ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

『殴り合う貴族たち』繁田信一 藤原実資「小右記」から読む平安貴公子のご乱行

素行の悪い平安の貴公子たち 筆者の繁田信一(しげたしんいち)は1068年生まれの歴史学者。神奈川大学の日本常民文化研究所で特別研究員をされている方。 単行本版は2005年刊行。この時は副題として「平安朝裏源氏物語」が付されていた。 殴り合う貴族たち: …

『しょぼい起業で生きていく』えらいてんちょう リスクを取らない起業スタイル

えらいてんちょうの一作目 2018年刊行。筆者の「えらいてんちょう」こと矢内東紀(やうちはるき)は1990年生まれ。慶大卒の高学歴者だが、朝起きるのが苦手なばかりに就職活動を諦め、計画も経験もないままなし崩し的に起業。初の実店舗であるリサイクルショ…

『謎の平安前期―桓武天皇から『源氏物語』誕生までの200年』榎村寛之 多様な可能性が存在した平安時代の前半分

平安時代の前期には何があったのか? 2023年刊行。筆者の榎村寛之(えむらひろゆき)は1959年生まれの研究者。三重県立斎宮歴史博物館で学芸員を務めている方。 勤め先からも想像がつくとおり、伊勢斎宮研究の専門家で、関連著作がいくつもある。当ブログで…

『進化する勉強法』竹内龍人 心理学が裏付ける科学的な勉強法

漢字学習から算数、英語、プログラミングまで 2019年刊行。筆者の竹内龍人(たけうちたつと)は1964年生まれの心理学研究家。日本女子大学人間心理学部心理学科の教授。実験心理学を主要な研究分野としている人物である。 サブタイトルには「漢字学習から算…

『「おりる」思想 無駄にしんどい世の中だから』飯田朔 生きていくのが少し楽になる考え方

飯田朔、初の著作集 2024年刊行。Webメディア「集英社新書プラス」に連載されていた記事をまとめたもの。筆者の飯田朔(いいださく)は1989年生まれ。本書が初めての著作となる。 早稲田大学在学中に引きこもりとなり、卒業後は学習塾で七年働き、その後一年…

『壱人両名 江戸日本の知られざる二重身分』尾脇秀和 身分制度の常識を覆す

江戸時代の秩序観を知る一冊 2019年刊行。筆者の尾脇秀和(おわきひでかず)は1983年生まれ。神戸大学経済経営研究所の研究員。佛教大学の非常勤講師。専門は日本近世史。 その他の著作に、2014年の『近世京都近郊の村と百姓 』、2018年の『刀の明治維新: 「…

『江戸の町は骨だらけ』鈴木理生 「骨」から読み解く江戸の歴史

江戸の歴史は「骨」からわかる 2002年刊行。筆者の鈴木理生(すずき まさお)は1926年生まれの歴史研究家。2015年に亡くなられている。『江戸の川・東京の川』『図説 江戸・東京の川と水辺の事典』『江戸はこうして造られた』など、「江戸」について数多くの…