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G検定をカンペで突破、文系+非エンジニア+オッサンの受験対策

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書こう書こうと思っているうちに年を越してしまった……。2022年の11月にG検定(ジェネラリスト検定)を受験し、なんとか合格できたのでそのレポートをお届けしたい。

G検定合格証書

G検定合格証書

G検定とは?合格率はどれくらい?

G検定とだけ聞くと何それ?と思われる方も多いだろう。G検定とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会が主催する検定だ。

G検定とは

ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する試験。

日本ディープラーニング協会:G検定ご紹介資料 2023#1より[PDF]

つまり昨今流行の、AI(人工知能)や、機械学習、ディープラーニング(深層学習)についての検定試験ということになる。

検定試験は年三回実施される(3月、7月、11月)。これまでの合格率はこんな感じ。

G検定の合格率

G検定の合格率

日本ディープラーニング協会:「2022年第3回G検定」開催結果より

だいたい合格率は6割強といったところだろうか。受験者の半分以上は合格できているので、それほど難しい試験ではない。

こんな人におススメ

  • データサイエンスの基礎を学びたい方
  • AI(人工知能)や、機械学習、ディープラーニング(深層学習)についての知見を深めたい方
  • 放送大学の「AIシステムと人・社会との関係」の知識をしっかり定着させたい方

わたしの場合、受験のきっかけは、放送大学の講座「AIシステムと人・社会との関係」を受講したことだった。この講座ではAIシステム開発の歴史的経緯や、具体的な実践の現場について学ぶことが出来た。そこで、もっと踏み込んだAIや機械学習の技術面について学んでみたく、G検定を受験することにしたのだ。ちなみにこの講座で学んだことはG検定試験範囲の2割程度をカバーしている。

世の中的には、AI全盛の世の中となりつつある。AIや、機械学習についての知識は、持っていて損はない、社会人のマストスキルになってきている。少しでも、こちらの分野に関心がある方なら、受験しておいて損は無いだろう。

参考書は公式テキストと黒本、赤本を購入

G検定に関する参考書、問題集は多数刊行されているが、わたしが今回使ったのは以下の三冊。

最初に押さえておきたいのが、公式テキストである白本こと、『深層学習教科書 ディープラーニング G検定(ジェネラリスト)公式テキスト 第2版』だ。必ず最新の「第2版」を購入すること!

白本では、G検定に関する学びの基本部分が網羅されている(全てではない)。まずはこのテキストを一周したい。

問題集としては、黒本こと、『徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集 第2版』が、基礎問題集として最適と思われる。こちらも必ず「第2版」をゲットするように。

黒本では、G検定に関する基本事項が網羅されている。シラバスに沿った問題が約200問と、実際のG検定の受験に即した模試形式のものが約200問収録されている。わたしは白本に続いて、この黒本を二周した。

ただ、黒本は基本的な事項しか網羅していないので、突っ込んだ設問が出てくると、やや物足りない。

そこで最後におススメなのが、赤本(茶本と言う人もいる)こと、『最短突破 ディープラーニングG検定問題集 第2版』だ。くどいようだが、これも必ず「第2版」を購入しよう。

赤本の収録問題数は350問程度。黒本に比べるとぐっとレベルが高くなるが、とにかく解説が充実しているのがありがたい。加えて、購入者特典として、G検定の模擬試験がWeb受験出来るようになっている。

わたしは赤本の問題集パートを二周。加えて、模擬試験を一回受験した。

「G検定」合格までの学習時間は90時間以上

わたしの場合、11月の受験に向けて、7月から学習を開始。文系学部出身、数学は高校以来やってない、仕事も非エンジニア職、加えて脳が日々衰えているオッサンということで、やや、過剰に学習してしまった感がある。我ながら、これは勉強しすぎだと、思う。さすがに90時間は必要ないと思う。

G検定学習時間

G検定学習時間

他の方の情報を聞いていると、理系出身もしくはエンジニアで、AIや機械学習についての基礎知識がある方なら20時間程度(直前の二週間程度の学習)で合格している方もおられた。文系の学生さんでも40時間前後(直前一か月の学習)で合格している方が多い印象。余裕を持っておきたいなら、試験前二か月頃から、対策を始めればなんとかなるのではないかと。

G検定の受験は自宅でのCBT方式

G検定は、Webで試験を受けるタイプのCBT(Computer Based Testing)方式だ。ポイントはこんな感じ。

  • 試験時間:120分
  • 多肢選択式:220問程度
  • オンライン実施(自宅受験)
  • 何を見て答えてもオッケー
  • 検索で調べるのもオッケー

G検定、最大の特徴は、自宅受験、そしてカンニングオッケーという点にある。テキストだろうが、問題集だろうが何を見てもオッケー。ネットでググってもオッケーなのだ。G検定が、別名「Google検定」と言われる所以である。

ここで、なんだ、簡単じゃん!と思うなかれ!

G検定のもう一つの特徴は、その圧倒的な問題数にある。二時間で200問ということは1問あたり30秒程度しか時間をかけられないのである。考えていたり、ググっている時間はほぼなく、即答レベルでこなしていかないと最後まで終わらないのだ。

G検定対策はカンペで乗り切れ

G検定に合格するための勉強法だが、もともとのスキルによって、かなり違ってくるとは思うのだが、文系、非エンジニア、オッサンという不利な条件を踏まえると、とにかく時間をかけて、勉強するしかないとわたしは判断した。

行った対策は以下の通り。

  • 白本をカンペにまとめる
  • 黒本を解き、カンペにまとめる(問題集は二回解いた)
  • 赤本を解き、カンペにまとめる(問題集は二回解いた)
  • シラバスを見て、不足分をカンペにまとめる
  • 赤本の模擬試験を受けて、カンペにまとめる
  • ネットの無料模試を受けて(Study-AIと、Dive into Codeのものを受験)、カンペにまとめる

G検定はカンニングオッケーなので、わたしは、テキストや問題集、模擬試験の内容を、カンペにひたすらまとめていった。カンペは、試験本番で活躍してもらう必要があるので、検索性や見やすさを考慮してGoogleドキュメントで作成した(紙のノートは絶対にお勧めしない)。

とにかくカンペ作りに時間をかけたので、最終的には130ページを超える、ややオーバースペック気味なカンペが完成。これで、わたしは試験をなんとか乗り切ることが出来た。

カンペを検索するのと、Googleを検索するのとで何が違うの?と思われる方もいるかと思う。Google検索で見つかった知識は、本当にそれが答えなのか?どの部分が正解なのか、短時間で見極めるのが難しい。自分で作ったカンペは、自分用に最適化されているので、瞬時に正解が分かる。これなら、G検定の圧倒的な問題数にも対応が可能となるのだ。

なお、カンペ作りの過程では、シラバス(出題範囲)の確認を必ずやっておこう。

公式テキスト(白本)に書いていない事項が、多数掲載されており、直前でこれを知ってしまうと青ざめることは必須である。

模試は絶対に受けておこう

G検定の模擬試験はネットに無料のものが二つ公開されている。

二時間で200問をこなすのは、相当にハードである。時間の感覚を知るためにも模試は必ず受けておきたい。実際やってみると、最初のうちは時間内に終わらなかった。

赤本の特典でついてくる無料模試もおススメ。こちらはやや難度が高め(実際のG検定よりも難しいと思う)。赤本同様に解説が充実しているのも嬉しい。

模試を受ける、もう一つの意義として、試験に登場する専門用語を、いろいろな言い回しで理解できるようしておくという点がある。G検定では、同じ意味の言葉でも、日本語であったり、英語であったり、はたまた略称であったりと、嫌らしく表現を変えてくることがある。

例えば、こんな感じ。

  • 敵対的生成ネットワーク
  • Generative Adbersarial Network
  • GAN

上記はいずれも同じ意味の言葉だが、必ずしも見慣れた表現で出題されるとは限らない。よって、複数の模試を体験して、別の表現方法に慣れておく必要があるのだ。

受験時の注意

G検定は自宅でのオンライン受験となる。自宅で受けられるので気は楽だが、それでもいくつか注意しておきたいことがある。

わたしが留意したのはこのあたり。

  • ネットがつながりやすい環境で(念のため有線でもつないでおこう)
  • トイレはあらかじめ行っておく
  • 公式テキスト、参考書は手の届く範囲に
  • ブラウザを複数開いて、カンペ他、参考になりそうなページはあらかじめ開いておく
  • 途中で脳が疲れるのでカフェイン飲料と甘いものを傍に用意

次は「統計検定2級」を受ける予定

以上、G検定の受験レポートをお届けした。学習時間でぶん殴る系の対策なので、効率的に時短学習をしたい方には全く向いていない。ある程度、時間に余裕のある方であれば、お試しいただければと思う。

G検定の受験にあたっては、統計や、数学の知識(初歩の微分積分、線形代数)も必要となる。この点、これまでに行ってきた放送大学での学習が役に立った。ゆっくりとではあるが、地道にレベルアップしてきている実感はあるので、ちょっと嬉しい。

なお、続いては、「統計検定2級」を受験予定。昨年3月に「3級」を受験したので、その続きである。

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