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『続 多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。孤独も悪くない編』Jam 孤独や不安と上手につきあう

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「パフェねこシリーズ」の第二弾が登場

2020年刊行。第一作となる『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』は2018年に刊行され好評を博した。本作は二年ぶりに登場した待望の続篇である。

帯の記載によると「パフェねこシリーズ」は累計25万部を超えるセールスを超えているとのこと。売れているのである。

版元である、サンクチュアリ出版の特設ページはこちらから。

内容はこんな感じ

仲間や友だちと一緒にいるのに寂しい。どこにも自分の居場所はないと感じる。オンラインだからこそ孤独を感じる。ちょっとしたことで深く落ち込んでしまう。ふとしたことで感じてしまう孤独感。でも一人だからホッとする時もある。考え方次第で、孤独や不安ともうまくつきあうことが出来る。Twitterで人気の筆者が説く生きるヒント集。

自分とのつきあい方を考える

前作『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』は、自分以外、ここにいない相手から「心を守る」ことがテーマであった。

それに対して、続篇となる本作では自分の中にある「孤独や不安」とのつきあい方が示されている。人とのトラブルは、接触を断ってしまえばある程度対応が可能であるのに対して、自分の中にある「孤独や不安」との戦いは避けて通ることが出来ない。自分からは逃げることが出来ないからだ。

本書では、前回同様に4コママンガ+解説のスタイルで、目で見てわかりやすく、気軽に読み進んでいける体裁を取っている。この読みやすさはこのシリーズの魅力である。

では、以下、各章について簡単にコメントしていこう。

心のモヤモヤ

この章では、誰にもわかってもらえない、自分にないものをもつひとが羨ましい、ネガティブ思考がやめられない、孤独や寂しさを感じる、理由もなく落ち込んでしまうといった、心の悩みに答えていく

とかく孤独はよくないもの。仲間や友だちは居ればいる程素晴らしい!そんな価値観が世の中には蔓延している。しかし筆者は「自分の存在を認められる場所があるかないかの問題」「一人でもその場所を作れる人は一人でも孤独ではない」と説く。

「一人は寂しい」と言われ続けてそれがいつの間にか世の中に定着してしまっている。それがそもそも間違いなのではないかと筆者は主張する。

この点は非常に共感する部分が多くて、多くの悩める方にとっては、良い処方箋になるのではないかと感じた。

人間関係のモヤモヤ

人間関係?あれ?今回は自分の内面の話だと思っていたけど、結局、他人とのつきあい方も出てくるの?というツッコミもあるかもしれない。この章では、さまざまな他人との関わり合いの中で、自分で勝手に判断してしまって思い悩んでしまう場合の対処法が示されている。

人の気持ちを優先してしまう、人にお願いするのが苦手、人からの誘いを断れない、初対面の人が怖い、人が思い通りに動いてくれない。そんな悩みの数々に応えていく。

筆者の主張はシンプルで「他人の人生にとって、自分はただの脇役」。結局のところ「人は人」「自分は自分」に尽きるのだと思う。自分の中で考え過ぎて、相手が考えても居ない部分で悩んで傷ついてしまう。タイトルにもあるように「多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。」である。自分が思っているほど、相手は自分のことを対して気にしていない。そう考えるだけで、人間関係はずいぶんと楽になるのだ。

仕事のモヤモヤ

誰にも必要とされてないと感じる、お金のためにやりたくない仕事をしている、人に褒められたい、テレワークで孤独を感じる、先の見えない将来が不安……。

第三章は仕事編である。この章でも相手がどうこうというよりは、自分の内側に生まれる悩みへの対策が示される。

コロナ禍の時節柄、テレワーク業務に由来する悩みについて多くページが割かれているのはありがたい。オンラインだからこそ、逆に逃げ場がないと感じる。常に監視されているように思える。そんな不安に陥っている方も多いのではないだろうか。

筆者はオンラインでの仕事が増えたからこそ、逃げ場を確保するために「嘘も方便」。「回線が切れた」と言って離席するのも時にはアリだと主張する。追い詰められる前に逃げてしまう。これは対面での人間関係でも同様だが、オンラインの人間関係でも有効な方法なのだと感じた。

世の中のモヤモヤ

最終章では世の中全般に対しての心の悩みについて答えていく。

ルールを守らない人が許せない、SNSで悪口やデマを書かれた、生活に制限があってつらい、悪いニュースに心をもっていかれる、見えないものへの不安や恐怖がある。コロナ禍ならではの課題も多く、タイムリーなチョイスかと思われる。

特にやLINEやTwitterなど、SNSでのやりとりを通じて生まれるトラブルに対して、どう考えれば心がラクになるのかをアドバイスしてくれている。

考え方をちょっとズラす

以上、Jamの『続 多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。孤独も悪くない編』について、ザックリと内容をご紹介してみた。

Jamの良いところは、考え方を少し変えてみる。ズラしてみる。それだけでツライ気持ちがちょっと楽になる点だろうか。Jam本人の体験を元に書かれているだけに、読む側としても親しみを持って受け止めること出来るのだろう。これは売れているのも納得なのであった。

前作『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』の感想はこちらからどうぞ。

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