ビズショカ(ビジネスの書架)

ビジネス書、新書などの感想を書いていきます

『日本民俗学概論』福田アジオ・宮田登/編 民俗学について学びたい初学者は読んでおきたい一冊

民俗学に興味を持ったら読みたい一冊

1983年刊行。編者は日本民俗学の権威、福田(ふくた)アジオ、宮田登(みやたのぼる)の両名。福田アジオは1941年生まれ、そして宮田登は1936年生まれの民俗学者(2000年に物故)。

日本民俗学概論

1983年と40年も前に刊行された著作だが、わたしが購入したのは2010年の第25刷と、長期に渡って読まれていることがわかる。序文を読む限り、大学の教科書として多くの方が手にして来たのだろう。

かくいうわたしも、2023年に受講した放送大学の面接授業のサブテキストとして本書を手に入れている。この世界では定番の一冊なのかもしれない。

内容はこんな感じ

柳田国男から始まる日本民俗学も、日本人の生活が変わり多様化、多極化の局面を迎え、新たな概説書の登場が待ち望まれていた。旧弊に囚われず、現代の民俗学の世界を総合的に把握できる一冊。民俗学を学びたい人、民俗学とは何か知りたい方、理解を深めたい方に贈る民俗学へのエントリーブック。

目次

本書の構成は以下の通り。

  • Ⅰ|空間の民俗:1家と屋敷
  • Ⅰ|空間の民俗:2家族生活
  • Ⅰ|空間の民俗:3親類と同族
  • Ⅰ|空間の民俗:4村落の構成
  • Ⅰ|空間の民俗:5耕地と生産
  • Ⅰ|空間の民俗:6山と海の生産
  • Ⅱ|時間の民俗:7正月と盆
  • Ⅱ|時間の民俗:8農耕儀礼
  • Ⅱ|時間の民俗:9誕生儀礼
  • Ⅱ|時間の民俗:10性と年齢の秩序
  • Ⅱ|時間の民俗:11婚姻儀礼
  • Ⅱ|時間の民俗:12葬送儀礼
  • Ⅱ|時間の民俗:13墓と祖先祭祀
  • Ⅲ|心意の民俗:14禁忌と祈願
  • Ⅲ|心意の民俗:15氏神と氏子
  • Ⅲ|心意の民俗:16神の示現と芸能
  • Ⅲ|心意の民俗:17シャーマニズムと予兆
  • Ⅲ|心意の民俗:18憑きもの
  • Ⅲ|心意の民俗:19寺と仏
  • Ⅲ|心意の民俗:20昔話と伝説
  • Ⅳ|特論:21過疎と民俗の変貌
  • Ⅳ|特論:22都市の民俗
  • Ⅳ|特論:23沖縄の民俗
  • Ⅳ|特論:24民俗の調査と記録
  • Ⅳ|特論:25民俗学研究法
  • 重要語句解説

福田アジオ・宮田登/編とあるように、この二人以外の多くの執筆者が存在する。総数なんと23名。概論書を作ってみようという、福田、宮田の呼びかけに答え、当時30代の若手研究者(現在では偉くなっているけど)が数多く参集している。

放送大学の面接授業用に購入した

コロナ禍で時間に余裕が出来たので放送大学に入学してしまったことは以前にも書いた。放送大学は基本は通信講座(放送授業)で、自宅での独習がメインなのだが、これとは別に面接授業、いわゆるスクーリング的な科目も用意されている。

2023年の2学期には民俗学系の科目として宮内貴久(みやうちたかひさ、敬称略、先生ごめんなさい)の「しきたりの民俗学」が開講していたので、かねてからこの分野には興味があったのでさっそく受講してきた次第。この講義では参考書として『日本民俗学概論』が指定されていたのだ。

シラバスはこんな感じ。

  • 第1回民俗学の位置づけ
  • 第2回国民文化と民族
  • 第3回山と海の生産
  • 第4回正月と盆
  • 第5回誕生儀礼
  • 第6回葬送儀礼
  • 第7回墓と祖先祭祀
  • 第8回まとめ

『日本民俗学概論』の目次と比べていただくと判ると思うのだけれど、半分以上の項目が一致しており、内容的にも同書の内容がかなり登場した。事前予習しておいて良かった~。

民俗学って?

「しきたりの民俗学」では民俗学の基本のキの部分についてまずは学んだ。民俗学はこんな学問。

民俗学:民衆の習わし、民間の風俗・習慣、生活文化の中で伝承されてきた文化。歴史の上層文化(上澄み。歴史に残る部分)ではなく、基層文化(普段の生活。歴史から見えない部分)に目を向ける。

研究対象:社会伝承、経済伝承、生業、衣食住、信仰伝承、儀礼伝承、年中行事、人生儀礼、芸能伝承、口頭伝承、昔話、伝説、都市伝説

空間、時間、そして心意

さて、『日本民俗学概論』の内容紹介に話は戻る。本書は25の章に別れているが、これらは以下の4つの大章に分類されている。

  • Ⅰ|空間の民俗
  • Ⅱ|時間の民俗
  • Ⅲ|心意の民俗
  • Ⅳ|特論

まず「空間の民俗」では日本人をとりまく家や土地、家族関係、村落、耕地や山、海などの生産手段に目を向ける。続く「時間の民俗」では盆と正月、農耕儀礼、誕生から成人、結婚、そして葬送、祖先祭祀に至るまでの時間軸に沿った習俗を取り扱う。三つ目の「心意(しんい)の民俗」では、人の心の内側の部分、禁忌、祈願、信仰、神や仏にスポットを当てる。また最後の「特論」では時代の変化によって、変わりつつある最新の(当時)民俗学事情に合わせて、過疎化、都市化について触れ、更に、日本の中でも特異な地位を占める沖縄の民俗についても概観している。

40年も前に書かれている本なので、現代の最新研究から比べると古くなっている部分は相応にあるものと思われる。だが、初学者がまず読む一冊として、全体感を掴むうえで多いに有益であったと考える。せっかくなので民俗学の入門書をあつ数冊読んでみるつもり。

日本民俗学概論

日本民俗学概論

  • 吉川弘文館
Amazon

民俗学関連本のおススメをもっと読む

 

放送大学二年目二学期、単位認定試験を受けてきました

放送大学二年目が無事終了

既に試験期間も経過し、成績発表もされてしまったので遅きに失した感がありますが、放送大学の二年目が無事に終わったので、恒例の振り返り記事を書くことにしました。

過去のまとめはこちら(カッコ内は履修科目ね)。

2021年の4月、コロナ禍で在宅の時間が増えたことをきっかけに、放送大学の選科履修生として入学。2022年の4月からは全科履修生となり、ガチで卒業を目指すことにしました。

今回の履修科目

放送大学は全科履修生として入学すると、いちおう10年間在籍出来ることになっていて、わたし的には6年での卒業を目標としています。卒業には124単位の取得が必要で、わたしは年間20単位+α程度の単位を取っていけるよう計画しています。

放送大学は一学期(4月~9月)と二学期(10月~3月)の前後期制。2022年二学期に、わたしが履修した科目はこちらの8科目(14単位)。

  • 社会学概論
  • 人間にとって貧困とは何か
  • 入門線型代数
  • 統計学
  • 情報社会のユニバーサルデザイン
  • 映像コンテンツの制作技術
  • 西武鉄道と沿線文化 *
  • カトリック教会と音楽 *

*の科目は面接授業。こちらは通信教育ではなく、実際に学習センターに通って講義を受ける、いわゆるスクーリング形態の授業です(後述)

テキストはこんな感じ。

2022年二学期の履修科目

2022年二学期の履修科目

単位認定試験は引き続き自宅でのオンライン受験

コロナ禍になるまで、放送大学の単位認定試験は、全国各地に設置された学習センターにて、所定の日時に一斉に行われていました。通信制大学でありながら、あくまでも試験はリアルの会場で行われていたんですね。

かつては平日に試験時間が設定されることも多かったので、社会人にとってはこれが大きな問題でした。半年先の予定なんて履修する時点ではわからないですからね。

これがコロナ禍で一変。自宅でのオンライン試験がデフォルトとなりました。試験日程を考慮せずに、履修科目を決めることが出来るようになったので、利便性は格段に向上しました。

ポイントは以下の通り。

  • 自宅のネット回線を使って試験を受ける
  • 試験問題はオンラインで出題される
  • 1科目あたり50分の時間制限あり
  • 一度スタートした科目は途中で辞められない
  • 定められた期間内(今期は1/17~25)だったら好きな日時で受けて良い
  • 持ち込みは印刷教材、自分で作ったノートのみオッケー
  • 試験はオンラインで完結(一部科目に例外あり)

自宅にインターネット回線が無かったり、身体上の問題で対応が難しい方に限り、事前に申請することで、従来通りの学習センターがでの受験も可能となっています。

2022年度2学期の単位認定試験について詳しく知りたい方はこちらを(PDF)。

各科目ごとの学習時間と所感

各月ごとの学習時間は以下の通りです。

放送大学2022年2学期学習時間

放送大学2022年2学期学習時間

科目別の学習時間は以下の通り。

  • 社会学概論(22.8時間)

社会学について興味があったので履修してみました。過去に履修した「社会調査の基礎」「社会統計学入門」からの延長となります。後述する「人間にとって貧困とは何か」被る内容も多く。補完する意味でも履修して良かったと思っています。

「社会調査の基礎」同様に、北川先生の試験は基本的にあまり捻った設問はないので、ふつうにテキストと過去問をさらっていれば問題なく対応できるかと思います。

  • 人間にとって貧困とは何か(23.3時間)

今期で閉講ということで急遽履修を決めた科目です。テキストの行間から西澤晃彦先生の情念が漂ってくるようで、鬼気迫るものがありました。貧困問題についての視点が変わる、得難い講義でした。貧困問題について、来期は別の先生の「貧困の諸相」が開講し、「人間にとって貧困とは何か」のテイストは引き継がれないようなので本当に残念。

試験については、テキストを丁寧に読み解いていけば十分対応できると思います。何を問われているのかを考える過程は、大学入試の現代文の科目を思い出しました。

  • 入門線型代数(54.5時間)

今期最大の鬼門科目。そもそも高校時代には数IIまでしか履修しておらず、大学は私立文系(文学部)だったのでまったく数学とも無縁。行列って何だっけ?というところからスタートしたので本当に苦労しました。

印刷教材や、放送授業だけでは理解が及ばず、Youtubeの『予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」』の「線形代数入門」には、たいへんお世話になりました。これなくして、単位は取れなかったと思います。

線型代数の計算は基本的な四則演算がベース。ただひたすら込み入っていて、とにかく面倒。検算に際してはこちらのサイトが役に立ちました。

ただ、試験はそれほど難しくないです。過去問と同じパターンの内容しか出題されないので、過去の出題内容を解けるように対策しておけばなんとかなると思います。線形代数の計算はややこしいので、計算間違いだけは気をつけましょう。

  • 統計学(47.0時間)

鬼門科目その2。相応に時間がかかりましたが、基盤科目の「身近な統計」、導入科目の「社会統計学入門」と地道にステップアップしてきたので、なんとかこなすことが出来ました。前二科目が実に寄せているのと比較して、理に寄せている印象で、数式が頻出するので、数学が苦手な方は辛いかも。

わたしは、出て来る問題をエクセルで数式化して、どうしてその答えになるのかを理解できるように努めました。エクセルで数式化しておくと、類問が出たときに数値を変えるだけで対応できるので、その点でもおススメです。

試験では、計算させる問題はそれほど出題されず、理論的な部分をきちんと理解できているかが問われます。

  • 情報社会のユニバーサルデザイン(26.7時間)

ユニバーサルデザインとはこんな意味。

年齢・性別・能力・環境にかかわらず、できるだけ多くの人びとが使えるよう、最初から考慮して、まち、もの、情報、サービスをデザインするプロセスとその成果。

『情報社会のユニバーサルデザイン』より

障害の社会モデルの概念、「障害者の社会参加の困難は,障害がある人もない人も等しく社会参加する機会が得られるように考慮されていない社会環境から生じる」という考え方を知ることが出来たのが最大の収穫。

試験は、テキストをひととおりさらって、過去問対策しておけば問題ないかと思います。

  • 映像コンテンツの制作技術(18.5時間)

今期の癒し科目。学びというよりは、楽しみで選択した科目です。仕事でPremiereを使った簡単な動画制作を手掛けるようになったので、撮影、編集技術の基礎について学べるのでは?と期待して履修しました。

ホワイトバランスの取り方から、マイクの設定、イマジナリーラインや、ジャンプカット、同ポジの概念に至るまで、具体例を交えた講義の構成が本当に面白かったです。

試験内容は、授業をきちんと聴いていいれば問題なく回答できるものだと思います。

※面接授業の二科目については次の項目で書きます

面接授業をはじめて受けてみた

放送大学はテレビとラジオ(そしてインターネット配信)をベースとした、通信制の大学ですが、これらとは別に対面による面接授業も設けられています。全国57か所の学習センターで年間3,000もの講義が開講される大規模なものです。

放送大学文京学習センター

放送大学文京学習センター

わたしはこれまで、コロナ禍なので履修を控えていたのですが、卒業には面接授業の単位が一定数必要となることもあり、今回は受講してみることにしました。

放送大学多摩学習センター

放送大学多摩学習センター

履修した科目はこちら。

  • 西武鉄道と沿線文化(23.7時間) 

鉄道大好きの政治学者、原武史先生の超絶マニアックなテーマの講義。100%趣味で履修しました。定員23名の狭き門でしたがなんとか抽選を勝ち抜けました。参加している方々が、これまたヤバい(褒めてる)鉄道成分の濃い方たちばかりで、とにかく圧倒されました。テキストは本ブログでも以前に紹介した『レッドアローとスターハウス』。

講義前にテキストをひたすら熟読。更に、サブテキストとして指定されていた『団地の空間政治学』『滝山コミューン一九七四』にも目を通しました。

講義は週末の二日間に集中して行われ(90分×8コマ)、最後の時限に簡単な筆記テストがあります。テキストを読み、講義の内容を理解していれば、特に問題はないかと思われる内容でした。

  • カトリック教会と音楽(14.8時間) 

永原恵三先生による、カトリック教会と音楽の歴史についての講義。わたしはもともと、趣味で合唱をやっており、キリスト教の音楽については触れる機会が多かったので、こちらも趣味全開で受講した科目です。

市販のテキストは用いず、当日先生が配布されるレジュメをベースに講義が進みます。何かせめて予習できればと、永原先生とジャンルは微妙に異なるのですが、金澤正剛先生の『キリスト教と音楽』を読んでから講義に臨みました。

こちらも週末の二日間に集中して行われ(90分×8コマ)、最後の時限に簡単なレポートを書いて提出すると終わりです。テーマは以下の三つから一つを選びます。

  1. 本講義のまとめ
  2. 本講義へのコメント、感想、自分で考えたこと
  3. 本講義を聴いて今後自分がどう考えていくか

わたしは「2」のテーマを選択。好き勝手なことを書いて提出したのですが、幸い良い評価を頂けました。

試験結果はこんな感じ

試験に向けての準備方法と、オンライン受験での注意点は以前書いた通り。やることはあまり変わってないので、過去記事のこちらを参照のこと。

ちなみに試験の結果は以下の通りでした。

「入門線形代数」はギリギリまで学習が追いつかず、来期に飛ばすことも考えたのですが(放送授業科目は、単位を落としても次学期に再試のチャンスがあります)、頑張って受けて見てよかったです。

ちなみに、2023年一学期の履修科目はこちら。数学系科目では「入門微分積分」を「演習」とセットで挑戦。これが最大の難関科目になりそう。予習、もう始めてるのですが、全然わかりません!ずっと履修を続けている「統計」系科目では「Rで学ぶ確率統計」を履修。統計ソフトであるRの使い方について学ぶ予定。

  • 日常生活のデジタルメディア(’22)
  • 情報セキュリティ概論(’22)
  • 日本政治思想史(21)
  • 入門微分積分(’22)
  • 演習微分積分(’19)
  • Rで学ぶ確率統計('21)
  • データサイエンス・リテラシ導入(’22)
  • ビジネスと人工知能技術 *
  • バーチャルリアリティ入門-基礎 *

コロナ体制が終わるけれど

ちなみに、今月から勤務先の体制が変わって、コロナ禍を前提とした在宅勤務が終了してしまいました。在宅時間が多くとれるところから、放送大学での学びをスタートした私としては、大ピンチだったりします。通勤時間相当の二時間を勉強時間にあてていたんですよねえ。

なので、2023年度一学期は、ちょっとだけ履修科目を減らしています。ウィズコロナ体制下で、いかにして学習時間を確保するか、また学習を効率化していくかが大きなテーマとなりそうです。

放送大学関連の記事はこちらから

放送大学二年目一学期、単位認定試験を受けてきました

放送大学二年目!全科履修生になりました

2021年の4月から放送大学の選科履修生になり、なんとか一年続けられたので、2022年度からは全科履修生になりました。選科履修生は一年の期限があり、短期間で学びたい科目だけを学ぶスタイル。全科履修生は10年の在学期間があり、こちらは大学卒業を目指して学ぶことになります。

入学料は24,000円(わたしは選科履修生からの編入なので18,000円でした)で、一回払うとこれで10年在籍できます。年ごとの固定の支払いはなし。あとは、履修単位分(1単位5,500円)の学費を払うのみで在籍できます。

今回の履修科目

放送大学は10年もの在籍期間があるので、各人のライフスタイルにあった形で、大学生活を送ることが出来ます。わたしの場合は、6年での卒業を目指しておりまして、卒業要件である124単位取得に向けて、年20単位強を毎年取得していく計画です。

放送大学は、一学期(4月~9月)と二学期(10月~3月)に分かれています。わたしは、一学期に12単位、二学期に12単位の取得を目指しています。

で、わたしが一学期に履修した科目はこちらの7科目(12単位)。

※印の科目はオンライン科目という、テキスト(放送大学的には印刷教材という)のない科目で、こちらはPDFベースで教材が支給されます。

  • 社会統計学入門
  • Webのしくみと応用
  • AIシステムと人・社会との関係
  • 表計算プログラミングの基礎 ※
  • 日本語リテラシー演習 ※
  • 国際理解のために
  • 計算の科学と手引き

テキストはこんな感じ。

2022年一学期の履修科目

2022年一学期の履修科目

2022年一学期から単位認定試験の方法が変わった

コロナ禍になる前までの放送大学の単位認定試験は、具体的な試験日、時間が科目ごとに決まっており、定められた学習センターに赴いて一斉に行われるものでした。

が、新型コロナウイルス感染蔓延を受けて、2021年は自宅受験となりました。ポイントはこんな感じ。

  • 自宅受験
  • 試験問題はオンラインにて展開
  • 時間制限なし
  • 持ち込みオッケー
  • 期間中に回答して回答を郵送する

決められた期間内に回答すればいいだけで、あとは時間制限なし、持ち込みフリーと、夢のような単位の大盤振る舞いでした。

さすがにこれは不味いと思ったのか、2022年度からは試験方法がさらに改訂されました。ポイントはこんな感じ。

  • 自宅受験
  • 試験問題はオンラインで展開
  • 時間制限あり(1科目50分)
  • 持ち込みは印刷教材、自分で作ったノートのみオッケー
  • 試験はオンラインで完結(一部科目に例外あり)

時間無制限だったのが、50分の制限時間ありとなったのが最大の変化ですね。また、昨年度は回答したマークシートを郵送していたものが、今年度からはオンラインでの回答で全て試験が完結するようになりました。

2022年度の単位認定試験について詳しく知りたい方はこちらを。

各科目ごとの学習時間

各科目ごとの学習時間は以下の通りです。

放送大学2022年1学期学習時間

放送大学2022年1学期学習時間

各科目ごとの勉強時間は以下の通り。

  • 社会統計学入門(49.2時間)

一番時間がかかった科目です。前期の「身近な統計」でも苦労しましたが、統計系の科目はド文系人間のわたしには歯ごたえがありました。出てくる数式をエクセル化して、どうしてその答えになるのかひたすら理解に努めました。あとは問題を解いて、計算の場数を踏み、解法を体に染み込ませるのみ。計算用紙と電卓を用意して、ひたすら計算していた記憶しかありません。

  • Webのしくみと応用(29.6時間)

HTMLやCSS、Webについてのさまざまな仕組みについて学べる科目でした。昨年に「Webクリエイター能力認定試験」を受けていたので、楽しく学ぶことが出来ました。ただ、進化の速いジャンル(HTML5は廃止されたし)なので、そろそろ改訂が必要かも。試験問題はパターン化されているので過去問を必ずチェックしておきましょう。

  • AIシステムと人・社会との関係(25.9時間)

最新のAI事情について学べる科目。具体事例が豊富に紹介されており、学んでいて楽しかったのですが、ラジオ科目でビジュアルがないのは残念。なおこの科目については、先生の方針で過去問の「正答」が開示されません。調べればわかるので、その方が覚えるでしょ!という趣旨のようです。

試験問題は穴埋めが出ます。印刷教材のどこから出題されているのか、素早く探せるスキルが必要となります。

あと、印刷教材の訂正がメッチャあります。最初に訂正内容をしっかり確認しましょう。

  • 表計算プログラミングの基礎(16.0時間)

ひたすらエクセルのVBAを学びましょう講座。動画を見て学ぶのではなく、ひたすらテキストを読んで学ぶので、最初は違和感があるかも。ちょっとしたマクロしか組んだことがなかったので、反復(ループ)、条件分岐の概念を学べたのは良かったです。プログラミング的な概念の初歩の初歩を学べる科目でもあります。

最終レポートは難しくありませんが、出来るだけ工夫(汎用性を高める、安全性を考える)をしましょう。最低限の機能しか実装されていないと加算点がつかないと思います。

  • 日本語リテラシー演習(29.8時間)

思っていたより時間がかかった!1単位科目ですが29.8時間もかかりました。アカデミックな文章を書けるようになろう!という趣旨の科目で、レポートがとにかく多い。なんと14回もの提出課題があるのです。文章力を鍛えたい方にはもってこいの科目で、個人的には大のお気に入り講座となりました。

出題内容について正誤の連絡があるので必ずチェックすること。滝浦先生は小まめに連絡をくれるので励みになります。

  • 国際理解のために(25.2時間)

みんな大好き、国際政治学者高橋和夫先生の科目。第一部は世界の宗教。第二部は日本の領土問題について学びます。「意見を持つ前に必要な基礎知識を提供する」、この講座の開設趣旨が好きです。試験は記述式で最初は戸惑いますが、持ち込み可なので、それほど難しくはないと思います。印刷教材もかなりポイントを絞って書いてあります。放送授業からの出題もあるので、かならず放送授業も聞きましょう。というか、高橋先生の科目は放送授業が楽しいので必聴(必見)です。

参考文献として以下の書籍を購入しました。

『マニ教とゾロアスター教』山本由美子
『ゾロアスター教』青木健
『一瞬でわかる 日本と世界の領土問題』高橋和夫・川島淳司

  • 計算の科学と手引き(42.2時間)

二番目に苦労したのがこの科目でした。計算機科学のショーケースとでもいうべき科目。二進法や十六進法、コンピュータの仕組みにアルゴリズム、集合と確率、論理による計算までと、さまざまな考え方や概念が猛烈な勢いで登場し、初学者は翻弄されます。「妥当な推論」については未だに理解できていません。。。

 

全科目合計で217時間。前期が216時間だったのでほぼ同じくらい。平日に1時間。土日に2時間~3時間程度。現在のライフスタイルだとこれ以上の学習時間を確保するのはたぶん無理だと思います。

放送大学本来の学習期間は4月~7月なのですが、印刷教材を早めに入手することで、1月の時点で学習を開始しています。苦手だな、これは時間がかかりそうだな、と思った科目があったら、スタートを急いだほうがあとあと楽になります。

新試験体制での勉強法は?

今回から放送大学の単位認定試験は、制限時間が課せられるようになりました。ここで大切になってくるのは、必要な情報に瞬時にアクセスできる仕組みづくりです。

せっかくの持ち込みオッケー体制なので、すべての学習内容を暗記する必要はありません(って、まあ普通無理だと思う)。試験で問われた設問に対して、ああ、これは放送教材のあそこに載ってたな、ノートであの部分に書いたな。なんてことが、すぐに検索出来ればよいのです。

わたしはノート作成についてはGoogleドキュメントで完全にデジタル化しています。詳しくは以前に書いたこちらの記事を参照。パソコン等で作成したノートも、持ち込み可とされています。デジタル化されたノートの最大の利点は、検索が容易であること。即座に目的の項目が探せるので、試験の際には重宝しました。放送教材巻末にある「索引」と併用すると、なお良いのではないかと思います。

基本的な勉強スタイルは、こんな感じ。

  • 印刷教材を読んで、重要だと思ったところにラインを引く
  • 印刷教材をノート(Googleドキュメント)にまとめる
  • 放送授業を観る(聴く)。印刷教材になかった部分があればノートに追記する(色分けしておくと見返すときに便利)。
  • 過去問、通信指導問題をひたすら解く

過去問はホントに大事。だいたいの科目で試験内容はパターン化されているので、過去問を繰り返し解くのは効きます。過去問は、過去二回分まで公開されています。可能であれば、関心のある科目については、あらかじめ過去問を保存しておいて三回分以上確保しておくとより安心です。過去三回目より前の設問は、ぶっちゃけそのまま同じ内容が試験に出ることすらあります。

新試験体制の注意点

時間制限制になった、あたらしい試験体制について、いくつか気づいた点を書いておきたいと思います。

  • 時間に余裕のある時に受験しよう

試験は決められた期間内であればいつでも開始できますが、一度スタートしたらもうやめられません。中断機能などはないので、お客が来ようが、電話があろうが、家族にトラブルがあろうが、最後まで続けるしかありません。試験時間の50分が、確実に確保できるタイミングでの受験をお勧めします。

Twitterを見ていると、試験のためにホテルに籠ったりされている方もおられたくらいです。

  • 残り時間表示は常時出ている

残り時間が分からなくなったらどうしよう!と思って、あらかじめストップウォッチを用意していたのですが、いざやってみると、試験画面には常に残り時間が表示されているので、その点は無用の心配でした。

  • 試験日程開始直後はアクセスが殺到する

放送大学には数万人の学生が在籍しています。これが一斉に試験を受けると、さすがに大学側のサーバも動作が重くなります。試験開始直後には、反応が鈍くなったり、処理がなかなか返ってこなかったりと予期せぬ事態が多数発生したようです。予期せぬ不具合が出た場合は、その後システムが改修される場合もあります。試験開始初日、直後の受験は避けた方がいいかもです。

試験結果はこんな感じ

ちなみに試験結果は以下の通り。なんとか全科目で単位が取れてました。「計算の科学と手引き」は最後まで理解が及ばなかった。これでまだ導入科目、、情報コースでやっていけるだろうか不安になりました。

2022年度二学期は以下の科目を履修予定です。

  • 統計学
  • 情報社会のユニバーサルデザイン
  • 社会学概論
  • 人間にとって貧困とは何か
  • 映像コンテンツの制作技術
  • 入門線型代数

お休みしていた数学科目の学習を再開。「入門線型代数」が鬼門になりそう。統計系は専門科目の「統計学」で更なるステップアップを目指します。年明けに統計検定2級を受けるのが目標。「人間にとって貧困とは何か」はTwitterの放送大学生界隈で話題になっていたので履修確定。「社会学概論」とセットで、社会学についての知見を深めたいと思います。

放送大学関連の記事はこちらから

 

『統計検定3級』ギリギリ67点で合格!公式問題集の罠、改訂ポイント、試験時の注意事項

二か月も経過してしまったが、2022年の三月に「統計検定3級」の試験を受けてきたので、本日はその取り組みについてご報告したい。

統計検定3級合格証

統計検定3級合格証

統計検定って何?統計検定3級の合格率は?

「統計検定」は日本統計学学会が主催する全国統一試験だ。概要はこんな感じ。

「統計検定」は、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験です。
データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する能力は、仕事や研究をするための21世紀型スキルとして国際社会で広く認められています。日本統計学会は、国際通用性のある統計活用能力の体系的な評価システムとして統計検定を開発し、様々な水準と内容で統計活用力を認定しています。

統計検定とは|統計検定より

今回わたしが受験したのは「統計検定」の3級である。ぶっちゃけ簡単に言うと、高校卒業レベルの統計学と思っていただいて問題ない。合格率が75.6%もあり、難易度的にも低め。気軽にトライできる試験と思っていただいてよいかと思う。

受験データ 2021年6月20日試験|統計検定より (2021年6月20日試験受験データ )

こんな人におススメ

  • データサイエンスの基礎の基礎を学びたい方
  • 統計学の基礎(高校レベル)を身につけたい方
  • 大学レベル(検定2級)の統計学を学ぶ前に地固めをしたい方
  • 放送大学の「身近な統計」の知識をしっかり定着させたい方

データサイエンスの分野に注目が集まるようになって久しい。データサイエンスの中でも統計は必須の学問だ。ただ、「統計」科目を高校や大学で学ばなかった方も多いだろう。データサイエンスの世界では、最低でも「統計検定2級(大学一般教養レベル)」のスキルが必要となるが、いきなりこのレベルに挑むのはちょっと……という方には「統計3級」の受験をお勧めしたい。

また放送大学の「身近な統計」を履修された方であれば、学習内容がほぼ被っているので、知識の定着を図る意味で「統計3級」の受験は最適なのではないかと考えている。

参考書は公式テキストと公式問題集を買えば十分

「統計3級」を受験するにあたって必要な参考書は二冊ある。

まずは「改訂版 日本統計学会公式認定 統計検定3級対応 データの分析」を手に入れよう。「3級」の文字が小さく書いてあってわかりにくいのだが、こちらが「統計3級」の教科書である。

ちなみに「改訂版」を購入すること。書店に並んでいるものはほぼほぼ「改訂版」だが、メルカリなどで中古で手に入れる際には注意しておきたい。試験範囲が違うので、必ず「改訂版」をゲットしよう。

そして公式問題集も必須である。4級とセットになった「日本統計学会公式認定 統計検定 3級・4級 公式問題集[2018〜2021年]」を手に入れよう。

過去の版もあるが必ず[2018〜2021年]版を購入すること。出題範囲が変わってくるので気をつけたい部分である。

「統計検定3級」合格までの学習時間は約57時間

わたしは、頭の出来がいまいち(加えてオッサンなので)、受験の二か月前から準備を始めて、総計57時間を準備に費やした。

検索してみた限り、20時間程度で合格している方もおられれば、50時間かけている方もいて、各人それぞれといった感じ。基礎力のある方であれば、実際20時間あれば十分なのかもしれない。

学習時間グラフ

学習時間グラフ

「統計検定3級」の合格基準は

「統計検定3級」は100点満点の試験で65点以上取れば合格となる。2020年に基準が変更されているのでその点は注意しておきたい。

100点満点で、65点以上
(2020年4月より上記に変更)

統計検定CBT方式 3級|統計検定(CBT方式試験)より

かなり基準は緩め。35%正解できなくても合格できると考えると気が楽になるのではないだろうか?

「統計検定3級」の勉強法と公式問題集の落とし穴

わたしの場合、公式テキストを1周、加えて公式問題集を3周繰り返し解いた。公式テキスト内にも問題があるので、こちらも複数回解いておくと良いかと思う。

ここで気を付けていただきたいのが公式問題集の罠である。

恥を忍んで公開するのがわたしの試験結果である。

ギリギリ合格の試験結果(恥ずかしい)

ギリギリ合格の試験結果(恥ずかしい)

67点でギリギリ合格!これはかなーり恥ずかしい。57時間も勉強してこの程度かよ!とツッコまれる方もおられるかと思うが、まったくその通りである。

だが、ここで言い訳をさせて欲しい。「統計検定3級」の受験内容は2020年に改訂されているのだ。

2020年からの「統計検定3級」では以下の科目が追加されている。

  • 相関と回帰
  • 確率分布
  • 統計的な推測

多少なりとも統計を学ばれた方であれば、これらのジャンルが追加されているのといないのとで、どれだけ出題傾向が違うかは想像がつくのではないだろうか?

で、公式問題集の話に戻るのだが、最新の公式問題集[2018〜2021年]では、上記の追加科目の範囲は「2021年」の問題にしか反映されていないのだ。2020年以降に出題範囲が改訂されているので、仕方ないと言えば仕方ないのだが、公式問題集だけやっていると、「相関と回帰」「確率分布」「統計的な推測」ジャンルの問題経験値だけが圧倒的に足りなくなるのである。

あらためて、わたしの試験結果を見ていただきたい。三番目の項目だけ正答率22%と惨敗していることがわかるはずだ。

出題者側もこの点の不備は理解しているようで、新出題範囲例題集の問題が無料で公開されている。

統計検定3級 新出題範囲例題集(問題および略解)[PDF]

ただこれは公式テキストにも載っている問題で、なおかつ1パターンしか存在しないので、量をこなしたい方にも物足りなく感じるかもしれない。この点はネットなどを漁って類問を探すしかないかも。新出題範囲を完全に網羅した公式問題集の発売を待ちたい。

「統計検定3級」の受験はCBT方式

「統計検定3級」は、現在ではCBT方式のみとなっている。

CBTはComputer Based Testingの略で、紙に印刷された問題を解くのではなく、コンピュータを使って、ディスプレイに表示された試験問題を解いていく方式である。

出題形式、問題数、試験時間はこんな感じ。

出題形式    4~5肢選択問題
問題数    30問程度
試験時間    60分

統計検定3級|統計検定より

受験前の勉強では紙の問題集を解いているので、CBT方式では戸惑うことも多いと思う。わたし的には紙がないので、問題用紙に書き込みをしていくことが出来ないのが地味にしんどかった。

「統計検定3級」試験で気をつけたい7点

以下は、わたしが実際に「統計検定3級」を会場でCBT受験して感じた点を箇条書きでまとめたものである。

  • Odyssey IDをお忘れなく

「統計検定3級」のCBT受験にあたっては、あらかじめ開催団体が発行している「Odyssey ID」を取得しておく必要がある。最初に登録した「Odyssey ID」を入力しないと試験が始められないので要注意である。

発行したIDとパスワードは紙に書くなり、スマホに入れておくなりして、当日はかならず持参しよう。これがないと、いきなり詰む。

こちらが「Odyssey ID」の新規発行画面。

これ、似たようなサービスが他にあるので間違えないように。

ちなみに、一度登録した「Odyssey ID」はその後ずっと使えるので、受験の度に新たに作りなおす必要はない。

  • ディスプレイの角度、マウスの位置を調整しよう

使い慣れないパソコンを操作するのは、けっこうなストレスになる。まずは落ち着いてディスプレイや、椅子の位置を調整。マウスのポジションなどを確認しよう

  • 筆記用具は会場支給

計算時に使う筆記用具は会場で支給されたものを使う。これも使い慣れた筆記具を使えないので、ストレスになる部分だ。仕方ないのでこれは慣れるしかない。

  • 計算用紙は会場で支給される

出題はパソコンのディスプレイ上に表示されるが、計算用紙は会場で別途支給される。その点は安心していただきたい。ただ計算用紙を持ち帰ることは不可なので、その点は留意しておきたい。

  • 電卓は使い慣れたものを持ち込もう

「統計検定3級」の試験には電卓は必須だ。絶対に忘れないようにしたい。なお、持ち込める電卓については以下の条件がある。

<持ち込み可能な電卓>
四則演算(+-×÷)や百分率(%)、平方根(√)の計算ができる普通電卓(一般電卓)又は事務用電卓

<持ち込み不可の電卓>
上記の電卓を超える計算機能を持つ金融電卓や関数電卓、プログラム電卓、グラフ電卓、電卓機能を持つ携帯端末

※試験会場に持ち込める電卓は1台までとなります。
※試験会場では電卓の貸し出しは行っておりません。
※試験前に電卓の確認を行うことがあります。

統計検定CBT方式 3級|統計検定(CBT方式試験)より

スマートフォンを電卓として利用したり、関数電卓などの高機能電卓の持ち込みは不可なので注意。

  • 解けない問題は飛ばして先へ

「統計検定3級」は60分で約30問を解く。したがって1問あたりに使える時間は2分しかない。よって、不得意な問題で考え込む時間は無いと思った方がいい。わからない問題、時間のかかりそうな問題はどんどん飛ばして先に行こう。解ける問題で確実に点を稼ぐことが合格の必須条件だ。

もちろん飛ばした問題は後から解くこともできるので、解ける問題をクリアした後に対応しよう。

  • 周囲の騒音が気になることも

「統計検定」のCBT試験は、専門学校や、パソコンスクールなどで開催されることが多い。街中にある会場なので、状況によっては周囲の環境音がガンガン入ってくる。わたしの場合は、会場のそばに消防署があったので、何度も救急車や消防車のサイレンが耳に入ってきて、けっこうな負荷となった。対策のしようがない問題だが、あらかじめ覚悟はしておこう。

 

その他、詳しい受験概要は公式サイトの情報を参照いただきたい。

次は「統計検定2級」を受ける!

ということで、次は大学一般教養レベルとされている「統計検定2級」を受験予定。受験時期は、来年3月くらいを想定している。

現在は放送大学で「社会統計学入門」を履修中。二学期には「統計学」を履修する予定。これで多少は「統計検定2級」の足掛かりになるかな。「統計検定3級」は67点と散々な結果だったので、次回はもう少しマシな得点で合格したい。

統計関連の記事はこちらもおススメ

 

『文系のためのめっちゃやさしい確率』倉田博史 確率がよくわからない文系人間のあなたに!

確率がわからない方へ

私事で恐縮だが、わたしは私立文系人間(しかも文学部だ)で、高校時代に数学は「数II」までしか履修していない。よって、確率がよくわからない。最近、統計の勉強を始めているのだが、確率についての根本的な理解が足りない故に、あれこれ支障が生じるようになってきていた。

なにか、良い書籍はないものかと物色していたところ、こちらの書籍に行き当たったのでご紹介したい。

東大の先生がやさしく確率を教えてくれる

『文系のためのめっちゃやさしい確率』は2021年刊行。

監修者の倉田博史(くらたひろし)は、1967年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科、教養学部の教授職にある人物。専門は統計学。

東京大学の先生伝授 文系のためのめっちゃやさしい 確率

「文系のためのめっちゃやさしい」シリーズはニュートンプレス社から刊行されている人気シリーズで、これまでに既刊17冊を誇る。

理系ジャンルへの強い興味を持ちながらも、基礎的な知識がないための挫折してしまいがちな、文系人間への福音の書となっている。

この本で得られること

  • 確率についての基本中の基本事項が学べる
  • 確率の基本的な計算方法がわかる

内容はこんな感じ

私たちの日々の生活は選択の連続である。しかし意思決定には常にリスクがつきもの。リスクに対して備えるには、その蓋然性の程度を「確率」という数値によって客観的に評価するべきである。「確率」とは何なのか?東京大学の先生が教えてくれる「数学が苦手な、文系人間向けに書かれた「めっちゃやさしい」解説本。

目次

本書の構成は以下の通り

  • はじめに
  • 1時間目 確率って何?(身近にあるいろんな確率)
  • 2時間目 確率の計算の基本をマスターしよう!
  • 3時間目 もっとむずかしい確率を考えよう!

本書は、監修の倉田先生と、生徒役の文系サラリーマン男性の会話形式で進行していく。イラストや、図解でわかりやすく解説してくれているので、初学者としてはとてもありがたい。

じゃんけんはパーが勝つ確率が一番高い

1時間目の「確率って何?」は導入編ということで、身近にあるさまざまな確率を紹介する。

  • 雷に打たれる確率は851万3500分の1
  • 火事にあう確率は1426分の1
  • 20代の死亡率は0.059%

などなど、興味をひきやすい「へー」と思えるような、確率に関する小ネタが多数紹介されており面白い。

特に気になったのは、じゃんけんの確率の話。単純に考えると1/3なのではと思える、グー、チョキ、パーによるじゃんけんの勝率だが、実際に実験してみたところ以下の結果になったのだとか。

  • パーが勝つ確率(グーが出る確率):35%
  • チョキが勝つ確率(パーが出る確率):33%
  • グーが勝つ確率(チョキが出る確率):32%

グーの指の形がもっとも、つくりやすいってことがあるのかな。

確率の基本法則を学ぼう

2時間目の「確率の計算の基本をマスターしよう」からは、いよいよ確率についての数学的な部分に切り込んでいく。登場する定理は以下の通り。

  • 数学的確率(求める場合の数/おこりうるすべての場合の数)
  • 大数の法則(何度も繰り返すと理論的な確率に近づく)
  • 乗法定理(AとBがともに起こる確率=Aが起こる確率×Bが起こる確率)
  • 加法定理(AまたはBが起こる確率=Aが起こる確率+Bが起こる確率)
  • 余事象(Aが起こらない確率=1-Aが起こる確率)
  • 順列(n個からr個を選んで並べる順列)
  • 組み合わせ(n個からr個を選ぶときの場合の数)

いずれも確率において、基本中の基本とも言える概念なので、ここはしっかり理解しておきたいところ。図やイラストを駆使して、とにかくわかりやすく書いてくれているので、根気よく読めば理解できるのではないかと思う。

確率の世界の有名な問題に挑戦!

最終章の、3時間目「もっとむずかしい確率を考えよう!」は応用編である。これまでに学んだ理論を使って、確率の世界ではよく知られた有名な難問に挑戦していく。

ここでは次の概念が登場する。

  • 期待値(起こり得るすべての事象について、それぞれの事象が起こる確率と、その事象が起きたときに得られる値をかけ、足し合わせたもの)
  • 条件つき確率(Bが起こった条件のもとでAが起こる確率)

取り上げられる主な話題はこんな感じ。

  • 「20回に1回全額返金」は「5%還元」と同じ?
  • ジャンボ宝くじ、連番とバラのどちらを買うべき?
  • ポーカーのノーペアの確率は50%
  • 期待値無限大!サンクトペテルブルクのパラドックス
  • 互角の日本シリーズが最終戦までもつれる確率は、3割程度
  • ベストな結婚相手の選び方
  • 30人クラスに同じ誕生日の二人がいる確率は70%くらい
  • 迷惑メールの判別にも条件つき確率
  • 数多くの数学者を悩ませたモンティ・ホール問題

興味を引きそうな、有名な事例が多数紹介されているので、内容的にはちょっと難しいのだが、最後まで無理なく読み進められるようになっている。

ただ、「モンティ・ホール問題」は、お恥ずかしい話だがわたしの残念な文系脳では、理解が出来なかった。

実際に計算してみよう

以上、ざっくりとではあるが『文系のためのめっちゃやさしい確率』の内容をご紹介した。本書を読むにあたっては、実際に自分で計算して、手を動かして学ぶことを強くお勧めする。一部の理系的なセンスのある人間以外は、こうした数学的な知識は、実体験として取り組むことでしか身につけることはできない。

どうしてその回答が得られるのか。自分なりに悩んで、結論を導き出すことで、ゆっくりとではあるが確実に知識は血肉となってくるはずだ。

関連記事ではこちらもおススメ!


 

放送大学一年目二学期、単位認定試験を受けてきました

かなり時間が経過してしまったけど、結果報告をこっそりとしてみる。

放送大学、一年間続けられた!

2021年の4月から放送大学の選科履修生になって一年が経過。なんとか挫折せずに続けることが出来たので、その後の進展をご報告します(突然のですます調)。

今回は2021年度二学期の単位認定試験についての取り組み、勉強法、体験レポート、その結果について書きたいと思います。

放送大学は二期制となっていて、学期区分は以下の通り。

一学期(前期):4月~9月

二学期(後期):10月~3月

一学期の場合は7月に、二学期の場合は1月に試験があるので、実質的な学習期間は各4カ月程度となっています。

二学期(前期)にわたしが履修したのはこちらの7科目(12単位)。

  • 身近な統計
  • 日本語リテラシー
  • 初歩からの数学
  • 社会調査の基礎
  • 生活環境情報の表現-GIS入門 ※
  • 演習初歩からの数学 ※
  • 情報ネットワーク ※

一学期が4科目(7単位)だったので、少し背伸びをして履修科目を増やしてみました。これがあとあと悲惨な結果を招きます(伏線)。

テキストはこんな感じ。

一学期(前期)の受講科目

一学期(前期)の受講科目

七科目履修しているのにテキストが四冊しかないのは、残りの三科目がオンライン授業の科目だからです(※印部分)。放送大学のオンライン授業は、オンラインで授業がすべて完結する仕組みとなっていて、テキストなどはPDF形式で支給されるのです。

コロナ禍の単位認定試験は引き続きの特別体制

従来の放送大学の試験は、指定された日時に、あらかじめ登録している全国の学習センターに赴き、その場で一斉に試験を受けるスタイルでした。

しかし新型コロナウイルス蔓延のため、2021年度からは特例として自宅での試験が実施されました。

試験問題はWeb上で公開され、あらかじめ郵送されていたマークシートに回答を記入。所定の期日までに回答を郵送することで試験完了となります(この点あくまでもアナログ)。

この試験体制の重要ポイントは以下の二点。

  • 実質時間無制限
  • なんでも持ち込みオッケー

コロナ禍とはいえ、正直言って、これは相当な単位の大盤振る舞いだったと思います。放送大学史上空前のボーナスステージイヤーだったのではないかと思います。おかげで、試験そのものは、非常に気楽に受けることが出来ました。

放送大学、各科目ごとの勉強時間

それでは、各科目ごとの学習時間を公開。今回も学習時間の管理や、グラフ作図にはStudy Plus(スタディプラス)を使っています(一部Photoshopで修正しているけど)。

放送大学2021年2学期勉強時間

放送大学2021年2学期勉強時間

各科目ごとの勉強時間は以下の通り。

  • 身近な統計(45時間10分)
  • 日本語リテラシー(23時間25分)
  • 初歩からの数学(47時間5分)
  • 社会調査の基礎(22時間10分)
  • 生活環境情報の表現-GIS入門(19時間10分)
  • 演習初歩からの数学(28時間30分)
  • 情報ネットワーク(30時間20分)

合計で216時間程度。一学期が128時間だったので大幅にアップとなりました。

ド文系の人間なのに、無理して履修した「初歩からの数学(演習含む)」と「身近な統計」がとにかくわからない……。他の科目の倍は勉強したと思います。これは計算的な理解が必要な科目を同時に履修することのリスクを思い知りました。

「初歩からの数学」は用心のために早めにテキストを入手して、学期の始まる二か月前から学習を開始したのですが、それでも最後はギリギリ状態でした。ホントに危なかった。

とにかく苦労させられた、放送大学の「初歩からの数学(演習含む)」「身近な統計」については紹介記事を既に書いているので、興味のある方はこちらも参照してみてください。

放送大学の勉強方法はGoogleドキュメントがおススメ!

放送大学の勉強ですが、基本的な学習パターンはこんな感じでした。

  1. テキストをざっと読む(大事っぽい個所にラインを引く)
  2. テキストをノート化する
  3. 放送授業を観る(聴く) ※早送りOK
  4. 過去問を解く

過去問は最初にやって、あらかじめ重要なポイント、試験に出そうな部分を把握しておくという方法もあります。ただ、これはその科目について、多少なりとも知見を持っている場合にのみ使える方法だと思います。まったく未知の科目の場合、過去問を見ても何が何だかさっぱりわからないと思うので、その場合は、地道にテキストからやっていくしかないです。

今回は試験が持ち込み自由だったので、暗記については全くケアしませんでした。必要な知識が、どこを見れば即座に参照できるか、その点に注力して学習を進めました。

一学期と変えた点としては、紙のノートを辞めた点ですね。紙のノートは自由度も高く、達成感もあるのですが、いかんせん時間がかかります。二学期は履修科目を増やしたので、紙のノートではキツイと思っていました。

そこで、今回導入したのはGoogleドキュメントです。Googleドキュメントはオンラインでドキュメントを作成できるサービスでもちろん無料。パソコンでもスマホでも使えて、同期も瞬間で行われるので、家でも外でもいつでも利用できるのが助かりました。

手動でファイルを保存する必要がなく、常に最新の状態が自動保存されるのもいい感じ。ノートをデジタル化することで、検索性が高まるのも大きな優位点で、これは試験の時にとても役立ちました。

Googleドキュメントでの学習については、いろいろテクニックが溜まってきたので、別途エントリを作って説明するかも。

気になる試験結果は?

ちなみに試験結果は……

無事に全科目単位取れてました!苦手だった数学と統計でⒶ取れたのは嬉しい~。

ってまあ、自宅受験、時間無制限、持ち込みし放題の試験だからこそ、ではあったと思いますが……。もうこんなチャンスは無いだろうなあ。

ちなみに、2022年度の試験は自宅受験が継続。引き続き持ち込みは可能ながらも、さすがに時間無制限はナシ(制限時間50分)となる見込み。次からは厳しくなりそうです。

放送大学関連の記事はこちらから

『マンガでわかる統計学』大上丈彦 統計の本質が直感的にわかる初学者向けガイド本

統計学に関する初学者の疑問をやさしく解説!

昨今のデータサイエンスブームにあてられたわけではないのだが、統計の勉強を始めて半年が経過した。もともと文系人間であったことに加えて、高齢化に伴い理解力が低下しているわたしは、統計の学びに苦しみ、サブテキストとして手を出したのこちら。

2012年に刊行された書籍。わたしが購入したのは2020年のもので、第20刷。けっこう売れている。Amazonには「【18刷り、7万部突破のベストセラー! 】」とあり、この分野では定番の一冊となっているようだ。みんな統計の学習で悩んでいるのだと、ちょっとだけ安心した。

マンガでわかる統計学 素朴な疑問からゆる~く解説 (サイエンス・アイ新書)

筆者の大上丈彦(おおがみたけひこ)は、教育集団メダカカレッジを主宰する人物。プログラマ、ディレクタ、予備校講師等を経て現職に。本書以外にも『マンガでわかる微分積分』『ワナにはまらないベクトル行列』『眠れなくなるほど面白い微分積分』など、初学者向けの数学参考書を何冊か上梓している。

この書籍から得られること

  • 統計学の「どうして?」が直感的にわかる
  • 分散、標準偏差、正規分布、推測統計、仮説検定の基本がわかる

内容はこんな感じ

分散とは何なのか?正規分布、二項分布、ポアソン分布って何?推測統計って?どうしてそうなるのかわからない。数式を覚えるのが面倒。用語の意味がわからない。統計を学び始めた人間が陥る悩みを、わかりやすい説明と、マンガでゆる~く解説。ポイントを本質的な部分に限定し、確実な理解へと導く。初学者の「つまづきの石をひろう」一冊。

目次

本書の構成は以下の通り。

  • はじめに
  • 第1章 平均・分散・標準偏差
  • 第2章 正規分布
  • 第3章 いろいろな分布
  • 第4章 推測統計
  • 第5章 仮説検定
  • おわりに

取り扱っている範囲は、目次からもわかる通り、「平均・分散・標準偏差」「正規分布」「推測統計」「仮説検定」となる。三章の「いろいろな分布」は、「二項分布」を中心とした内容。ちょっとだけ「ポアソン分布」についても触れている。

全部が全部マンガではないので注意

本書は「マンガでわかる」とあるが、全編がマンガにはなっていない。

本書は概ね、ページの左半分が解説、右半分がマンガとなっている。解説文で書かれている内容を、マンガパートで理解を深めるスタイルだ。文字を読むのが辛い!全部マンガで読みたい!という方には向かないので、その点は注意が必要。

統計の本質が「直感的」にわかる

『マンガでわかる統計学』の最大の特徴は「統計の本質が直感的にわかる」点にある。統計学の初学者はどうしても、数式や、見慣れない記号、文字だけの説明に圧倒されがちで、なかなか本質的な部分を理解できないことが多い。その点、本書ではマンガを多用した、ビジュアルで直感的に理解させる書き方をしてくれているので、とても分かりやすい。

例えば、統計学の基本中の基本「分散」については、数式で書くと以下となる。

 

分散を式で書くとこう

分散を式で書くとこう

既にこの時点でダメだと思う方も多いだろう(わたしも最初はそうだった)。

これを本書では正方形の面積に例えて説明してくれる。各データについて、一辺の長さが「平均からの距離」であるような正方形を割り当て、これら正方形の面積の平均が「分散」であると説明する(カラフルな長方形がビジュアルで描かれわかりやすい!)。この場合一辺の長さが「標準偏差」に相当する。

文字で書いてしまうと意味不明かもしれないが、絵で解説されると、ストンと頭に入ってくるから不思議。本書では「分散」の考え方だけでも三つの事例を示しており、すべてを理解する必要はない。「どれかでわかればよい」としていて、複数の考え方に接することの大切さを教えてくれるのだ。

二冊目、サブテキストの重要性

冒頭の「はじめに」で筆者はこう書いている。

本来数学は「1冊だけにすべてを頼る」のが危険な学問です。(中略)2方向からの図面で立体が立ち上がるように、複数の説明から「脳内で数学が立体的に」構築されます。ですから、本書とともに、他の本も使ってください。教科書のおともにぜひどうぞ。

『マンガでわかる統計学』p5はじめにより

ひとつの事象を理解するために、複数の説明を聞くことで、より学びが立体的になっていく。本書は本書でもちろん、優れたガイドブックではあるのだが、ベースとなる教科書的な一冊は別途、持っていた方が良いかと思われる。

『マンガでわかる統計学』は第一章の「分散」や、第二章の「正規分布」など、項目別に分かれて書かれているので、メインのテキストにつまづいたら、関連するところだけ拾い読みする。そんなスタイルでも良いかと思う。わたし自身は、本書をそのように使ってきた。

放送大学の『身近な統計』もおすすめ!

ちなみに、わたしが統計学入門用に、教科書として使っているのが放送大学の『身近な統計』。4,180円(税込み)と、少々値段はお高いが、DVD(エクセルの事例が入っている)もついているので、それだけの価値はある。

放送大学の『身近な統計』を半年間学んでみた結果レポートはこちら。

放送大学の『身近な統計』で統計学の初歩を学ぶ

統計のド素人が統計学を学んでみた

コロナ禍で、自宅での時間が増えたこともあり、2021年は放送大学の選科履修生として一年間を過ごしてみた。放送大学の授業については、『初歩からの数学』について、先日ご紹介させていただいた。引き続いて、本日は放送大学における統計学のエントリー科目『身近な統計』をご紹介したい。

放送大学には「身近な~」とか「初歩からの~」といった、初学者向け(に見える)の講座がいくつかある。これがけっこうなクセもので、序盤では簡単に思わせておいて、中盤以降急激にレベルが上がり、脱落者続出なんてことになる。

『身近な統計』もそのクセもの科目の一つであることは間違いない。統計は数学的知識が相応に必要な科目だ。数学を高校二年までしか学んでいないわたしにとって、統計は未知の分野だった。全くの未経験からのスタートだったので、正直非常にシンドイ科目だった。

幸いにも『初歩からの数学』を同時履修していたので、数学的な素養の無さをある程度補えたことはせめてもの救いだった。数学の知識、特に確率と、シグマ記号の扱いは、知っていることが当たり前のように進んでいくので、注意が必要だと思う。数学スキルが不安な方は、『初歩からの数学』を事前に履修するか、同時に履修しておくことを強くお勧めしたい。

印刷教材『身近な統計』

『身近な統計』のテキスト(教科書、放送大学用語では印刷教材)はこちら。市販されているものなので、大きな書店であれば取り扱いがあるはずだ。もちろんAmazonなどでの購入も可能。税込で4,180円と、放送大学の教材としてはややお高め。これは、DVDがセットでついてくるためだろう(DVDの内容は後述)。

身近な統計 (放送大学教材)

本講座の講師は石崎克也(いしざきかつや)と渡辺美智子(わたなべみちこ)の両名。石崎克也は放送大学の教授。渡辺美智子は慶応大学大学院健康マネジメント研究科の教授。授業の中では、前者が理論面を、後者が実践面を解説することが多い。

放送大学の良いところは動画による授業がテレビで公開されている点にある。2022年度一学期の放映日は以下の通り。BSが映ることが前提となるが、無料で誰でも見られるので、気になる方はチェックしてみていただきたい。

BS232ch:毎週火曜日12:00~12:45 ※初回放映は4/5

こちらが『身近な統計』の紹介動画。

Youtubeで誰でも見られる内容紹介番組はこちら。

詳しい授業概要(シラバス)はこちら。

この授業で得られること

  • 統計学の基本について学ぶことが出来る
  • 社会で統計がどのように活用されているか知ることが出来る

目次

『身近な統計』のテキスト構成は以下の通り

  1. 論より数字、勘より統計―私たちの身近で活躍する統計情報
  2. データのばらつきの記述(質的データ)―度数分布表とパレート図
  3. データのばらつきの記述(量的データ)―度数分布表とヒストグラム
  4. データのばらつきを数字でまとめる―平均値・中央値と箱ひげ図
  5. ばらつきの大きさを測る―シグマ(標準偏差)の活用
  6. 格差を測る―ローレンツ曲線とジニ係数
  7. 不確実な出来事を確率で考える―2項分布
  8. 不確実な出来事を確率で考える―正規分布
  9. 統計を作る一部分から全体を知る―標本調査
  10. 調査結果の誤差を知る―推定値と標本誤差
  11. 標本から仮説の真偽を判断する―統計的仮説検定の考え方
  12. データから関係を探る―クロス集計表の読み方
  13. 関係のパターンを読む―相関関係と傾向線
  14. 時系列データの分析―変化の記述と将来の予測
  15. 知識創造社会を支える統計―全体のまとめ

わたし的には4章まではなんとかついていけた。しかし、5章で計算の要素(標準偏差)が登場し、雲行きがあやしくなり、7章の2項分布で完全に行き詰った。ひたすら動画をリピート視聴して、テキストを読み込むことでなんとかクリアできたけど、一時は「これは無理かも」とあきらめかけたのはナイショ。

エクセルでの統計手法が学べる

『身近な統計』の特徴として、表計算ソフトのエクセルを使った統計手法が学べる点がある。各授業の終盤には、当該章で学んだ内容を、エクセルを使ってどう表現するかが示される。付属のDVDにはこの際に使うエクセルファイルが収録されている。

具体的なデータも収録されており(なぜか『身近な統計』は大谷翔平が大好きで彼の球種のデータが頻出する)。どのような数式を使って計算をするのか。どのような関数を使えばいいのかが実践的に学べるようになっている。LN関数(自然対数を返す)、SQRT関数(平方根を返す)、NORM.DIST関数(正規分布)、CORREL(相関係数を返す)など、恥ずかしながら知らないエクセル関数をいくつも学ぶことが出来た。これらは、現在では日常的に仕事でもよく使う関数となっている。

社会のどんな場所で統計が使われているのか

『身近な統計』のもう一つの特徴として、実際の社会現場で、統計がどのように用いられているのかを教えてくれる点が挙げられる。各回の後半に収録されている「統計と社会との接点」コーナーでは、官庁や企業での統計活用例を知ることが出来る。『身近な統計』が『身近な統計』である所以とも言えるコーナーだ。

各回の内容はこんな感じ。

  1. 「統計と柔道」筑波大学・全日本柔道連盟
  2. 「地域経済分析システム(RESAS)」内閣官房
  3. 「健康保険組合の取り組み」内田洋行
  4. 「国勢調査」総務省統計局
  5. 「JISマーク」日本規格協会
  6. 「品質管理」トヨタ自動車
  7. 「気象予報」気象庁
  8. 「保険」ニッセイ基礎研究所
  9. 「放送調査」NHK放送文化研究所
  10. 「世論調査」読売新聞
  11. 「臭気判定士」におい・かおり環境協会
  12. 「アナリティクス」SAS
  13. 「相関分析」韓国放送大学
  14. 「ビッグデータ」Yahoo!Japan
  15. なし

「統計と社会との接点」のコーナーに入ると、その回の授業はひとまずそこまでとなる。毎回ついていくのがやっとだったわたしとしては、「統計と社会との接点」は癒しの時間だった。

学習時間の目安、学習法

今回わたしが『身近な統計』に費やした学習時間は以下の通り。

  • 身近な統計 45.2時間

『初歩からの数学』が47.1時間だったので、ほぼ同程度の時間をかけたことになる。他の文系科目は20時間台だったので、およそ倍の時間がかかっている。

わたしが行った学習方法は以下の通り。

  1. 過去の試験問題に挑戦
  2. 判らないところを確認
  3. テキストを読む
  4. 放送授業を見る
  5. エクセルでのやり方を学ぶ
  6. わかるまで繰り返す

半年間統計を学んでみてわかったこととして、統計は実際に手を動かしてみないと身につかないという点にある。実践あるのみ。問題をひたすら解いて、どうしてその回答に至るのかをきちんと理解する。エクセルで数式を作っていて、どうすればその内容が図示できるのか考えてみる。初学者はひたすら場数を踏むのがとにかく重要だと思う。

過去の試験の平均点と試験対策

放送大学で『身近な統計』を履修すると、学期末に単位認定試験に臨むことになる。直近二回分の平均点はこちら。

  • 2021年度1学期(74.9点)
  • 2020年度2学期(71.4点)

2021年度の二学期、放送大学はコロナ体制下にあったので、通常とは異なり、自宅での制限時間なし、持ち込み自由と、きわめて優しい条件での試験が実施された。

しかし、これだけの緩い条件でこの平均点なので、比較的難易度は高めと言えるかも。

ちなみに、わたしは全24問中23問正解で95.8点。評価は〇Aを頂くことが出来た(かなり頑張った!)。

おわりに(統計学を学んでみよう)

データサイエンスという言葉がもてはやされて久しい。データサイエンスの分野の中で、統計学は重要な要素を占める。しかし文系人間にとって統計はとっつきにくく、興味はありながらも長年手を出せないで分野でもあった。ただ、それだけに、理解が進んでくると発見も多く。日々の仕事に生かせる部分が、非常に多い科目でもあった。

とはいえ、今回『身近な統計』は、統計学においての入門的な科目であり、まだまだその先は長い。統計について、放送大学では複数の科目を用意しているので、引き続き学習を続ける予定。

先日は『身近な統計』での学びを定着させる意味で、「統計検定」の3級を受験してみた。ぎりぎりではあるが合格することが出来た(65点以上が合格の試験で67点だったけど)。『身近な統計』と内容がかなり被るので、実践の場を増やす意味でも、取り組んでみるといいかもしれない。

「統計検定」3級の受験レポートはこちら。

放送大学関連の記事はこちら

放送大学の『初歩からの数学』で中学~高校の数学を四か月でおさらいする

私立文系人間が三十年ぶりに数学に再挑戦

2021年の4月から放送大学の選科履修生となり、三十年ぶりに大学生となったわたくし。二学期では、放送大学での数学のエントリー科目『初歩からの数学』を履修してみた。久しぶりの数学挑戦で、実際ものすごく大変だったのだが、それでも数学の勉強はとても楽しかった。本日はこの『初歩からの数学』の魅力についてご紹介したい。

ちなみにわたしの数学スペックだが、高校で数学を習ったのは二年生まで。いわゆるセンター試験レベルの数学しか学んでいない(数IIIの微分積分をやっていない)。大学受験では、もちろん数学は使わなかった。また、大学では文学部だったので数学とは無縁の学生生活だった。

ただ、最近統計や、情報系の勉強を始めたこともあり、どうしても数学の壁にチョイチョイぶつかることが多くなった。Σ記号とか∫記号が出てくると、見た瞬間に脳が拒否反応を示してしまうので、これはさすがにヤバい。せめて最低限の数学知識は取り戻しておきたいと思い履修を決めたのであった。

印刷教材『初歩からの数学』

放送大学のテキスト(教科書、放送大学では印刷教材と呼ぶ)は、普通に書店で販売されているので、学生でなくても誰でも購入することが可能。

初歩からの数学 (放送大学教材)

本講座の主任講師は隈部正博(くまべまさひろ)は1962年生まれの数学学者。放送大学の教授であり、副学長でもある。

テキストだけでも十分学べる構成となっているが、初学者や、自信のない方はテレビの授業とセットで学ぶことを断然おススメする。動画とセットで見るとわかりやすさが段違いなのだ。

放送授業はBS231chもしくはBS232chで配信される。これは放送大学の学生でなくても、誰でも無料で見られるので本当におススメ。直近の配信予定はこちら。

BS232ch:毎週月曜日12:00~12:45 ※初回放映は4/4

ちなみに、こちらが放送大学公式のテレビ科目紹介動画。

詳しい授業概要(シラバス)はこちら。

この本で得られること

  • 中学高校レベルの数学を最初からやり直せる
  • 数学が苦手な文系人間でも数学の基礎を学べる

目次

『初歩からの数学』のテキスト構成は以下の通り

  1. 数の概念
  2. 式と計算
  3. 有理数
  4. 実数
  5. 方程式と不等式
  6. 図形の性質
  7. 関係と関数
  8. 関数の性質
  9. 様々な関数
  10. 三角関数
  11. 場合の数
  12. 数列
  13. 極限
  14. 微分
  15. 積分

序盤戦は中学校の数学のおさらい。整数とは?指数とは?みたいなところから、演算のルールや、不等式の性質と言った数学の「基本のキ」から始めてくれるので、数学から遠ざかっていた人間でもなんとかついていける。

わたしの場合、第7回の「関係と関数」あたりから、ついていくのが難しくなり、俄然、学習に時間がかかるようになった。

中学から高校までの数学の内容を、わずか四か月で駆け抜けるカリキュラムとなっているので、学びの範囲はかなり広い。次々に新しい概念が登場するので、ワクワクする反面、しんどさもそれなりにある。

難易度別に学習項目が分かれている

『初歩からの数学』の特徴は、難易度別に学習項目が細分化されている点にある。

以下、目次の一部を引用させていただいた。各項目のあとの(A)~(C)の記号に注目していただきたい。

  • 4.1実数とは(A)
  • 4.2無理数の証明(B)
  • 4.3有理数の稠密性(C)
  • 4.4n乗根(A)
  • 4.5n乗根の大小(C)
  • 4.6指数法則その3(A)
  • 4.7補足(C)
  • 4.8対数(A)

(A)~(C)の記号はそれぞれの項目の難易度を示している。

  • A:初歩的な部分。絶対に理解しておきたい部分。
  • B:やや難しい部分。熟読してなんとかここまでは理解したい。
  • C:難度の高い証明や、より高次の概念が登場する。

ぶっちゃけ、わたしの場合は(C)パートはほとんど理解できなかった。実際、授業でも言及されないし、試験にも出ない。(C)は中級者以上向けなので、初学者は最低限(A)パートだけでも理解できるよう頑張りたい。

『演習初歩からの数学』とセットで学習効果を高める

放送大学では、演習系の科目『演習初歩からの数学』が用意されている。演習系の科目ではひたすらに問題を解いていくことで、メインの授業で学んだ内容を「体で覚える」ことになる。

『演習初歩からの数学』で登場する問題は、初歩の初歩とも言える、基礎的な設問が繰り返し登場する。そのため各単元の基本的な考え方が、嫌でも身につく構成となっている(逆に言うと、難しい設問はないので、中級者以上は物足りないと感じるだろう)。

『演習初歩からの数学』の構成は以下の通り。メイン授業の『初歩からの数学』とシンクロした内容となっている。

  1. 数の概念と式の計算
  2. 有理数と実数
  3. 指数、対数、複素数
  4. 方程式の解法と図形の性質
  5. 関係と関数
  6. 様々な関数
  7. 場合の数と数列
  8. 微分と積分

ちなみに、こちらが放送大学公式の科目紹介動画。

詳しい授業概要(シラバス)はこちら。

※『演習初歩からの数学』はテレビ授業ではなく、ネット上で講義を受け、問題を解くスタイルとなっていて、放送大学の学生で、なおかつ本授業を履修しないと学べないの注意。

学習時間の目安、学習法

今回わたしが挑戦した、『初歩からの数学』及び、『演習初歩からの数学』の学習時間は以下の通り。大学生以降全く数学と無縁の人生を送ってきた人間なので、それなりの時間を費やすことになってしまった。

  • 初歩からの数学:47.1時間
  • 演習初歩からの数学:28.5時間

なお、わたしが行った学習方法は以下の通り。

  1. 過去の試験問題に挑戦
  2. 判らないところを確認
  3. テキストを読む
  4. 放送授業を見る
  5. 『演習初歩からの数学』で学びを定着させる

最初は余裕余裕!と思っていた『初歩からの数学』だが、次第にその獰猛さをむき出しにしてくる。わたしの場合、途中から全く理解不可能状態に陥ったのだが、そんな場合でも、繰り返し授業動画を見る(テキストではない)ことで、なんとなく理解できるようになった。

数学的な科目の「わかった」瞬間の感覚は文系科目にはない、独特のカタルシスがあって得難い魅力がある。わたしには理系的な素養は全くない(高校レベルの物理で零点を取ったことがある)のだが、『初歩からの数学』での学びはとても楽しい時間となった。

試験問題はパターン化されている

放送大学で『初歩からの数学』を履修した場合、学期の最後に単位認定試験が行われる。過去三回分の平均点は以下の通り。

  • 2021年度2学期(80.2点)
  • 2021年度1学期(82点)
  • 2020年度2学期(75.7点)

放送大学は、現在コロナ禍のため特別な試験体制を取っている。本科目については、自宅での受験(持ち込み可)、時間制限なしの、大盤振る舞い体制だったので、非常にラッキーだったと思う。(※2021年の1学期から、単位認定試験の方式が変更となる。自宅受験(持ち込み可)はそのままだが、1科目50分の制限時間が課される。詳細はこちらを参照。)

『初歩からの数学』の単位認定試験では、難しい問題は出題されない。落とすための試験でなく、学ばせて覚えさせるための試験なのだと思う。学習項目で言えば(A)パートからの出題となる。なおかつ、出題内容が完全にパターン化されているので、過去問をしっかりやっておけば、ほぼほぼなんとかなる。

※追記

ちなみにⒶ取れました!

初歩からの数学成績

初歩からの数学成績
 

『演習初歩からの数学』ではレポート提出が必須

ちなみに『演習初歩からの数学』では、単位認定試験はない代わりに、単元ごとの小テストと、期末のレポート提出が必須となっている。小テストは何回でも挑戦でき、なおかつ、何回か受験した中での最高得点が評価対象となるので(優しい!)、頑張れば誰でも満点が取れる。

ただ、レポート提出は、ちょっとだけ歯ごたえのある設問が出題されるけど、テキストをしっかり読み込めばヒントがあるのでなんとかなると思う。

ここで思わぬ苦戦を強いられたのが、数式エディタの使い方だったりする。

恥ずかしながら、ワードに数式を入力するためのモードがあることを初めて知った!

ワードで、数式エディタを呼び出すショートカットキー。

ALT+Shift+=(ALTとShiftと=キーの3つ同時押し)

ただワードの数式エディタにも難点がある。組み合わせ記号(C)を取り扱っていないのだ。特にΣ記号とセットになった時に難がある。

悩んだ結果、わたしは以下の方法で強引に乗り切った。

  • ∑+下付き文字+下付き文字で配置する

Σ記号と組み合わせ記号の表示について1

Σ記号と組み合わせ記号の表示について1
  • 左の二つの枠には半角スペース
    (その分幅が詰まる)
  • 右の三つの枠にnCr 

Σ記号と組み合わせ記号の表示について2

Σ記号と組み合わせ記号の表示について2

なお、『演習初歩からの数学』のレポート提出は、手書き提出もオッケーなので、その点はご安心いただきたい。

放送大学関連の記事はこちら

放送大学一年目一学期、単位認定試験を受けてきました

本日は個人的なご報告。

放送大学、なんとか半年続けられた!

四月のエントリで、放送大学の選科履修生になったことを書きました(ですます調)。あれから五か月が経過し、一年目の一学期を無事終えることが出来たので、勉強法と、単位認定試験の体験レポート、そしてその結果について報告したいと思います。

一学期(前期)にわたしが受講したのはこちらの四科目。

  • 情報学のとびら
  • 情報・メディアと法
  • 日本語アカデミックライティング
  • 小学校プログラミング教育概論

テキストはこんな感じ。

一学期(前期)の受講科目

一学期(前期)の受講科目

わたしは、放送大学では、本業(IT系)の学びなおし、関連した新知識の取得を目標としているので、受講科目は情報系のものが多いです。「小学校プログラミング教育概論」のみテキストがありませんが、これはこの科目がオンライン専用の科目で、全てがオンラインで完結する科目となっているためです(テキスト相当のものはPDFファイルでWebにて提供される)。

放送大学、コロナ禍の単位認定試験は特別仕様

放送大学は通信制の大学なので、自宅で放送(テレビ・ラジオ)、もしくはオンラインの授業を受け学習を行います。でも、単位認定試験については、登録している、各都道府県の学習センターに赴いてリアルタイムで試験を受ける必要がありました。

ところが現在は新型コロナウイルスが蔓延中。ということで、2020年度の二学期から、特別措置として「自宅受験」が取り入れられています。

自宅受験の流れはこんな感じ。

  1. 6月末:解答用紙・返送用封筒・受験方法詳細の案内を大学から発送
  2. 6月末:受験票を大学から発送
  3. 7/13~20:単位認定試験実施期間(試験問題を大学ホームページに掲載、答案を受付)
  4. 8/下旬:成績通知発送(予定)

ポイントは以下の二点。

  • 一週間かけてじっくりと問題に取り組める
  • 印刷教材(教科書)やノート、何を見ながら解いても良い

凄くないですか?ぶっちゃけて書くと、自宅受験だった今期は、千載一遇のボーナスステージだったのです。こんなことならもっと多くの科目を履修しておけば良かったなあと、ちょっと後悔していたりもして。

放送大学、各科目ごとの勉強時間

続いて、各科目ごとの勉強時間をまとめてみました。グラフ作図は学習サポートアプリとして有名なStudy Plus(スタディプラス)を使っています。このアプリ、各科目ごとの勉強時間が可視化できて超便利!おススメです。

まとめてみるとこんな感じ。四月はスタートダッシュでやる気があったのに、徐々に勉強時間が減っていくという……。

放送大学2021年1学期勉強時間

放送大学2021年1学期勉強時間

各科目ごとの勉強時間は以下の通り。トータルでは128時間10分といった結果でした。

  • 情報学のとびら(44時間40分)
  • 情報・メディアと法(41時間40分)
  • 日本語アカデミックライティング(32時間30分)
  • 小学校プログラミング教育概論(9時間20分)

時間配分としては、授業(動画や配信)を見ている時間が1/3程度。予習&ノート作成に1/3、復習、試験対策が1/3程度です。なお、小学校プログラミング教育概論は、他の科目と異なり、単位認定試験がないオンライン科目でしたので、最初の一か月で集中して終わらせてしまいました。

四月こそかなり頑張りましたが、それ以外の月では一日あたり、一時間の勉強時間を割くのが精一杯。社会人としてはこれくらいが限界かなという気はします。

放送大学の勉強方法

真面目に勉強するのは学生時代以来(四半世紀ぶり!)でしたので、形から入るわたしは、まず勉強法について書籍を何冊か読みました。特におすすめだったのはこちらの『進化する勉強法』です。科学的なエビデンスに基づく、効果の高い学習法が紹介されています。

この学習法のポイントは二つ。

一つ目は”分散効果”です。

勉強はやみくもにしすぎてもダメで、すぐに復習するのも実はよくない。「集中学習」は長期記憶に繋がらず、いずれは忘れてしまうのだという。

分散し、繰り返すことで強固に記憶される。均等な間隔で復習を継続した方が効率的。

そして二つ目は"テスト効果"です。

教科書や参考書を読むだけでは記憶に残らない。覚えることと、思い出すことは脳にとって別のことなのである。テストを利用して、思い出す努力をする復習法を取り入れることで、しっかり知識が定着していく。

要は、長時間の詰込みではなく、均等な感覚で繰り返し学習を行うこと。そして、テストを利用して効率的に知識の定着を図るという勉強法です。

放送大学では過去に二学期分の単位認定試験の過去問題がネットで公開されているのでわたしはこの過去問を定期的に繰り返し勉強しました。

今回は自宅受験だったので、暗記を頑張る必要がなかったので、なんとか乗り切れたかなという印象です。

試験結果は?

さて、気になる試験結果ですが、ラッキーなことに全科目単位が取れていました!

今回は自宅受験で、教科書見放題だったので、さすがに単位が取れないことはないかなとは思っていたのですが、やはり結果が出ると安心しますね。

 

四半世紀ぶりに大学生になって最初の一学期を無事に終えることができました。二学期もコロナ禍のため、単位認定試験は自宅受験となるようです。わたしはもう少し履修科目を増やしてみるつもりです。いくつになっても新しい知識を学ぶことは楽しいですね。

放送大学関連の記事はこちらから