ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

日本史

『幕末単身赴任 下級武士の食日記』青木直己 食レポ日記から幕末の江戸を知る

幕末の世相を「食」から読み解く 2005年の刊行。最初はNHK出版の生活人新書からの登場であった。 筆者の青木直己(あおきなおみ)は1954年生まれ。有名和菓子店虎屋の研究部門、虎屋文庫で和菓子に関する調査、研究に従事されていた方。虎屋クラスの企業にな…

『日本の偽書』藤原明 荒唐無稽なものに人は魅せられる

六冊の偽書をとりあげる 2004年刊行。筆者の藤原明(ふじわらあきら)は1958年生まれのノンフィクションライター。古今有名な六つの偽書を題材に、怪しげな文献が制作者の意図すらも越えていつのまにか一人歩きしていく謎について、新書のボリュームでコンパ…

『刀狩り―武器を封印した民衆』藤木久志 農民たちは刀を取り上げられていなかった?

「刀狩り」の概念を変えた一冊 筆者の藤木久志(ふじきひさし)は1933年生まれ。群馬工業高専の講師や、聖心女子大学での助教授職を経て、立教大学へ。立教では名誉教授にまでなり、その後は帝京大学でも教鞭を振るった。 残念ながら2019年に亡くなられてし…

『大江戸死体考―人斬り浅右衛門の時代』氏家幹人 大都市江戸のアンダーワールド

江戸のアンダーワールドを知る 1999年刊行。筆者の氏家幹人は1954年生まれの歴史学者。朝日カルチャーセンター掲載のプロフィールによると国立公文書館で勤務されていた方らしい。講談社現代新書の『武士道とエロス』『江戸の性風俗』など、江戸時代について…

『江戸の町は骨だらけ』鈴木理生 「骨」から読み解く江戸の歴史

江戸の歴史は「骨」からわかる 2002年刊行。筆者の鈴木理生(すずき まさお)は1926年生まれの歴史研究家。2015年に亡くなられている。『江戸の川・東京の川』『図説 江戸・東京の川と水辺の事典』『江戸はこうして造られた』など、「江戸」について数多くの…

『勘定奉行の江戸時代』藤田覚 勘定奉行で学ぶ江戸幕府の財政史

勘定奉行から江戸時代を読み解く 2018年刊行。筆者の藤田覚は1946年生まれ。東京大学の史料編纂所の教授を2010年に定年で退官し、現在は同大の名誉教授。専門は日本近世史。江戸時代に関する著作が20冊ほど刊行されている。 内容はこんな感じ 江戸時代に活躍…

『国道16号線 「日本」を創った道』柳瀬博一 国道16号線をめぐる文明論

日本最強の郊外道路の過去と未来 2020年刊行。筆者の柳瀬博一(やなせひろいち)は1964年生まれ。日経BP社で「日経ビジネス」の記者や、専門誌の編集、単行本の編集者として活躍。その後独立し、現在は東京工業大学リベラルアーツ研究教育院の教授職に就いて…

『中世の再発見 市・贈与・宴会』網野善彦・阿部謹也 中世史の両巨頭による対談集

網野善彦と阿部謹也の対談集! オリジナル版はなんと1982年刊行!平凡社選書からの登場であった。かれこれ40年も前の著作である。 筆者は網野善彦(あみのよしひこ)と阿部謹也(あべきんや)の両名。ビッグネーム過ぎて説明不要な気もするが、網野善彦は192…

『感染症の日本史』磯田道史 日本人はいかにパンデミックと対峙してきたか

歴史から学ぶ、感染症の教訓 2020年刊行。筆者の磯田道史(いそだみちふみ)は1970年生まれの歴史学者。国際日本文化研究センターの准教授。NHKなど、テレビでの出演も多く、顔を見れば「ああこの人か」と思う方は多いのではないだろうか。 代表作としては、…

『嫉妬の世界史』山内昌之 権力者の嫉妬は本当に怖い

安倍晋三に影響を与えた一冊 2004年刊行。筆者の山内昌之(やまうち まさゆき)は1947年生まれの歴史研究者。専門はイスラム地域研究と国際関係史。本書刊行当時は東京大学大学院の教授。現在は東京大学の名誉教授、武蔵野大学国際総合研究所特任教授。政府…

『椿井文書(つばいもんじょ)』馬部隆弘 日本最大級の偽文書の正体

偽史が発生するメカニズムを知る 2020年刊行。筆者の馬部隆弘(ばべたかひろ)は1976年生まれの歴史学者。大阪大谷大学の准教授で、戦国期権力論、城郭史、偽文書研究で知られる人物。本書で一気に知名度があがった。やはり中公新書で出てくると影響力が大き…

『壱人両名 江戸日本の知られざる二重身分』尾脇秀和 身分制度の常識を覆す

江戸時代の秩序観を知る一冊 2019年刊行。筆者の尾脇秀和(おわきひでかず)は1983年生まれ。神戸大学経済経営研究所の研究員。佛教大学の非常勤講師。専門は日本近世史。 その他の著作に、2014年の『近世京都近郊の村と百姓 』、2018年の『刀の明治維新: 「…

『大津絵』クリストフ・マルケ 江戸時代の人々に愛された庶民画の世界

フランス人研究者による「大津絵」ガイドブック 2016年刊行。筆者のクリストフ・マルケは1965年生まれ。フランス人で、日本近世・近代美術史と、出版文化史の研究者である。 オリジナルのフランス版は2015年に刊行されている。フランスで書かれたガイドブッ…

『小さな藩の奇跡 伊予小松藩会所日記を読む』増川宏一 小藩が残した日常の記録

一万石の小藩が残した150年間の記録 2001年の本書刊行当時、わたしは夏の旅行で松山を訪れていた。銀天街の書店にて手書きポップの威力に負け購入してしまった一冊がコレ。ご当地ものには弱いのだ。 本書は、伊予小松藩(現在の愛媛県西条市小松町)に残され…

『東京の地霊(ゲニウス・ロキ)』鈴木博之 歴史的因縁が土地にもたらすもの

サントリー学芸賞受賞作品 筆者の鈴木博之(すずきひろゆき)は建築史家。東京大学や、青山大学の教授を歴任。東大の名誉教授にもなり、2014年に68歳で亡くなっている。 本作は1990年に文芸春秋社から刊行され、サントリーが主催する学術賞、サントリー学芸…

『藩とはなにか』藤田達生 「江戸の泰平」はいかに誕生したか

戦国バブルの弾けたあとに 2019年刊行。筆者の藤田達生(ふじたたつお)は、三重大学、同大学院の教授で、専攻は日本近世国家成立史の研究。 内容はこんな感じ 安土桃山時代から江戸時代へ。戦乱の続いた時代から太平の世へ。この国の社会基盤は大きな変容を…

『女系図でみる驚きの日本史』大塚ひかり 蘇我氏も平家も滅亡していなかった!

蘇我氏も平家も滅亡していなかった! 2017年刊行。筆者の大塚ひかりは1961年生まれ。歴史系の著作多数。以前に読んだ『昔話はなぜ、お爺さんとお婆さんが主役なのか』が面白かったので、今回も手に取って見た次第。 大切なのは「胤より腹」。家は絶えても血…

『信長軍の司令官』谷口克広 死屍累々、織田信長軍団の光と影

信長軍の変遷をたどる 2005年刊行。筆者の谷口克広(たにぐちかつひろ)は1943年生まれの戦国史研究家。織田信長に関する著作が多数ある。 戦国ヲタは読んでおけという一冊。面白いぞ。尾張の小大名時代から、京都上洛時、伊勢攻め、浅倉浅井戦、本願寺攻め…

『華族-近代日本貴族の虚像と実像』小田部雄次 日本の華族は78年間に1011家!

日本の華族の全体像がつかめる一冊 2006年刊行。筆者の小田部雄次(おたべゆうじ)は立教大学出身。現在は静岡福祉大学の名誉教授。専攻は日本近現代史。 さすが中公新書。岩波、講談社現代新書と並んで、さすが新書御三家クラスともなると、読み応えが半端…

『斎宮―伊勢斎王たちの生きた古代史』榎村寛之 歴代斎王たちへの愛がほとばしる一冊

斎宮と斎王のガイドブック 本書は2017年刊行。筆者の榎村寛之(えむらひろゆき)は三重県立斎宮歴史博物館勤務。斎宮関連の著作も多い。 ちなみに、こちらは斎宮歴史博物館入口にある館名標識。メチャ素敵!(というか、斎宮が好きすぎて現地まで行ったこと…

中公新書『屋根の日本史』原田多加司 職人が教える日本伝統建築の魅力

屋根職人のエキスパートが教えてくれる 2004年刊行。中公新書。筆者の原田多加司(はらだたかし)は1951年生まれ。地方銀行勤務から実家の檜皮葺師への道に入り十代目原田真光を襲名している。国宝、重文級の建築物の修復を数多く手がけてきた屋根職人のエキ…

『藩と日本人 現代に生きる“お国柄”』武光誠 県民性のルーツは江戸時代の藩に?

江戸時代の藩が"お国柄"をつくった オリジナルのPHP新書版1999年刊行。筆者の武光誠(たけみつまこと)は明治学院大の教授。日本古代史、日本思想史が専攻。 // リンク しばらく入手困難な状態が続いていたが、その後、2015年に河出文庫版が登場している。現…

『僕の見た「大日本帝国」』『写真で読む僕の見た「大日本帝国」』西牟田靖

原チャリでサハリンに乗り込む行動力 2005年刊行。筆者は1970年生まれのライター、ノンフィクション作家。 僕の見た「大日本帝国」 教わらなかった歴史と出会う旅 [ 西牟田靖 ] 楽天で購入 世界の50もの国を探訪。離島の訪問数も100を越える。タリバン支配下…

『戒名と日本人 あの世の名前は必要か』保坂俊司 戒名という切り口から見た日本葬送史

戒名の事が気になって 2006年刊行。筆者は1956年生まれ。本書執筆時は麗澤大学の教授だったが、現在は中央大学の教授。専攻は比較宗教学、インド思想。戒名「行俊」。 まず最初に誤植多すぎでゲンナリ。ですます調で書いてあるのに、突然である調になったり…