ビズショカ(ビジネスの書架)

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『バカ日本地図』と『バカ世界地図』で認識のねじれを楽しむ

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くだらなさもここまでやると楽しい

2004年刊行。「みんなでくだらないものを作る」ウェブサイト「借力」で進められていたバカ日本地図企画が書籍化されたものである。当時、ニュース系サイト(懐かしい)でけっこう話題にされていたので、昔からネットをやっている方なら、記憶に残っていないだろうか?

今だったら、Twitterの大喜利ネタとかでありそうな感じ。

バカ日本地図―全国のバカが考えた脳内列島MAP

少し前まではまだサイトが残っていたのだが、さすがにもう確認できなくなっていた。哀しい。Waybackmachineで読めるアーカイブはこちら

こちらの動画で、そのノリを感じ取ってみていただきたい。

このサイト一時期閲覧が出来なくなっていてドメイン失効か?と思っていたら(現在は後継の方がドメインを復活させている)、作者の方(一刀=谷口一刀/谷口正人)が2020年に亡くなられていたとのこと。

2020年、日本の広告業界は谷口マサトを喪った。 | AdverTimes(アドタイ) by 宣伝会議

友人との永遠のお別れ | 社会実装デザイン研究室

47歳の若さということなので、なんともショック……。

内容はこんな感じ

日本って確かこんな感じだった筈。佐賀県ってどこにあるんだろう。北海道には青森は無かった気がする。出島はまだあると思う。「新潟」という字は難しくて書けない。福岡・福井・福島の区別がつかない。鳥取は取鳥と書く方が正解だと思う。各地のおバカさんたちがなんとはなしに思いこんでいたそれぞれのこの国のかたち。遂に完成した脳内列島。その真の姿とは!

なんとなくイメージしていた日本列島を可視化してみるとこうなった

陸地と湖が逆転した滋賀県。成田空港とディズニーランドで過半を占められてしまった千葉県。妙に広大なさいたま県。牛柄模様な北海道。そして存在すらも認められなかった無数の県の数々。おバカな企画ではあるのだけれども、ここまで徹底してアホなベクトルで突き抜けてくれるとなんだか無性に嬉しくなってくる。

各個人から寄せられたマイバカ日本地図をまとめた第二部もネタと天然、そして純粋なバカが絶妙のバランスで混在していて、眺めるだけでも実に楽しめる企画となっている。姉妹編の超東京地図。バカ世界地図なんてのもあったのだが、現在では見られなくなってしまった。

そして世界版も書籍化された

こちらは2005年刊行。「みんなでくだらないものを作る」がモットー。目標は全米NO.1だと言うウェブサイト借力のweb企画がベース。前作の『バカ日本地図』に続いて書籍かされたのが本書である。

バカ世界地図 -全世界のバカが考えた脳内ワールドマップ-

Waybackmachineで読めるアーカイブはこちら 

内容はこんな感じ

南極大陸があるんだから北極にも大陸があるはず。南極は南なんだから当然暑いに決まっている。オーストラリア人は自国の形を四国と差し替えられても気付かない。アフリカの西海岸は全部チリ。バトル三国ってあったような気がする。フロリダのあたりはディズニーランド。全世界の叡智を結集して考えた脳内ワールドマップが遂に完成!

世界編もお馬鹿で楽しい

日本編の次は世界編!ということで、一人一人が頭に思い描いている世界の姿を結集。今回は世界地図ってことなので英語版のページも開設し、外国人からも広く不毛な意見を収集した結果、更に輪を掛けて意味不明な世界地図が完成してしまった。バカバカしいけど見ているだけで楽しくなってくるので、洒落の判る人なら読んでおいて損は無いかと。でも間違っても信じないように。

尚、付録として大判バカ世界地図とバカ日本地図がついてくる。また巻末には瞬間で終わってしまった短命企画バカ宇宙地図も掲載されている。オトクだ(笑)。

地理関係の本ならこちらもおススメ