発行部数2万部超のヒット作
2021年刊行。筆者のいしかわゆき(別名義の「ゆぴ」でも活躍中)はライター、ブロガー、Youtuber、更には声優としても活躍しているマルチな人物。
本書『書く習慣』が、いしかわゆきにとっての初著作となる。2022年の9月時点で、発行部数は20,000部を超えている。
Kindle Unlimited対応本なので登録されている方はすぐ読めます(2022年11月20日現在)。
こんな人向けに書かれている
本書『書く習慣』を読むべきか悩んでいる方は、まずは冒頭の「はじめに」をチェックしよう。そこで、筆者の言いたいことはほぼ言い尽くされている。
『書く習慣』はこんな悩みを抱えている方向けに書かれている。
- 自分の気持ちを素直に表現したい人
- 今の自分にモヤモヤしている人
- なにか新しいことをはじめたい人
- なにか伝えたいことがある人
- 書きたい気持ちはあるけど何を書いたらいいのかわからない人
『書く習慣』「はじめに」より
「どう書けばいいか」を教えてくれる文章術本は多いが、本書は別の切り口で勝負している。「書く」ことは好きでないとしんどい。だからこそ、まずは「書く」ことが好きになるのが大切だと説く。
そして、発信者としての自分の中にある「書きたい」気持ちをいかに育てて、「習慣化」へとつなげていけるか。「習慣化」のためのノウハウが本書では、数多く紹介されている。
内容はこんな感じ
なにかを「発信」してみたい。自分の思いを「書いて」みたい。でもどうやればいいかわからない。初めてみたけど続かない。何を書けばいいのだろう。「書く」ことは好きでないとしんどい。でも、好きだから続けられる。習慣化出来れば「書く」能力は次第に上達していく。あなたの「書きたい気持ち」を高め、「書く」ことを「習慣化」するためのノウハウを教えてくれる一冊。
目次
本書の構成は以下の通り。
- はじめに 人生なんて、「書く」だけで変わる
- 第1章 言葉と仲良くなれば書けるようになる
- 第2章 習慣になれば書くのが楽しくなる
- 第3章 ネタを見つけられると止まらなくなる
- 第4章 ちゃんと伝わると嬉しくなる
- 第5章 読まれるともっと好きになる
- 第6章 「書く」ことが与えてくれるもの
- おわりに 「書く」ことで変わるもの、変えちゃいけないもの
まずは「発信」のハードルを下げる
なにかを「発信」したいと思ったときに直面するのが、こんなことを書いていいのだろうかは?これ「自分語り」なのでは?なんだか上手くまとまってない……。そんな悩みではないだろうか。筆者はこうした悩みに対して、気にせず「発信」すべしと主張する。
「発信」は何を書いてもいいし、「自分語り」でかまわないし、上手くまとまっている必要すらない。まずは「発信」のハードルを下げること。完璧である必要はないし、まずはスタート地点に立つことが大切。
また、自分にとって意味がないと思えた文章でも、受け手にとっては意味のある内容かもしれないのだ。
「習慣化」のコツ
「発信」初心者最大の敵は「習慣化」である。本書のタイトルは『書く習慣』であるだけに、この「習慣化」については特にこだわって書かれている。
メンタル面でのケアとしてはこのあたりが個人的に響いた。
- 5分だけやってみる
やる気があるから行動する、、のではなく、行動するからやる気が出てくる。これは納得感があるひと言。なんでもいいから、とにかく走り出してみれば、次第に結果はついてくるものなのだ。
- 「毎日やる」宣言で自分のプライドを利用する
周囲に「発信するよ!」とカミングアウトをして、引っ込みがつかなくさせる方法。これもおススメだと思う。
- 「やめたら気まずい」状況をあえてつくる
こちらは、友だちと一緒にやるとか、他者を巻き込む方法。いい感じにお仲間が作れる方はこういうのアリだと思う。
手軽な「発信」はTwitterから
手軽な「発信」手段としては、やはりTwitterから入るのが良さそう。本書でおススメしているのは以下の二点。
- 「実況ツィート」のススメ
セミナーやイベントなどの「実況ツィート」では、すばやく140文字(Twitterの文字数制限)で要約する力を培うことが出来る。
- 「感想ツィート」のススメ
書籍やマンガ、映画などの感想を箇条書きでまとめるツィートをお勧めしている。「感想ツィート」は他者の言葉を借りてくるのでなく、必ず自分なりの表現で140文字にまとめることが大事。
いきなりブログはハードルが高すぎる!という方には、確かにTwitterは良いかと思う。なにより他者からの反応がある点が、ブログと比べてメリットではないかと思う(ブログの初期はとにかく反応がもらえないのだ)。
まずは「書いて」みよう
本書『書く習慣』で再三、書かれているのが、「結局は書いたもん勝ち」「とにかく公開しちゃえ」という点にある。いまは忙しいから時間が取れるようになったら始めようととか、もっといい文章が書けるようになったら始めようとか、いいネタが入ったら書いてみようなんて、機会を待っているとなにも前には進まない。
拙い「発信」は恥ずかしいと考える方もおられるかもしれないが、「発信」初期の時点であなたに注目している人はいない。この点はちょっと自意識過剰だったりもする。深く考えずに、まずは走り出してみることが大切。『書く習慣』はその点で、良いサポートとなる一冊だ。
音声朗読のオーディブル版はこちら。ナレーターは声優の水口まつりが担当している。