ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』梅田望夫 ゼロ年代のウェブの教科書

本ページはプロモーションが含まれています

ゼロ年代に読まれていたウェブの教科書

2006年刊行。筆者の梅田望夫(うめだもちお)は1960年生まれ。幼稚舎から大学まで慶應で、慶應の工学部を出て東大大学院の情報科学科を卒業。その後シリコンバレーに渡りコンサルティング会社を企業。2005年からははてなの取締役、2010年からはリコーの取締役も務めている。詳しくは本人サイト参照のこと。

ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる (ちくま新書)

『ウェブ進化論』はこの時代、爆発的に売れて数十万部は出ていたはず。

その後、2007年に『ウェブ時代を行く』が刊行。

更に2008年には『ウェブ時代5つの定理』を上梓している。

この書籍から得られること

  • ゼロ年代のネットの雰囲気がわかる
  • Web2.0が何だったのかがわかる

内容はこんな感じ

インターネットの登場から10年が経過した。IT関連コストの劇的な低下によりネット人口は爆発的に増加し、リナックスに代表されるオープンソースの概念は集合知という新たな可能性を切り開き、グーグルは世界中の情報を再編成し続けている。Web2.0は人々に何をもたらすのか。本当の変化がいままさに始まろうとしている。

目次

本書の構成は以下の通り

  • 序章  ウェブ社会――本当の大変化はこれから始まる  
  • 第一章 「革命」であることの真の意味
  • 第二章  グーグル――知の世界を再編成する
  • 第三章 ロングテールとWeb 2.0 
  • 第四章 ブログと総表現社会 
  • 第五章 オープンソース現象とマス・コラボレーション
  • 第六章 ウェブ進化は世代交代によって
  • 終章 脱エスタブリッシュメントへの旅立ち

GoogleやAmazonの躍進を予見してた

ネットのあちこちで言及されていた話題の本。ブログ、SNS、ソーシャルブックマーク、Amazonアフィリエイト、ウィキペディア、グーグルアドセンス等々について解説。チープ革命、インターネット、オープンソースを「次の10年への三大潮流」と位置づけ。これからのウェブ世界がどのように進化していくのかを予見していく。

なんとなくは知ってはいたけれど、うまく人には説明出来ないでいたことを分かり易くまとめてくれている。なんだかスゴイことが出来そうな予感がひしひしと伝わってくる刺激に満ちた内容で、煽動の書としてはなかなかよく出来ている。この変化をどう商売に落とし込んでいけるかってのが、出来る人と出来ない人との分かれ目なんだろうな。

Web3.0についても書いて欲しかったな

まだまだネットが発展途上。誰もがネットを遣っているわけではなかった時代に、本書のようなわかりやすい「教科書」本が存在していたことは、それなりに意義のあったことなのではないかと思われる。Web3.0が取りざたされている昨今、筆者には今一度、これからの「進化論」を示して欲しいところだ。

この時代のネット関連本ではこちらもおススメ