ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

社会

『未来の地図帳』河合雅司 47都道府県はもはや維持できない

「未来の年表」シリーズの第三弾 2019年刊行。筆者の河合雅司(かわいまさし)は1963年生まれ。2017年の『未来の年表』2018年の『未来の年表2』に続く、講談社現代新書における「未来の年表」シリーズの第三弾である。 旧作、二冊の感想はこちらからどうぞ。…

『未来の年表2』河合雅司 人口減少社会で変わること

『未来の年表』の続編 2018年刊行。著者は1963年生まれ。産経新聞の元論説委員。現在は、高知大学客員教授、大正大学客員教授。内閣府、厚労省、農水省などの有識者会議委員などを歴任している。 2017年に刊行され、大きな反響を呼んだ『未来の年表』の続編…

『未来の年表』河合雅司 人口が減っていく社会で起こること

シリーズ累計75万部のベストセラーシリーズ 2017年刊行。著者の河合雅司(かわいまさし)は1963年生まれ。産経新聞の元論説委員。現在は大正大学の客員教授。内閣官房有識者会議委員などを歴任している。 昨年、売れまくった新書作品である。どれくらい売れ…

『希望格差社会』山田昌弘 「負け組」の絶望感が日本を引き裂いた?

『パラサイトシングルの時代』の著者が示した未来への警鐘 2004年刊行。筆者は1957年生まれ。本書刊行時は東京学芸大学の教授だったが、現時点では中央大学の教授。専門は家族社会学と感情社会学。 【中古】希望格差社会 「負け組」の絶望感が日本を引き裂く…

『流言のメディア史』佐藤卓己 「ポスト真実」時代のメディア・リテラシーとは?

流言から歴史を読み解く 2019年刊行。筆者の佐藤卓己(さとうたくみ)は1960年生まれの社会学者、歴史学者。京都大学大学院教育学研究科の教授。専門はメディア史。2020年には紫綬褒章も受章している。 内容はこんな感じ 1938年。オーソン・ウェルズによるラ…

『上級国民/下級国民』橘玲 日本に分断をもたらした三つの要素

分断の正体を読み解く 2019年刊行。筆者の橘玲(たちばなあきら)は1959年生まれの作家。小説家としてのデビュー作は2002年の『マネーロンダリング』である。 実用書の書き手としては、同年に上梓された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』で知られる。…

『朽ちていった命』東海村臨界事故を描いたルポルタージュ

東海村臨界事故による放射能被爆治療の記録 2006年刊行作品。1999年に、茨城県那珂郡東海村で発生したJCO(ジェー・シー・オー)原子力事故(臨界事故)についてのルポルタージュである。 2002年に刊行された『東海村臨界事故 被爆治療83日間の記録』 を改題…

『ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実』望月優大 「移民」を認めない国、日本

在留外国人300万人時代の「移民」事情 2019年刊行。筆者の望月優大(もちづきひろき)は1985年生まれ。日本の移民文化、移民事情を伝えるウェブマガジン「ニッポン複雑紀行」の編集長。 少子高齢化を受けて、日本人の生産者人口が激減する中、飛躍的なペース…

『アフターデジタル2 UXと自由』藤井保文 人がその時々で自分らしいUXを選べる時代へ

『アフターデジタル』の続編が早くも登場 2020年刊行。昨年刊行され好評を博した『アフターデジタル』の続編である。前作は小原和啓との共著であったが、今回は藤井保文の単著となっている。 前著『アフターデジタル』は相当話題になっただけあって、Amazon…

『下流喰い』須田慎一郎 消費者金融の手口と実態を知る

消費者金融の実態に迫る一冊 2006年刊行。当時なにかと話題であった消費者金融の実態に迫った一冊である。この時期は大手消費者金融の不祥事軒並み明るみに出ていて、メチャクチャ叩かれていた頃である。実にタイムリーなタイミングでの刊行であった。 筆者…

『累犯障害者』山本譲司 どうして障害者たちは犯罪を繰り返してしまうのか

服役した元代議士が見たものは 2006年刊行。雑誌「新潮45」に発表された三編に書き下ろし四編を加えて単行本化したもの。 // リンク 2009年に新潮文庫版も刊行されている。 内容はこんな感じ 衆議員議員山本譲司は秘書給与流用事件で実刑判決を受ける。獄中…

『定年消滅時代をどう生きるか』中原圭介 10年先を見据えた「これからの働き方」

定年消滅時代の生き方は? 2019年刊行。筆者の中原圭介(なかはらけいすけ)は1970年生まれの経営アドバイザー、経済アナリスト。資産運用、投資術、経済、未来予測等、30作以上の著作を持つ。 東洋経済での不定期連載記事があったのでリンクを貼っておく。 …

『刑事弁護人』亀石倫子・新田匡央 刑事事件の弁護士は何をしているのかが判る!

筆者の亀石倫子と新田匡央はこんな方 2019年刊行。筆者の亀石倫子は1974年生まれ。東京女子大を経て、一度は大手通信会社に勤務するものの退職。その後一念発起、法科大学院経由で司法試験合格を果たした方。窃盗や性犯罪など、刑事事件の実績が豊富な現役の…

『「月給百円サラリーマン」の時代』岩瀬彰 戦前の社畜も大変だった?

戦前の庶民の暮らしを垣間見てみよう 2006年刊行。筆者の岩瀬彰(いわせあきら)は1995年生まれ。共同通信社を経て、2020年3月まで関連会社のNNAの代表取締役。現在は同社の顧問を務めている。 「月給百円」のサラリーマン―戦前日本の「平和」な生活 (講談社…