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『新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング【実践編】』後藤宗明 今すぐはじめられるリスキリングの実践術

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「リスキリング」本の第二弾が登場

2023年刊行。一般社団法人ジャパン・リスキリング・イニシアチブの代表理事を務める後藤宗明(ごとうむねあき)二冊目の著作となる。

2002年に上梓され「読者が選ぶビジネス書グランプリ」2023年版の総合部門で第4位、更に部門賞である「イノベーション部門」を受賞した『自分のスキルをアップデートし続ける リスキリング』の続篇とも言える内容となっている。

新しいスキルで自分の未来を創る リスキリング 【実践編】

内容はこんな感じ

リスキリングとは「新しいことを学び、新しいスキルを身につけ実践し、そして新しい業務や職業に就くこと」である。昨今、この言葉の知名度が上がっているが、果たして個人として出来ることは何なのか?リスキリングに興味を持つ個人、企業、自治体それぞれに有用な実践的ノウハウを教えてくれる一冊。

目次

本書の構成は以下の通り。

  • はじめに
  • 序章 リスキリングの現在地―組織と個人の生存戦略
  • 第1章 マインドセット(リスキリング準備編)
  • 第2章 学習
  • 第3章 スキル
  • 第4章 職業(キャリア)
  • 終章 リスキリングは競争から共創へ―雇用とリスキリングの未来
  • おわりに

前作と内容が被る部分も多く、続編というよりはパワーアップ版という印象もある。本作だけ先に読んでしまっても特に問題はないかと思われる。順番が逆でもオッケー。

リスキリングをしていくにあたって、どんなスキルが有用なのか、伸ばしていくべきなのか、また年代別のリスキリングの傾向など、「スキル」の取捨選択は大きなポイントとなってくる。そのため、特に気になった、第3章「スキル」の部分について感想を書いてみた。

どんなスキルを身に付けるべきか?

盛んに言われているリスキリングだが、ではどんなスキルを身に付けるべきなのか。本書の中で「今まで以上にこれから注目されるスキル」として、グローバルスキルと並んで紹介されていたのが、ストリートスマート的な能力だ

ストリートスマートとは、従来型の勉強が得意な人を指すアカデミック・スマートと対比されるもので「困難や危機に対応する必要な経験や知識」と本書では規定している。具体的にはこんなスキル。

  • 人に溶け込む力
  • 周囲に対する観察力
  • 状況を理解する判断力
  • トラブルを回避する力
  • 生きていくための知恵

特にAIの普及によって正解を提示する能力は人間には求められなくなっていく可能性があるとして、人間には正解を「実践していく」能力が問われると説く。

特定のツールを習得することがリスキリングではない

デジタル系のスキルを獲得することの重要さが本書の中では繰り返し主張されている。それでは大流行のChatGPTを使いこなせるようになれば、それでいいのだろうか?この点について、筆者はこう書いている。

  • 特定のツールを使えるようになることで終わってしまわないこと
  • ツールを使えるようになることでリスキリングが完了したと思わない

個別のツールに対するスキルが役に立つのはせいぜい数年のこと。流行のものだけに陳腐化も早く、あっという間に使えなくなってしまう(もしくは誰もが使えるようになってしまう)。

リスキリングで大切なのは「自分をアップデートし続ける」ことであり、一つのスキルを習得したらそれで終わりというわけではないのだ。外部環境の変化に応じて、学び続ける、自分を変え続ける試みこそがリスキリングの本質なのだと理解した。

年代ごとにリスキリングを考える

第3章「スキル」の中では、「年代別スキル習得に向けた注意点」という項目がある。各年代ごとのポイントはこんな感じ。

20代

  • ビジネススキルの基礎を学ぶ
  • ソフトスキルのアップデート
  • 得意不得意を把握し、自分の適性を知る

30代

  • マネジメントスキルを一定レベルで習得
  • 得意なスキルの専門性を高める
  • 新しい分野のリスキリング、調査、仕込みを開始

40代

  • 自身のマネジメントスキルの適性を問い直す
  • 得意なスキル以外にもう一つ柱となるスキルをリスキリングで獲得
  • 副業・兼業制度を活かして新たなスキル、可能性を模索

50代

  • 自分の経験と使えなくなったスキルを見直す
  • アンラーニング(学習棄却)を試みる
  • マネジメント能力を活かして新たな可能性を模索
  • デジタルリテラシーの向上を図る

60代

小さなリスキリングでデジタルツールを使いこなす

といった感じ。60代以降は触れる程度の扱いで、本書の扱いとしては対象外の印象かな。ボリューム的には40代~50代あたりが、要リスキリングの年代と感じた。

リスキリングで新しいスキルを開拓したい。でも、40代~50代の人間にとっては、いまさら何かを始めるなんて、何をしていいのか分からない。そう感じる方も多いのではないかと思う。その点で、本書はさまざまな具体的なアドバイスをしてくれているので、有用だと感じた。

 

 

 

 

 

 

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