ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

新書

『老いと記憶』増本康平 痴呆症への備えを学ぶ

脳の老化について知っておくべきこと 老いを迎えるにあたって、ガンや心筋梗塞、高血圧などの不安と並んで、気になってくるのが自身の痴呆症への危惧であろう。体の衰えもさることながら、脳の老化、痴呆症の進行はメンタルに相応のダメージをもたらすはずで…

『日本の国境』山田吉彦 領土問題の歴史的経緯を学ぶ

海洋問題の専門家が書いた日本の領土問題 2005年刊行。筆者の山田吉彦(やまだよしひこ)は1962年生まれ。本書の刊行当時は日本財団(日本船舶振興会)の海洋船舶部長を務めていた。その後、東海大学の海洋学部で、准教授、教授と順当にキャリアを積まれ、現…

『マグダラのマリア エロスとアガペーの聖女』岡田温司 絵画を元にマグダラのマリア像を読み解く

「マグダラのマリア」の受容史 2005年刊行。筆者の岡田温司(おかだあつし)は1954年生まれの西洋美術史の研究家。現在は京都大学大学院の教授。 これは面白い!本書は名前だけは知っていても、あまり日本人には縁が薄い「マグダラのマリア」さんについての…

『50歳からの孤独入門』齋藤孝 満たされない承認欲求にどう向き合う?

アラフィフになったら読んでみよう 2018年刊行作品。筆者の齋藤孝(さいとうたかし)は明治大学文学部の教授で、作家、教育学者。著作としては『声に出して読みたい日本語』が有名かな。 昔は四十にして惑わずなどと言ったものだったが、現代では四十代はま…

『人口減少時代の土地問題』吉原祥子 面倒でも土地の登記はしっかりと!

全国の土地の2割は所有者がわからない 2017年刊行の中公新書。筆者の吉原祥子は1971年生まれ。民間のシンクタンク東京財団の研究員。 帯の惹句にもあるとおり、「持ち主がわからない土地が九州の面積(国土の2割)を越えている」。日本では2011年以降、少子…

『女系図でみる驚きの日本史』大塚ひかり 蘇我氏も平家も滅亡していなかった!

蘇我氏も平家も滅亡していなかった! 2017年刊行。筆者の大塚ひかりは1961年生まれ。歴史系の著作多数。以前に読んだ『昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか』が面白かったので、今回も手に取って見た次第。 大切なのは「胤より腹」。家は絶えても血…

『中流崩壊』橋本健二 「中流」は本当に存在したのか?

「階級格差社会」日本を読み解く 2020年刊行。筆者の橋本健二(はしもとけんじ)は1959年生まれ。現在は早稲田大学人間科学学術院の教授職。主著に『階級都市』『アンダークラス』『新・日本の階級社会』『<格差>と<階級>の戦後史』がある。統計データを元に…

『ナポレオン四代』野村啓介 二人の皇帝、二人の息子

四人のナポレオンの生涯をたどる 2019年刊行。筆者は1965年生まれ。東北大学大学院国際文化研究科の准教授。 副題に「二人のフランス皇帝と悲運の後継者たち」とあり、更に帯の惹句には「栄光と没落 偉大な父とその影を追った息子」とある。ナポレオン一世や…

『ケーキの切れない非行少年たち』宮口幸治 "三等分"したケーキのインパクト

45万部も売れたベストセラー新書 2019年刊行。筆者の宮口幸治(みやぐちこうじ)は立命館大学の産業社会学部の教授。元々は児童精神科医で、医療少年院では法務技官として勤務した経験を持つ人物。 本書は、新書大賞2020で第二位にランクインした作品である…

『信長軍の司令官』谷口克広 死屍累々、織田信長軍団の光と影

信長軍の変遷をたどる 2005年刊行。筆者の谷口克広(たにぐちかつひろ)は1943年生まれの戦国史研究家。織田信長に関する著作が多数ある。 戦国ヲタは読んでおけという一冊。面白いぞ。尾張の小大名時代から、京都上洛時、伊勢攻め、浅倉浅井戦、本願寺攻め…

『ユーゴスラヴィア現代史』柴宜弘 ユーゴ内戦を因縁から学ぶ

なんとなく、先週に続いて旧ユーゴスラヴィアネタで攻めてみる。 旧ユーゴスラヴィア史を知るために 1996年刊行。筆者の柴宜弘(しばのぶひろ)は1946年生まれ。早大卒で本書執筆時は東大大学院の教授。現在は退官されて、城西国際大学特任教授。専攻は東欧…

『下流喰い』須田慎一郎 消費者金融の手口と実態を知る

消費者金融の実態に迫る一冊 2006年刊行。当時なにかと話題であった消費者金融の実態に迫った一冊である。この時期は大手消費者金融の不祥事軒並み明るみに出ていて、メチャクチャ叩かれていた頃である。実にタイムリーなタイミングでの刊行であった。 筆者…

『定年消滅時代をどう生きるか』中原圭介 10年先を見据えた「これからの働き方」

定年消滅時代の生き方は? 2019年刊行。筆者の中原圭介(なかはらけいすけ)は1970年生まれの経営アドバイザー、経済アナリスト。資産運用、投資術、経済、未来予測等、30作以上の著作を持つ。 東洋経済での不定期連載記事があったのでリンクを貼っておく。 …

『斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史』榎村寛之 歴代斎王たちへの愛がほとばしる一冊

斎宮と斎王のガイドブック 本書は2017年刊行。筆者の榎村寛之(えむらひろゆき)は三重県立斎宮歴史博物館勤務。斎宮関連の著作も多い。 ちなみに、こちらは斎宮歴史博物館入口にある館名標識。メチャ素敵!(というか、斎宮が好きすぎて現地まで行ったこと…

中公新書『屋根の日本史』原田多加司 職人が教える日本伝統建築の魅力

屋根職人のエキスパートが教えてくれる 2004年刊行。中公新書。筆者の原田多加司(はらだたかし)は1951年生まれ。地方銀行勤務から実家の檜皮葺師への道に入り十代目原田真光を襲名している。国宝、重文級の建築物の修復を数多く手がけてきた屋根職人のエキ…

『藩と日本人 現代に生きる“お国柄”』武光誠 県民性のルーツは江戸時代の藩に?

江戸時代の藩が"お国柄"をつくった オリジナルのPHP新書版1999年刊行。筆者の武光誠(たけみつまこと)は明治学院大の教授。日本古代史、日本思想史が専攻。 // リンク しばらく入手困難な状態が続いていたが、その後、2015年に河出文庫版が登場している。現…

『刑事弁護人』亀石倫子・新田匡央 刑事事件の弁護士は何をしているのかが判る!

筆者の亀石倫子と新田匡央はこんな方 2019年刊行。筆者の亀石倫子は1974年生まれ。東京女子大を経て、一度は大手通信会社に勤務するものの退職。その後一念発起、法科大学院経由で司法試験合格を果たした方。窃盗や性犯罪など、刑事事件の実績が豊富な現役の…

『年代別 医学的に正しい生き方』和田秀樹 40歳を過ぎたら読んで起きたい一冊

人生80歳超時代の処方箋 2018年刊行。筆者の和田秀樹は1960年生まれ。灘校→東大医学部卒。精神科医、受験アドバイザー、作家、映画監督までやっている多彩な経歴の人物。 40代、50代、60代、70代、80代、それぞれの年代別で、もっとも備えなくてはならないこ…

『若者殺しの時代』堀井憲一郎 若者であることが決して得にはならない時代

ゼロ年代に書かれた「若者」論 2006年刊行。筆者の堀井憲一郎(ほりいけんいちろう)は1958年生まれのライター、コラムニスト。思いっきりバブルを謳歌出来た世代だな。テレビやラジオにも時々顔を出していた人物らしい。「週刊春秋」誌に連載されていた「ホ…

『ユダヤ人とローマ帝国』『ユダヤ人とドイツ』大澤武男 歴史の因果の深さを知る

大澤武男のユダヤ人関連の著作を二作紹介 筆者の大澤武男(おおさわたけお)は1942年生まれ、ドイツ在住の歴史家。ユダヤ人やドイツに関する著作を数多く上梓している。本日はこの大澤武男の著作の中から、ユダヤ人に関して書かれた新書を二冊ご紹介したい。…

『「月給百円サラリーマン」の時代』岩瀬彰 戦前の社畜も大変だった?

戦前の庶民の暮らしを垣間見てみよう 2006年刊行。筆者の岩瀬彰(いわせあきら)は1995年生まれ。共同通信社を経て、2020年3月まで関連会社のNNAの代表取締役。現在は同社の顧問を務めている。 【エントリーでポイント10倍!(7月11日01:59まで!)】【中古…

『戒名と日本人 あの世の名前は必要か』保坂俊司 戒名という切り口から見た日本葬送史

戒名の事が気になって 2006年刊行。筆者は1956年生まれ。本書執筆時は麗澤大学の教授だったが、現在は中央大学の教授。専攻は比較宗教学、インド思想。戒名「行俊」。 まず最初に誤植多すぎでゲンナリ。ですます調で書いてあるのに、突然である調になったり…

『老後に住める家がない!』太田垣章子 明日は我が身の”漂流老人”問題

老後に住む家が借りられない現実を知る 2000年刊行。筆者の太田垣章子(おおたがきあやこ)は専業主婦から一念発起、30代後半で司法書士の資格を取られた方。2,300件を超える家賃滞納トラブルを解決してきた実績を持つ、最新の賃貸事情を知る人物である。 お…

『デジタル・ポピュリズム』福田直子 SNSが加速する衆愚制への道

SNS全盛時代の世論操作術 2018年刊行。筆者の福田直子はドイツ在住のジャーナリスト。 本書では、ネットが当たり前になった時代、特にSNS全盛時代のポピュリズムの危険性を指摘している。 ポピュリズムとは聞きなれない言葉かもしれないが、wikipediaから当…

『あなたのアクセスはいつも誰かに見られている』小川卓 ネットの「ちょっと気持ち悪い」の正体は?

行動データ解析の第一人者が教えてくれる「気持ち悪さ」の正体 2016年刊行。筆者はマイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンと有名ネット企業各社を渡り歩いたウェブアナリスト。SEOやウェブ分析関連の著作も多数。 アクセ…

『刀狩り―武器を封印した民衆』藤木久志 農民たちは刀を取り上げられていなかった?

「刀狩り」の概念を変えた一冊 筆者の藤木久志(ふじきひさし)は1933年生まれ。群馬工業高専の講師や、聖心女子大学での助教授職を経て、立教大学へ。立教では名誉教授にまでなり、その後は帝京大学でも教鞭を振るった。 残念ながら2019年に亡くなられてし…

『民族の世界地図』と『新・民族の世界地図』 世界紛争の因果を知るには読んでおきたい二冊

世界紛争が起きる理由がわかる 『民族の世界地図』は2000年刊行。21世紀研究会編とあるが、21世紀研究会は歴史学、文化人類学、考古学、宗教学、生活文化史学の研究者9人による国際文化研究のための集まりである。 【中古】民族の世界地図 / 21世紀研究会 楽…

『ルポ貧困大国アメリカ』堤未果  格差社会の本場アメリカの怖ろしさ

70万部も売れた大ベストセラー 2008年刊行。日本エッセイスト・クラブ賞及び、新書大賞をダブル受賞したことで知られる。刊行当時は70万部を売った大ベストセラーである。 筆者の堤未果 (つつみみか)は1971年生まれの作家、ジャーナリスト。ニューヨーク州…

『他人を見下す若者たち』速水敏彦 他者を軽視し自らの尊厳を保つ「仮想的有能感」とは?

「仮想的有能感」の正体とは? 2006年刊行。講談社現代新書。筆者の速水敏彦(はやみずとしひこ)は1947年生まれ。名古屋大学大学院教育学研究科の教授。 最近すぐ怒る人が増えた。ちょっとしたことで駅員に激怒しているオッサン。原因は電車が来るのが数分…

『「感動」禁止!―「涙」を消費する人びと』八柏龍紀 「感動をありがとう!」でいいのかな?

「感動」を消費するわたしたち 2006年刊行。筆者の八柏龍紀(やがしわたつのり)は1953年生まれ。慶応卒で、教員、予備校講師などのキャリアを経て、著述、評論等の活動をされている方。その他の著作に2016年の双葉社『日本人が知らない「天皇と生前退位」』…