環が生まれてくる。
ここで大事なのは、副業は本業で近い職種で始めないことだ。不動産業仲介業に従事している人間が、社外でも不動産を仲介したら利益相反のとなるケースもあるだろうし、秘密流出などの倫理的な問題も出てくる。当然、周囲からも許容されないだろう。
戦わない、競争を回避する副業
本業がある以上、副業に割ける時間は限定的なものになる。故に、強い競合のある業種、多くの時間を拘束される副業は避けるべきだ。本書での考え方はこうだ。
- ニッチな分野で唯一無二の看板を掲げる
汎用性は大きいが、奥行き(リピート性小、したがって競合が少ない)のある業種を狙うべき。「無形物を扱い汎用性が大きく、個別カスタマイズは発生しづらく、かつ競争が少なく、案件獲得のコストが低いビジネス」を模索すべしとしている。
筆者の場合、マイクロソフトのメールソフト、アウトルックのテクニックについて、競合が少ないと判断。研鑽を重ねノウハウを積み、社内や外部から講師として招聘されるまでになり、書籍まで出してしまった。
ここまで上手くいくかはさておき、自分が唯一無二となれそうな分野はどこだろうかと考えてみるのは、副業探しの第一歩と言えるだろう。
筆者は「普通の会社員」ではないと思う……
以上、森新の『普通の会社員のための超副業力』について、ざっくりご紹介してみた。
ちなみに筆者の森新は、学生の時点で年商600万円のビジネスを考案。人気企業のサントリーフーズに入社。社会人になってからは、著作の『アウトルック最速仕事術』『脱マウス最速仕事術』が累計19万部を突破。社内では七つの特許を取得し、所属している企業に権利を帰属させている人物である。
あれ、この人全然「普通の会社員」じゃなくね?とツッコミたくなるのだけど、何事も第一歩を踏み出すことが大切(と言い聞かせてみる)。何事にもトライしてみる筆者の積極性は見習いたいところである。