ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

音楽

『ミュージック・ヒストリオグラフィー』松本直美 変わり続ける「音楽史」の謎をひも解く

「まつもと(な)」さんが本を出した! 2023年刊行。筆者の松本直美はイギリス、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部で上級講師を務めている人物。専門は歴史的音楽学。特にオペラ分野の研究で多くの実績を残されている方。 Twitter(現X)をされて…

『放送禁止歌』森達也 規制しているのは誰なのか?

放送を禁止されている歌がある! 2000年刊行。筆者の森達也(もりたつや)は1956年生まれ。社会派のドキュメンタリーを得意とするノンフィクション系の映像ディレクター。ノンフィクション作家でもある。 なお、本書の監修はなんとデーブ・スペクターが行っ…

『音楽の危機 《第九》が歌えなくなった日』岡田暁生 コロナ後の音楽を考える

集えない世界の衝撃を描く 2020年刊行。筆者の岡田暁生(おかだあけお)は1960年生まれの音楽学者。現在は京都大学人文科学研究所の教授。 本書は第20回の小林秀雄賞を受賞している。 内容はこんな感じ 新型コロナウイルスの蔓延は、音楽業界に大きなダメー…

『キリスト教と音楽』金澤正剛 ヨーロッパ音楽の源流をたずねて

先日、放送大学の面接授業(スクーリング)で、永原恵三先生の「カトリック教会と音楽」を受講してきた。その際に、多少なりとも事前学習ができないか?ということで、本書『キリスト教と音楽』を再読してみた。ということで、本稿もちょっとだけ加筆して再…

『バロック音楽 名曲鑑賞事典』礒山雅が選んだバロックの名曲100選!

バロック音楽の名曲をあなたに 2007年刊行。2018年に物故された礒山雅(いそやまただし)による、クラシック楽曲ガイドである。本ブログで礒山雅の作品を紹介するのは講談社現代新書の『J.S.バッハ』に続いて二冊目。今回は講談社学術文庫からの刊行である。…

『中世・ルネサンスの音楽』皆川達夫 国内最初期の古楽ガイドブック

皆川達夫先生がなくなられて一年 別ブログの方で軽く触れたが、わたしは高校時代から合唱を続けている人間だったりする。合唱の世界では、皆川先生と言えば業界の大重鎮のひとりであった。最初にお姿を拝見したのは、立教グリー男声の定期演奏会だったように…

『音楽のヨーロッパ史』上尾信也 音楽から西欧史を読み直す

音楽から歴史を読み直す 2000年刊行。筆者の上尾信也(あがりおしんや)は1961年生まれの音楽学者。本書の刊行当時は、桐朋学園大学短期大学部の助教授。その後、同短大の教授に。続いて、上野学園大学にて准教授に。現在は、教授職にある人物である。放送大…

『J・S・バッハ』礒山雅 バッハ入門、定番の一冊

礒山先生が亡くなられてもう三年 日本でバッハ研究者といえばまずは礒山雅(いそやまただし)の名前が出てくる。1946年生まれで東大文学部卒。最近はNHK-FMの『古楽の楽しみ』でお声を聴くことが多かったが、残念ながら2018年にお亡くなりになった。雪の日の…