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『統計検定3級』ギリギリ67点で合格!公式問題集の罠、改訂ポイント、試験時の注意事項

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二か月も経過してしまったが、2022年の三月に「統計検定3級」の試験を受けてきたので、本日はその取り組みについてご報告したい。

統計検定3級合格証

統計検定3級合格証

統計検定って何?統計検定3級の合格率は?

「統計検定」は日本統計学学会が主催する全国統一試験だ。概要はこんな感じ。

「統計検定」は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。
データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力は、仕事や研究をするための21世紀型スキルとして国際社会で広く認められています。日本統計学会は、国際通用性のある統計活用能力の体系的な評価システムとして統計検定を開発し、様々な水準と内容で統計活用力を認定しています。

統計検定とは|統計検定より

今回わたしが受験したのは「統計検定」の3級である。ぶっちゃけ簡単に言うと、高校卒業レベルの統計学と思っていただいて問題ない。合格率が75.6%もあり、難易度的にも低め。気軽にトライできる試験と思っていただいてよいかと思う。

受験データ 2021年6月20日試験|統計検定より (2021年6月20日試験受験データ )

こんな人におススメ

  • データサイエンスの基礎の基礎を学びたい方
  • 統計学の基礎(高校レベル)を身につけたい方
  • 大学レベル(検定2級)の統計学を学ぶ前に地固めをしたい方
  • 放送大学の「身近な統計」の知識をしっかり定着させたい方

データサイエンスの分野に注目が集まるようになって久しい。データサイエンスの中でも統計は必須の学問だ。ただ、「統計」科目を高校や大学で学ばなかった方も多いだろう。データサイエンスの世界では、最低でも「統計検定2級(大学一般教養レベル)」のスキルが必要となるが、いきなりこのレベルに挑むのはちょっと……という方には「統計3級」の受験をお勧めしたい。

また放送大学の「身近な統計」を履修された方であれば、学習内容がほぼ被っているので、知識の定着を図る意味で「統計3級」の受験は最適なのではないかと考えている。

参考書は公式テキストと公式問題集を買えば十分

「統計3級」を受験するにあたって必要な参考書は二冊ある。

まずは「改訂版 日本統計学会公式認定 統計検定3級対応 データの分析」を手に入れよう。「3級」の文字が小さく書いてあってわかりにくいのだが、こちらが「統計3級」の教科書である。

ちなみに「改訂版」を購入すること。書店に並んでいるものはほぼほぼ「改訂版」だが、メルカリなどで中古で手に入れる際には注意しておきたい。試験範囲が違うので、必ず「改訂版」をゲットしよう。

そして公式問題集も必須である。4級とセットになった「日本統計学会公式認定 統計検定 3級・4級 公式問題集[2018〜2021年]」を手に入れよう。

過去の版もあるが必ず[2018〜2021年]版を購入すること。出題範囲が変わってくるので気をつけたい部分である。

「統計検定3級」合格までの学習時間は約57時間

わたしは、頭の出来がいまいち(加えてオッサンなので)、受験の二か月前から準備を始めて、総計57時間を準備に費やした。

検索してみた限り、20時間程度で合格している方もおられれば、50時間かけている方もいて、各人それぞれといった感じ。基礎力のある方であれば、実際20時間あれば十分なのかもしれない。

学習時間グラフ

学習時間グラフ

「統計検定3級」の合格基準は

「統計検定3級」は100点満点の試験で65点以上取れば合格となる。2020年に基準が変更されているのでその点は注意しておきたい。

100点満点で、65点以上
(2020年4月より上記に変更)

統計検定CBT方式 3級|統計検定(CBT方式試験)より

かなり基準は緩め。35%正解できなくても合格できると考えると気が楽になるのではないだろうか?

「統計検定3級」の勉強法と公式問題集の落とし穴

わたしの場合、公式テキストを1周、加えて公式問題集を3周繰り返し解いた。公式テキスト内にも問題があるので、こちらも複数回解いておくと良いかと思う。

ここで気を付けていただきたいのが公式問題集の罠である。

恥を忍んで公開するのがわたしの試験結果である。

ギリギリ合格の試験結果(恥ずかしい)

ギリギリ合格の試験結果(恥ずかしい)

67点でギリギリ合格!これはかなーり恥ずかしい。57時間も勉強してこの程度かよ!とツッコまれる方もおられるかと思うが、まったくその通りである。

だが、ここで言い訳をさせて欲しい。「統計検定3級」の受験内容は2020年に改訂されているのだ。

2020年からの「統計検定3級」では以下の科目が追加されている。

  • 相関と回帰
  • 確率分布
  • 統計的な推測

多少なりとも統計を学ばれた方であれば、これらのジャンルが追加されているのといないのとで、どれだけ出題傾向が違うかは想像がつくのではないだろうか?

で、公式問題集の話に戻るのだが、最新の公式問題集[2018〜2021年]では、上記の追加科目の範囲は「2021年」の問題にしか反映されていないのだ。2020年以降に出題範囲が改訂されているので、仕方ないと言えば仕方ないのだが、公式問題集だけやっていると、「相関と回帰」「確率分布」「統計的な推測」ジャンルの問題経験値だけが圧倒的に足りなくなるのである。

あらためて、わたしの試験結果を見ていただきたい。三番目の項目だけ正答率22%と惨敗していることがわかるはずだ。

出題者側もこの点の不備は理解しているようで、新出題範囲例題集の問題が無料で公開されている。

統計検定3級 新出題範囲例題集(問題および略解)[PDF]

ただこれは公式テキストにも載っている問題で、なおかつ1パターンしか存在しないので、量をこなしたい方にも物足りなく感じるかもしれない。この点はネットなどを漁って類問を探すしかないかも。新出題範囲を完全に網羅した公式問題集の発売を待ちたい。

「統計検定3級」の受験はCBT方式

「統計検定3級」は、現在ではCBT方式のみとなっている。

CBTはComputer Based Testingの略で、紙に印刷された問題を解くのではなく、コンピュータを使って、ディスプレイに表示された試験問題を解いていく方式である。

出題形式、問題数、試験時間はこんな感じ。

出題形式    4~5肢選択問題
問題数    30問程度
試験時間    60分

統計検定3級|統計検定より

受験前の勉強では紙の問題集を解いているので、CBT方式では戸惑うことも多いと思う。わたし的には紙がないので、問題用紙に書き込みをしていくことが出来ないのが地味にしんどかった。

「統計検定3級」試験で気をつけたい7点

以下は、わたしが実際に「統計検定3級」を会場でCBT受験して感じた点を箇条書きでまとめたものである。

  • Odyssey IDをお忘れなく

「統計検定3級」のCBT受験にあたっては、あらかじめ開催団体が発行している「Odyssey ID」を取得しておく必要がある。最初に登録した「Odyssey ID」を入力しないと試験が始められないので要注意である。

発行したIDとパスワードは紙に書くなり、スマホに入れておくなりして、当日はかならず持参しよう。これがないと、いきなり詰む。

こちらが「Odyssey ID」の新規発行画面。

これ、似たようなサービスが他にあるので間違えないように。

ちなみに、一度登録した「Odyssey ID」はその後ずっと使えるので、受験の度に新たに作りなおす必要はない。

  • ディスプレイの角度、マウスの位置を調整しよう

使い慣れないパソコンを操作するのは、けっこうなストレスになる。まずは落ち着いてディスプレイや、椅子の位置を調整。マウスのポジションなどを確認しよう

  • 筆記用具は会場支給

計算時に使う筆記用具は会場で支給されたものを使う。これも使い慣れた筆記具を使えないので、ストレスになる部分だ。仕方ないのでこれは慣れるしかない。

  • 計算用紙は会場で支給される

出題はパソコンのディスプレイ上に表示されるが、計算用紙は会場で別途支給される。その点は安心していただきたい。ただ計算用紙を持ち帰ることは不可なので、その点は留意しておきたい。

  • 電卓は使い慣れたものを持ち込もう

「統計検定3級」の試験には電卓は必須だ。絶対に忘れないようにしたい。なお、持ち込める電卓については以下の条件がある。

<持ち込み可能な電卓>
四則演算(+-×÷)や百分率(%)、平方根(√)の計算ができる普通電卓(一般電卓)又は事務用電卓

<持ち込み不可の電卓>
上記の電卓を超える計算機能を持つ金融電卓や関数電卓、プログラム電卓、グラフ電卓、電卓機能を持つ携帯端末

※試験会場に持ち込める電卓は1台までとなります。
※試験会場では電卓の貸し出しは行っておりません。
※試験前に電卓の確認を行うことがあります。

統計検定CBT方式 3級|統計検定(CBT方式試験)より

スマートフォンを電卓として利用したり、関数電卓などの高機能電卓の持ち込みは不可なので注意。

  • 解けない問題は飛ばして先へ

「統計検定3級」は60分で約30問を解く。したがって1問あたりに使える時間は2分しかない。よって、不得意な問題で考え込む時間は無いと思った方がいい。わからない問題、時間のかかりそうな問題はどんどん飛ばして先に行こう。解ける問題で確実に点を稼ぐことが合格の必須条件だ。

もちろん飛ばした問題は後から解くこともできるので、解ける問題をクリアした後に対応しよう。

  • 周囲の騒音が気になることも

「統計検定」のCBT試験は、専門学校や、パソコンスクールなどで開催されることが多い。街中にある会場なので、状況によっては周囲の環境音がガンガン入ってくる。わたしの場合は、会場のそばに消防署があったので、何度も救急車や消防車のサイレンが耳に入ってきて、けっこうな負荷となった。対策のしようがない問題だが、あらかじめ覚悟はしておこう。

 

その他、詳しい受験概要は公式サイトの情報を参照いただきたい。

次は「統計検定2級」を受ける!

ということで、次は大学一般教養レベルとされている「統計検定2級」を受験予定。受験時期は、来年3月くらいを想定している。

現在は放送大学で「社会統計学入門」を履修中。二学期には「統計学」を履修する予定。これで多少は「統計検定2級」の足掛かりになるかな。「統計検定3級」は67点と散々な結果だったので、次回はもう少しマシな得点で合格したい。

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