ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

2022-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『団地の空間政治学』原武史 団地黄金時代に芽生えた自治の意識と政治活動

原先生の団地本だ! 2012年刊行。筆者の原武史(はらたけし)は1962年生まれの政治学者。 天皇制をめぐる数々の著作で知られるが、鉄道分野にも造詣が深く、本業の政治思想研究と絡めた『「民都」大阪対「帝都」東京』ではサントリー学芸賞を受賞している。 …

『50歳からの孤独入門』齋藤孝 満たされない承認欲求にどう向き合う?

アラフィフになったら読んでみよう 2018年刊行作品。筆者の齋藤孝(さいとうたかし)は明治大学文学部の教授で、作家、教育学者。著作としては『声に出して読みたい日本語』が有名かな。 昔は四十にして惑わずなどと言ったものだったが、現代では四十代はま…

『人口減少時代の土地問題』吉原祥子 面倒でも土地の登記はしっかりと!

全国の土地の2割は所有者がわからない 2017年刊行の中公新書。筆者の吉原祥子(よしはらさちこ)は1971年生まれ。民間のシンクタンク東京財団の研究員。 帯の惹句にもあるとおり、「持ち主がわからない土地が九州の面積(国土の2割)を越えている」。日本で…

『滝山コミューン一九七四』原武史 1970年代、学校現場を覆った集団主義の背景

講談社ノンフィクション賞、受賞作品 2007年刊行。講談社の文芸誌「群像」の2006年11月号~2007年1月号にかけて連載されていた作品をまとめたもの。筆者の原武史(はらたけし)は1962年生まれの政治学者。先日エントリを書いた、『レッドアローとスターハウ…

『ノスタルジックアイドル 二宮金次郎』井上章一 誰が二宮金次郎像を作ったのか?

『京都ぎらい』筆者が調べた二宮金次郎像の秘密 1989年刊行。筆者の井上章一(いのうえしょういち)は1955年生まれの建築史家、作家、風俗史研究家。現在は国際日本文化研究センターの所長、教授職を務めている方である。1980年代から現在に至るまで多くの著…

『レッドアローとスターハウス』原武史 西武鉄道と団地が東京の郊外に何をもたらしたのか

今週のお題「最近おもしろかった本」に参加します! 西武鉄道と団地に着目した戦後思想史 2012年刊行。筆者の原武史(はらたけし)は1962年生まれの政治学者。専攻は日本の政治思想史。明治学院大学の教授職を経て、現在は放送大学の教授。 レッドアローとス…

『人工知能は人類を超えるか』松尾豊 AI(人工知能)についてサクッと学びたい方へ

2015年刊行。筆者の松尾豊(まつおゆたか)は1975年生まれ。東京大学大学院工学系研究科人工物工学研究センター、技術経営戦略学専攻の教授。日本ディープラーニング協会の理事長も務めている。日本のAI(人工知能)研究では、よく名前が出てくる人物で、マ…

『ブロックチェーンがひらく「あたらしい経済」』 文系でもわかるブロックチェーン

ブロックチェーンの専門家が教えてくれる 2020年刊行。福岡を拠点としてブロックチェーン関連の技術開発を行っている株式会社Chaintope(チェーントープ)関係者による著作。CEOの正田英樹(しょうだひでき)をはじめとして、田中貴規(たなかたかのり)、村…

『ヤンキーと地元』打越正行 解体屋、風俗経営、ヤミ業者として生きる沖縄の若者たち

社会学者の参与観察から生まれた一冊 2019年刊行。筆者の打越正行(うちこしまさゆき)は1979年生まれの社会学者。現在は、和光大学現代人間学部の専任講師、社会理論・動態研究所の研究員を務めている人物。 『ヤンキーと地元』は初めての単著で、社会学系…