飛び出し注意くんを知っているか?
2001年刊行。筆者の藤田正美(ふじわらまさみ)は1960年生まれ。関西を中心に活動しているタレントさんである。
飛び出し注意くんとは、街角によく立っている交通安全用の人形のこと。実物はこんな感じの奴(これは特に多い「とび太くん」と呼ばれるタイプ)。
全国各地で作られているので様々なバリエーションが存在する。子供が作ったものから地域の町内会の手によるもの、果てはプロの作品まで、その出自は様々。キャラクターもオリジナルキャラあり、マンガのキャラクターの無断借用品あり(似ても似つかない奴も多い)と、バリエーションは実に豊富なのだ。
本書は筆者が十年間かけて撮り続けてきた飛び出し注意くんの写真の集大成である。路上の不思議オブジェ愛好者にとっては貴重な一冊。注文したのに版元品切れでずっと探していたのだが、偶然立ち寄った書店で運良く捕獲に成功(当時)。しかし、正直言って女性の方だとは思っていなかったので少し驚いた。
内容はこんな感じ
路傍に佇み、子供たちの交通安全を祈願して雨の日も風の日も、ボロボロになりながら奉仕し続ける飛び出し注意くん。オリジナルタイプから様々なマンガキャラクタータイプまで、豊富なバリエーションを網羅。折に触れて撮り貯めた2,000枚ものストックから厳選された飛び出し注意くんたちの写真集。
実は私も撮っている
恥ずかしながら、わたしもささやかながら、飛び出しくんの画像撮影を趣味としている者である。ちょっとだけストックをご紹介しよう。
こちらは、版権的に危険な香りがする一作。
滋賀県に多いとび太くんタイプ。とび太くんはすっかり有名になってしまいグッズもたくさん販売されている。
徒党を組んで出現することもある。
わたしが撮影を始めたのは2000年頃からなのだが、1990年代からこんなことをしている人間が他にいたとは!秘かにショックを受けていたわたしなのだが、撮影レベルといい、着眼の良さといい、さすがは十年選手である。
単体での飛び出し注意くんだけでなく、背後の子供たちをも枠に取り込んで撮影している辺り、女性ならではの広い視点だなあと感じ入る。惜しむらくは収録点数の少なさと、撮影地域が関西近郊に偏ってしまっていること。もっと見たい。
とび太くん関連のグッズはこちらから