ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

『本屋、はじめました 増補版』辻山良雄 「本はどこで買っても同じ」ではない

出版不況下に個人で書店を立ち上げた方の記録 2017年刊行。筆者の辻山良雄(つじやまよしお)は1972年生まれ。大手書店チェーンのリブロで、広島店、名古屋店で店長職、池袋本店のマネージャ職を歴任。2015年に退社し、翌2016年に東京都杉並区の荻窪に新刊書…

『ウクライナ戦争』小泉悠 大戦争は決して歴史の彼方に過ぎ去ってなどいなかった

小泉悠によるウクライナ戦争本 2022年刊行。筆者の小泉悠(こいずみゆう)は1982年生まれの軍事評論家、軍事アナリスト。インターネットでのハンドル名、ユーリィ・イズムィコでも知られる、ネット界隈では以前から知る人ぞ知る著名人だった。 ロシア軍事の専…

『中年の本棚』荻原魚雷 悩める中年世代へ送るおススメ本90冊

魅惑の「中年」本ガイド 2020年刊行。紀伊國屋書店出版部の無料冊子「Scripta」の2013年春号~2020年冬号にかけて連載されていたものを加筆修正のうえで単行本化したもの。 筆者の荻原魚雷(おぎわらぎょらい)は1969年生まれのライター、文筆家。『古書古書…

『宝治合戦 北条得宗家と三浦一族の最終戦争』細川重男 その後の「鎌倉殿」と仁義なき戦い

「鎌倉殿」のその後が知りたくて 大河ドラマの『鎌倉殿の13人』が、自分史上かつてないほどの面白さだったので(それまでのベスト大河は1991年の『太平記』だった)。「その後」を知りたくて本書をゲット。 本書は2022年刊行。筆者の細川重男(ほそかわしげ…

『空気が支配する国』物江潤 日本社会の同調圧力の正体は?

コロナ禍の今だから、読みたい一冊 2020年刊行。筆者の物江潤(ものえじゅん)は1985年生まれ。東北電力退社後、松下政経塾に入り、現在は地元の福島で塾経営をしつつ執筆業もされている方。 その他の近著には新潮新書の『ネトウヨとパヨク』がある。 ネトウ…

G検定をカンペで突破、文系+非エンジニア+オッサンの受験対策

書こう書こうと思っているうちに年を越してしまった……。2022年の11月にG検定(ジェネラリスト検定)を受験し、なんとか合格できたのでそのレポートをお届けしたい。 G検定合格証書 G検定とは?合格率はどれくらい? G検定とだけ聞くと何それ?と思われる方も…

『だれもわかってくれない』ハイディ・グラント・ハルヴァーソン 人がわかりあえない理由を考える

傷つかないための心理学 2015年刊行。米国での原著タイトルは『No One Understands You and What to Do About It』。 だれもわかってくれない:あなたはなぜ誤解されるのか 作者:ハイディ グラント ハルヴァ―ソン,Heidi Grant Halvorson 早川書房 Amazon // …

『限界ニュータウン 荒廃する超郊外の分譲地』吉川祐介 千葉県北東部に乱開発された宅地群があった

知られざる「限界ニュータウン」の全貌が明らかに 2022年刊行。筆者の吉川祐介(よしかわゆうすけ)は1981年生まれのブロガー、Youtuber。自身も現地で暮らし、100カ所以上もの限界ニュータウンを巡り、その実情をレポートしてきたことで知られる人物である…

『犯罪は「この場所」で起こる』小宮信夫 「犯罪機会論」からの防犯対策とは?

犯罪心理学の専門家が説く防犯論 2005年刊行。筆者の小宮信夫(こみやのぶお)は1956年生まれ。本書執筆当時は立正大の助教授。現在は教授に。専攻は犯罪心理学である。 Wikipedia先生でプロフィール部分を引用させていただくとこんな感じ。犯罪抑止、防犯に…

『荒野へ』ジョン・クラカワー アラスカの荒野で若者はなぜ死んだのか

実話に基づくベストセラーノンフィクション 2007年刊行作品。筆者のジョン・クラカワー(Jon Krakauer)は1954年生まれの作家、登山家、ジャーナリスト。 オリジナルの米国版は1996年刊行で原題は『Into the Wild』。もともとは、米国のアウトドア雑誌「Outsi…

2022年に読んで面白かった新書・一般書12選

毎年恒例の〇〇年に読んで面白かった本シリーズ、2022年版をお届けしたい。しかしながら、今年は放送大学二年目ということで、学習に割かれる時間が多くて、あまり数がこなせなかったのが残念。昨年は歴史編、その他編と二回に分けてお送りするほどネタがあ…

『87%の日本人がキャラクターを好きな理由』香山リカ 日本人とキャラクターについて考える

香山リカが読み解く「キャラクターと日本人」論 筆者の香山リカはお馴染みの精神科医。何が本業なのかわからないくらい活動されている方だが、立教大学現代心理学部映像身体学科教授というのがいちおうメインの肩書なのかな。本作を上梓した2001年当時では、…

『キリスト教と音楽』金澤正剛 ヨーロッパ音楽の源流をたずねて

先日、放送大学の面接授業(スクーリング)で、永原恵三先生の「カトリック教会と音楽」を受講してきた。その際に、多少なりとも事前学習ができないか?ということで、本書『キリスト教と音楽』を再読してみた。ということで、本稿もちょっとだけ加筆して再…

『逃げる技術 ギリギリまで我慢してしまうあなたへ』根本裕幸 辛いときはいますぐ逃げていい!

人気カウンセラーが教える「逃げる技術」 2020年刊行。筆者の根本裕幸(ねもとひろゆき)は1972年生まれの心理カウンセラー。 メンタル系の自己啓発本を多数上梓しており、代表作は2017年の『敏感すぎるあなたが7日間で自己肯定感をあげる方法』あたりかな。…

『ウクライナ戦争の200日』小泉悠 ロシアの軍事・安全保障研究家がリアルタイムで語った同時代史

小泉悠の対談本 2022年刊行。「文藝春秋」「Foresight」「週刊文春エンタ+」「週刊文春WOMAN」などで掲載されていた対談を一冊にまとめて上梓したもの。 筆者の小泉悠(こいずみゆう)は1982年生まれの軍事評論家、軍事アナリスト。ロシアへの留学経験を持…

『スエイ式人生相談』末井昭 どんな悩みもピタリと解決!?

名物編集者が人生の奇問難問に答える! 2004年刊行。筆者の末井昭(すえいあきら)は1948年生まれ。書影を見ると、何なのこの人?と思われるかもしれないが当然男性である。女装は趣味でやっているみたい。 1981年にはかつて一世を風靡した(らしい)「写真…

『ガラスの50代』酒井順子 令和の50代のリアルを綴る

コロナ禍の今を描く酒井順子最新作 2020年刊行。筆者の酒井順子(さかいじゅんこ)は1966年生まれのエッセイスト。第一作は1988年の『お年頃 乙女の開花前線』。出世作は何といっても2003年の『負け犬の遠吠え』であろう。 ガラスの50代 作者:酒井 順子 講談…

『書く習慣』いしかわゆき(ゆぴ) 文章による発信が「続かない」人向けの文章術指南本

発行部数2万部超のヒット作 2021年刊行。筆者のいしかわゆき(別名義の「ゆぴ」でも活躍中)はライター、ブロガー、Youtuber、更には声優としても活躍しているマルチな人物。 本書『書く習慣』が、いしかわゆきにとっての初著作となる。2022年の9月時点で、…

『ロシア点描 まちかどから見るプーチン帝国の素顔』小泉悠 ふつうのロシア人の家、食べ物、暮らし

専門家が教えてくるロシアの素顔 2022年刊行。筆者のユーリィ・イズムィコこと、小泉悠(こいずみゆう)は1982年生まれの軍事アナリスト。ウクライナ戦争で一躍知名度が上がってしまった感がある。ロシアへの留学経験があり、ロシア人女性と結婚もしている、…

『暴走するネット広告』知っておきたい不正広告の仕組み その広告で誰が不正に儲けてる!

「クローズアップ現代+」の放映内容を書籍化 2019年刊行。本書はNHK「クローズアップ現代+」にて放映された三つの番組、「追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト」「追跡! ネット広告の“闇”」「追跡! “フェイク”ネット広告の闇」の取材内容をまとめて書籍化した…

『22世紀の民主主義』成田悠輔 政治家も選挙もいらない「無意識民主主義」のすすめ

20万部突破のベストセラー 2022年刊行。筆者の成田悠輔(なりたゆうすけ)は1986年生まれの経済学者、実業家。アメリカのイェール大学助教授(本人プロフィールにそう書いてある。准教授じゃないの?)を努めつつ、日本では自身で起業もしているという人物。…

『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』新井紀子 読解力がない人間はAIに職を奪われる

2019年ビジネス書大賞、大賞受賞作 2018年刊行。筆者の新井紀子(あらいのりこ)は1962年生まれの数学者。一橋大学では法学部に入学しながら、在学中に数学の魅力に取りつかれイリノイ大学の数学科に留学。数学の研究者になってしまった人物。現在は国立情報…

『映画を早送りで観る人たち』稲田豊史 コンテンツは鑑賞物から消費するものに変わっていく

ウェブメディア発、コンテンツ消費の現在形 2022年刊行。筆者の稲田豊史(いなだとよし)は1974年生まれのライター、編集者、コラムニスト。映画配給会社のギャガ・コミュニケーションズ(現ギャガ)出身で、その後、キネマ旬報社を経て独立。映画評論からジ…

『団地の空間政治学』原武史 団地黄金時代に芽生えた自治の意識と政治活動

原先生の団地本だ! 2012年刊行。筆者の原武史(はらたけし)は1962年生まれの政治学者。 天皇制をめぐる数々の著作で知られるが、鉄道分野にも造詣が深く、本業の政治思想研究と絡めた『「民都」大阪対「帝都」東京』ではサントリー学芸賞を受賞している。 …

『50歳からの孤独入門』齋藤孝 満たされない承認欲求にどう向き合う?

アラフィフになったら読んでみよう 2018年刊行作品。筆者の齋藤孝(さいとうたかし)は明治大学文学部の教授で、作家、教育学者。著作としては『声に出して読みたい日本語』が有名かな。 昔は四十にして惑わずなどと言ったものだったが、現代では四十代はま…

『人口減少時代の土地問題』吉原祥子 面倒でも土地の登記はしっかりと!

全国の土地の2割は所有者がわからない 2017年刊行の中公新書。筆者の吉原祥子(よしはらさちこ)は1971年生まれ。民間のシンクタンク東京財団の研究員。 帯の惹句にもあるとおり、「持ち主がわからない土地が九州の面積(国土の2割)を越えている」。日本で…

『滝山コミューン一九七四』原武史 1970年代、学校現場を覆った集団主義の背景

講談社ノンフィクション賞、受賞作品 2007年刊行。講談社の文芸誌「群像」の2006年11月号~2007年1月号にかけて連載されていた作品をまとめたもの。筆者の原武史(はらたけし)は1962年生まれの政治学者。先日エントリを書いた、『レッドアローとスターハウ…

『ノスタルジックアイドル 二宮金次郎』井上章一 誰が二宮金次郎像を作ったのか?

『京都ぎらい』筆者が調べた二宮金次郎像の秘密 1989年刊行。筆者の井上章一(いのうえしょういち)は1955年生まれの建築史家、作家、風俗史研究家。現在は国際日本文化研究センターの所長、教授職を務めている方である。1980年代から現在に至るまで多くの著…

『レッドアローとスターハウス』原武史 西武鉄道と団地が東京の郊外に何をもたらしたのか

今週のお題「最近おもしろかった本」に参加します! 西武鉄道と団地に着目した戦後思想史 2012年刊行。筆者の原武史(はらたけし)は1962年生まれの政治学者。専攻は日本の政治思想史。明治学院大学の教授職を経て、現在は放送大学の教授。 レッドアローとス…

『人工知能は人類を超えるか』松尾豊 AI(人工知能)についてサクッと学びたい方へ

2015年刊行。筆者の松尾豊(まつおゆたか)は1975年生まれ。東京大学大学院工学系研究科人工物工学研究センター、技術経営戦略学専攻の教授。日本ディープラーニング協会の理事長も務めている。日本のAI(人工知能)研究では、よく名前が出てくる人物で、マ…